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Homicide - Season 4, Episode 14
#69 Diener
- 邦題:「消えた指輪」
- 脚本:Christopher Kyle
- 原案:Tom Fontana, James Yoshimura, Julie Martin
- 監督:Kyle Secor
- 初回放映:1997-01-31
事件概要
No.034 Carol Bridgewell
美術教育を援助している資産家の女性、キャロル・ブリッジウェルが自宅で殺害される。上半身に何度も殴られた跡があり、恨みによる犯行と思われた。キャロルが援助している美術学生の中には素行の悪い者もいた。捜査の方針をめぐり、ペンブルトンとルイスの意見が対立。
キャロルにはマシューという兄がおり、前年に死亡した母親の遺産をめぐる対立があったとわかる。犯行前夜はパーティが開かれており、全員同じ頃に帰ったというが、後からマシューだけが忘れ物を取りに戻ったとわかる。
ペンブルトンとルイスはマシューに話を聞こうとするが、オフィスにもどこにも姿が見えない。警察署に戻ると、マシューがジャデーロのもとへ怒鳴り込み「警官が妹の指輪を盗んだ」と非難していた。キャロルはダイヤの指輪を着けていたはずだが、返却された所持品の中に入っていないという。だが刑事2人も現場にいた制服警官も、指輪のことは覚えておらず、ブロディのビデオでも指輪は死角になり写っていなかった。祖父母の代から伝わる貴重な指輪だというが、それにしても妹を殺害した犯人よりも指輪を気にしていることを、刑事たちは不審に思う。
マシューは犯行当日キャロルの家に彼女と2人きりでおり、遺産をめぐる争いという動機もあり、キャロルの手の爪の下からはマシューのDNAが検出される。だが凶器などの直接的な証拠はなく、弁護士は「強盗がキャロルを殺して指輪を奪った」という説を主張する。
刑事たちは指輪の紛失について話し合う。ルイスは「現場から現金をくすねることはあっても、指輪は証拠物件。警官は証拠には手を出さない」と言う。マンチとハワードは、以前にも同じようにアクセサリーやロレックスがなくなったことを思い出す。
コックスは話を聞き、ブロディの協力を得てモルグに監視カメラを設置し、職員のジェフ・マッギンが指輪を盗んだことを知る。ジェフは被害者の宝石や時計を盗んで売り、小金を稼いでいたのだ。問題の指輪はすでに質入されており、流れた先はわからなかった。だがジェフの証言で、犯人が指輪を盗まなかったことは明らかになる。その他の状況証拠と合わせて、マシュー・ブリッジウェルを起訴するかどうかは大陪審に委ねられる。
感想
タイトルの Diener(ディーナー)とは、葬儀社で死化粧などを行う人のこと。今回指輪を盗んだジェフは検死医の助手であってディーナーとはちょっと違う気がするが。検死医はドクターだけど、その助手というのは尊敬されない仕事なのかな。状況によってはかなり辛い仕事だと思うのだが、給料も安いみたいだし、そんな環境で文句も言わずに仕事をこなしていると思ったら、内心は不満たらたらだった。ジェフの立場に身を置いてみると、同情の余地もなくはないのだが、今回はそのせいで犯人(マシューの犯行だとして)が罪を逃れる可能性は高そうだし、やはり許されない行為には違いない。マイアミのアレックスが言った「私たちは死者にとって最後の防衛ライン」という言葉を思い出す。
前回あぶなっかしい所を見せたケラマンは休暇。大丈夫かな? そしてペンブルトン家には新たな問題が浮上しているのだろうか。メアリーがマリッジカウンセラーに行かないかと提案する(その後撤回)。メアリーとフランク、フランクとベイリスのパートナー関係をめぐるドラマがこの先もありそう。
ところでこのエピソードの監督は、ベイリス役のカイル・セコーだったのね。