• 邦題：「守りたい人」
• 脚本：Jace Richdale, Scott Reynolds
• 監督：Steve Shill
• 初回放映：2013-09-08

ヴォーゲルはサクソンに謝り「また親子に戻ってあなたを助けたい」と言うが、サクソンは彼女が自分を捨てたことを非難して出て行く。

デクスターはデボラの家に匿っていたハンナを訪ね、仕事を辞めて一緒にマイアミを出ようと誘う。だがその前に、サクソンを殺害してヴォーゲルを守るつもりだった。帰宅したデボラに計画を打ち明けると、デボラは「私のことはどうでもいいのか」と怒る。

ヴォーゲルはあくまで、息子を施設に入れたいと考えていた。デクスターは、サクソンのことはヴォーゲルに任せてアルゼンチンへ行こうかと考えるが、ゴースト・ハリーは「サクソンを殺さないと彼女が危ない」と諭す。

事件現場でデクスターはエンジェルに辞職の意向を伝える。

サクソンは、ヴォーゲルを自分の「殺し部屋」へ連れて行く。そこはサクソンが収容されていた施設そっくりに改装したという。少年時代のサクソンは施設で恐ろしい治療を受けていたのだ。サクソンは「デクスターのように自由に、自分らしく生きたい」と言い、ヴォーゲルは「できることは何でもする」と言って息子を抱きしめる。

デクスターはヴォーゲルの自宅に忍び込み、スパイウェアを利用して逆にサクソンのシステムを探り、ザックが殺される動画を発見する。

ヴォーゲルはデクスターを訪ね、「ハンナについて前に言ったことは間違いだった。ハンナと良い関係を築いてほしい」とマイアミ脱出を勧める。ヴォーゲルはサクソンを改心させるつもりだったが、デクスターはザックの動画を見せ、「これ以上犠牲者を増やせない」と言い渡す。

クレイトン保安官は、エンジェルが鑑識員を募集する電話を聞いて、デクスターが旅に出ることを知る。

ハンナはデボラの家でハリソンの子守をしていたが、ハリソンがランニングマシンで怪我をしたため、危険を冒して病院へ連れて行き「デボラ・モーガン」と名乗る。その後、受付係がハンナの顔に気づいて保安官に通報していた。

デクスターはサクソンのための殺し部屋を用意。ヴォーゲルから「息子が来る」という連絡を受けて彼女の自宅へ駆けつけるが、サックスは彼の目の前で母親の首を切って殺害する。

いよいよ終盤に入り、次から次へと事態がスピーディに展開してそのまま怒涛のフィナーレへ――と、いつもならそうなるはずなのだが、今シーズンは何だかイマイチな気がする。

まず、ヴォーゲル博士の最期が残念。貫禄たっぷりで謎めいていたヴォーゲル博士が、息子が現れた途端にステレオタイプな母親キャラになってしまった。また、一連の「脳外科医」事件は結局ヴォーゲルとサックス母子の物語で、デクスターの立ち位置が「外部の協力者」に留まっていた感があるのも残念。だって、もうこれ以上デクスターが関わる必要って感じられないし。

ヴォーゲル博士は、息子がサイコパスであると気づいてそれを専門にしたと言うが、ハリーがデクスターに殺人技術を教えている間、息子のことはイギリスの施設に預けっぱなしにしていたのだろうか。それとも、息子が死んだ（と思った）後にデクスターの「教育」を開始したのか（サックス君、若く見えるけどかなり年上?）。時系列を詳しく説明してほしいところだけど、無理だろうか。

デクスターを殺人者に仕込むことができたのは、ハリーの存在があったからなのだろうが、サックス君にしてみれば、他人の息子はあんなに丁寧に育てて自分は施設に丸投げか! と恨みたくもなるのではないか。それを言ったらブライアンもそうだった（待遇が違いすぎ）わけだけど。

ハンナのことは「さっさとマイアミを脱出させろ」という気がしてしょうがない。「片時も離れたくない」と言ってわざわざ危険な状況に置いているという所に、どうにも説得力が感じられないのだ。あと2話先に最終回が来るという「大人の事情」にキャラたちが従わされているようにしか見えない。

それから、ハンナは髪を染めるか切るかするべきじゃないだろうか。どう考えても目立ちすぎる。

さて、その他の部分でも、フィナーレに向けてあちこちで話がまとまり始めている。ジェイミーとクインは結局別れてしまい、クインはデボラと元サヤ。この2人がシーズン5で恋人同士になった時は「うーん、どうだろう?」と思ったように記憶しているが、こうして見るとやはりクインとデボラの方がしっくり来る感じ。クインも問題児ではあるが、今シーズンは成長を感じさせてくれた。

マスオカの娘は何のために出て来たのか、いまいちよくわからないが（メインのストーリーには絡みそうもない）、マスオカが「父親」として大人キャラに成長するための通過儀礼的な要素だったのかなと思う。

それから、マシューズがザックの行方を気にしていたが、これはフィナーレに関わってくるのか?

— Yoko (yoko221b) 2015-05-23