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Homicide - Season 4, Episode 8
#63 The True Test
- 邦題:「恐ろしき十代」
- 脚本:Noel Behn
- 原案:Tom Fontana, Noel Behn
- 監督:Alan Taylor
- 初回放映:1996-11-22
事件概要
No.197 Marshall Buchanan
ルイス、ベイリス担当。名門プレップスクールで生徒のマーシャル・ブキャナンが全身を刺されて殺害される。マーシャルは奨学金を得て入学しており、全校に3名だけいる黒人生徒のひとりだった。コンピュータサイエンスの才能があり成績は優秀だが、友達は多くなかったという。両親は「息子が池に突き落とされたことがある」と言って「チークス」という名前を挙げるが、マーシャルのルームメイトは「チークスなんて知らない」と口を閉ざし、池の件は「マーシャルは泳ぎたいと思っていたのに勇気がなかったので僕らが手伝っただけ」と主張する。
ルイスは生徒の名簿を見て「マクフィー・ブロードマン」という名前に注目。マクフィーはアリゾナの出身で、そこは「チークス」と呼ばれているのだった。マクフィーの母親は判事のスーザン・アンダル。判事は「息子に手を出すな」と圧力をかけるが、ベイリスはマクフィーの犯行を確信し、ルイスとともに学校へ戻り事情を聞く。
マーシャルは寮のパソコンで日記を書いていたというが、ハードディスクの中身はすべて消去されていた。消去が行われたタイムスタンプから、ルームメイト2人が嘘を言っていたことがわかる。
ベイリスはマクフィーに乱暴に接し、アンダル判事に呼びつけられるが、判事は「マクフィーは残酷な子だ」と言い出す。馬小屋を燃やしたり、学校で校長の新車に放火したこともあったという。判事はそれを知った上で息子をかばっているのだった。
マーシャルは日記のバックアップを取り、行きつけのサイバーカフェに預けていた。マクフィーもバックアップを探しに来て店長に暴力を振るったが、店長はしらを切りとおして日記を守ったという。その記述から、マーシャルがベルトで鞭打たれるなどの暴力を受けていたことがわかる。
そこへルームメイトのデレクが弁護士とともに警察署を訪れ「僕がマーシャルを刺して殺した」と、凶器のナイフを見せる。ベイリスはなおもマクフィーの犯行を疑い、もうひとりのルームメイト、ケンプを呼ぼうとするが、ケンプは休暇を過ごすためヨーロッパに行っていた。ベイリスとルイスはマクフィーを署に呼び、あの手この手で脅したりおだてたりした挙句に自白を引き出す。マクフィーは学校で支配的に振舞っていたが、ただひとり支配できないのがマーシャルだった。マクフィーはマーシャルに殺人を命じたが拒否されたため、デレクに命じて殺させたのだった。その殺人の標的とは、母親のアンダル判事だった。アンダル判事はそれでも、未成年者の尋問に保護者が同席していなかったことや、ミランダ警告がなされていなかったことを理由に、供述を排除して息子を守ろうとする。
感想
フロド・バギンズことイライジャ・ウッドがゲスト出演。「ロード・オブ・ザ・リング」のホビット姿が嘘のような邪悪な少年を演じていた。ホビットといえばその続編(時系列的にはそれ以前の話)「ホビット」を見て「全然変わってない!」と驚いたばかり。今回の役は、フロドになる3年くらい前なのかな?
今回被害者になったマーシャルは、治安の悪い地域の出身。母親は、犯罪と無縁な世界に息子を送り出せて喜んでいた。これで息子は「安全だ」と思ったのに、それがあまりにも残酷な形で裏切られる結果となった。学校のある場所はベイリスの出身地に近く、従兄のジム(シーズン2で登場した人だよね)は入学したいと望んでいたが、結局かなわなかったらしい。
ここに登場するもう一人の母親、アンダル判事は、息子が犯人であることも、残虐な性向があることも、自分が命を狙われたことも知っている。知っていてなおも庇おうとする。なぜなら、母であるから。いやちょっと待って。それでいいのか? いいわけがない。マクフィーはすでにマーシャルの命とデレクの将来を奪っている。判事は親権は持っていないかもしれないが、ちゃんと治療を受けさせるべきではないのか。独身のベイリスは母親としての姿に理解を示しているが、これは自分が親として責任を引き受けることがないからだろうか?
さて、事件以外のところでケラマンの汚職疑惑。どうやら同僚は検察と取引をし、ケラマンに不利な証言をするらしい。弁護士はケラマンに「取引を受け入れたほうが良い」と助言する。そしてフランクは射撃試験に無事合格! 翌日から現場に出られることになった。
— Yoko (yoko221b) 2013-01-26