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Homicide - Season 3, Episode 18
#51 Requiem for Adena
- 邦題:「アディーナへの鎮魂歌」
- 脚本:Julie Martin
- 監督:Lee Bonner
- 初回放映:1996-03-29
But one thing I can't tell you is when to stop caring.
事件概要
No.132 Janelle Parsons
ベイリス、ペンブルトン担当。12歳の黒人の少女ジャネル・パーソンズが胸と腹部を何箇所も刺されて死亡。ベイリスはアディーナ・ワトソン事件を思い出し、関連があるのではないかと疑うが、主任担当のペンブルトンは「アディーナの事件はもう4年も前の話だ」と慎重な姿勢を見せ、単独捜査を希望する。被害者が幼い少女であるため、事件はメディアの注目を集め、上層部もジャデーロをせっつくが、ペンブルトンは特別の態勢を取らず、あくまで通常の捜査を行う。
ベイリスはアディーナの母親を訪ねるが、彼女は第一容疑者だったアラバーの犯行を信じ、協力を拒む。ベイリスはタッカーの仲間のアラバーを訪ね、「タッカーが死んだのは警察のせいだ」となじられる。また、アディーナ事件の捜査に関わっていなかったラッサートに「新しい目で証拠を見てほしい」と頼み、付着物を再度調べ直す。
ペンブルトンはジャネルの周辺で聞き込みを行うが成果はあがらず。ジャネルの遺体からは精液が検出されるが、精子の数が少なくDNAテストには足りない。バーンファーザーは「48時間以内に容疑者が上がらなければ大規模捜査に移行する」と言い渡す。
そこへ「現場から逃げる女性を見た」という匿名の通報が入る。その女性はロレーナ・レスターという看護師だが結局単なる通行人らしいとわかる。
ペンブルトンからコメントを取れなかった記者が「ウォーターフロント」を訪れ、ベイリスとちょっと良い雰囲気に。2人は一緒に帰り、翌朝の新聞にはパーソンズ事件に関するベイリスのコメントが載る。ペンブルトンは大いに怒る。
性犯罪課の刑事から、前の晩にショーナ・クレイという11歳の少女がナイフで脅されてレイプされたという情報が入る。その男は被害者の母親エヴァンジェリンと交際しているカーヴァー・ドゥーリー。ショーナとジャネルは以前よく一緒に遊んでいたので、カーヴァーもジャネルと顔見知りだった可能性がある。また、ロレーナはエヴァンジェリンの従姉妹で、カーヴァーは以前ロレーナに言い寄っていたことがあるとわかる。ドゥーリー自身がふられた腹いせに、ロレーナを通報したものと思われた。
ペンブルトンはドゥーリーを逮捕。凶器のナイフも自宅から発見される。指紋などから、ドゥーリーがジャネルを刺殺したことは疑いがないと思われた。
アディーナ事件との関連を疑うベイリスは取調室に入り、アディーナの件を切り出すが、ドゥーリーは戸惑いを見せるばかり。ペンブルトンに諭され、ベイリスはようやく現実を受け入れる。
Elizabeth Vetter
夫が妻を射殺し、現場に急行した警官に告白。ケラマンが担当し、休暇中のルイスに代わってハワードが同行する。
感想
アディーナ・ワトソン。忘れもしない、シリーズ第1話「永遠への出発(たびだち)」の最後でベイリスが連絡を受けて担当になった事件だ。そして容疑者になった男(証拠がなく釈放)が最近死亡し、そのせいでベイリスが「殺人課を辞めたくなる」と言っていた(「張り込み」)。
同年代の黒人少女が似た手口で殺され、ベイリスはまっさきにアディーナ事件を思い浮かべるわけだが、ペンブルトンは「あれはもう4年も前の事件だ」と言い、無関係の別の事件と判断。たしかに、4年間も我慢していられる連続殺人者(性犯罪者)は少ないのかもしれない。また、アディーナ事件では人海戦術で大掛かりな捜査を行ったのだが、ペンブルトンはそのやり方がかえって捜査を誤らせたと思っているようだ(台詞からそのような印象を受けた)。
そんなわけでペンブルトンは通常の事件と同じように聞き込み捜査を行い、ベイリスはアディーナ事件をもう一度調べ直すという別行動になるが、ベイリスの捜査は関係者たちの傷口を開き、特にアディーナの母親に苦痛を与えたようだ。あのアラバーが犯人だと確信し、そのアラバーも死に、何とか気持ちの整理をつけてきたのに、今さら真犯人が別にいると言われても!
アラバーの無実を信じる仲間たちも、ベイリスへの敵意を隠さない。ベイリスが動くたびに周囲を傷つけ、本人もまた傷ついてボロボロになっていくようで、見ているのがちょっと辛くなるようなエピソードだった。最後にアディーナの写真を捨てた場面では、やるせないけれど少しホッとした気持ちにもなった。
で、ジャネル殺しで逮捕された犯人は母親の恋人で、見るからにアホっぽくて「本当にあいつがやったのか?」と言われる始末。たしかに、こんな事件だともうちょっと「狡猾で冷酷な殺人者! マスター・クリミナル!」的なキャラを期待してしまうが、現実はこんなものかもしれない。
事件以外の小ネタとしては、ブロディがハワードのことを好き? というやり取りが。ブロディとケラマンは「ハワードはホット!」と騒ぐが、それを聞いたマンチは驚いて「彼女は仲間だぞ、巡査部長なんだぞ!」と言う。惚れっぽいくせに、こういう所の線引きはきっちりしているのだろうか。といっても、制服警官ならデート相手のルームメイトでもベッドに直行だったので、その「線」をどこに引いているかは疑問だけど。
— Yoko (yoko221b) 2012-05-11