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Judge John Deed - Series 1, Episode 3

#4 Appropriate Response

  • 脚本:G.F. Newman
  • 監督:Jane Powell
  • 初回放映:2001-12-10

事件概要

Baz Fatts & Grey Palfrey

非番中の警官2名が暴行事件を起こし、昏睡状態になるほどの重傷を負わせたとして起訴される。

予定されていた検察側の証人ドナルド・アトキンスは、法廷に現れず行方不明。実はその時、アトキンスは警察に逮捕され留置されていた。警察は明らかに、アトキンスが出廷するタイミングを狙って逮捕し、わざと裁判所に通知しなかったものと思われた。

アトキンスは法廷に現れるが、それまでの供述を翻し「自分が見た人物は被告人ではなかった」と言い出す。ディードは証人が警察で脅されて偽証していることを確信するが、アトキンスはそれを否定。ディードはやむなく事件を棄却するが、再起訴が可能であること、それまで被告人を拘置することを決定。さらに保釈請求も却下する。

Roberto Romero

強姦事件で服役していたロベルト・ロメロが仮釈放され、事件を担当したディードへの復讐を企てる。

ロメロはまずチャーリーを尾行して寮の部屋へ忍び込み、人形を壊して床に放置。その後ディードの法廷に現れ、傍聴人席でこれみよがしに人形を同じように壊してみせる。

次にロメロは、犬のロージーに毒入りの肉を食べさせる。リタ・クーパーのとっさの判断でロージーは獣医のもとへ運ばれる。ディードはロメロの犯行を確信し、ジムでロメロに暴力を振るう。

チャーリーは再びロメロが侵入したことを知り、父親に連絡。ディードは警察を呼ぶが、部屋に押し入った形跡はなく、ディードが警官を拘置していることもあってか警官たちは半信半疑。ディードの友人でもある警察幹部のコールモアは、両親の離婚で寂しい思いをした娘が、父親の気を引くために架空の侵入事件をでっち上げたのではないかと疑う。

ロメロはその後、チャーリーの携帯電話を盗み出し、ディードにチャーリーを誘拐したように見せかける。まんまとおびき出されたディードは、ロメロに殴りかかるが、チャーリーから電話が入ったため偽装が発覚。チャーリーはずっと大学にいたのだ。

その場から逃げ出したロメロはチャーリーの部屋に忍び込み、彼女を襲う。だが母親が偶然顔を出したため、ロメロは逃亡。その後、ロメロは刃物を持ってディードに襲い掛かるが、警備の警察官に取り押さえられる。

Johnny Latymer

ディードは判事のロバート・ヒュームと事件を交代し、ボクサーのジョニー・ラティマーの事件を担当。ラティマーは、親友のアランが妻と不倫したことに怒ってアランを強打し、脳や身体機能に障害が残るほどの重症を負わせていた。弁護側は、ラティマーは怒りのあまり、自覚なく犯行に及んだと主張するが、検察官ジョー・ミルズは、ラティマーには犯行の意図があったと主張する。

妻のモニカ・ラティマーは、ジョニーが「殺してやる」と叫びながらアランを殴っていたことを証言。ジョニーは、犯行当日アランの家に行ったことも、彼を殴ったことも覚えていないと言う。

ディードは、自分自身が怒りのあまりロメロに暴力を振るったことで「自分にはこの事件を裁く資格がない」と辞任を考える。だがジョー・ミルズは「この事件の本質を、身をもって理解している貴方こそが適任だ」とディードを説得。ディードは「ラティマーを有罪にしたところで、誰も救われない」と言い、「罪状をセクション47に落として有罪答弁を受け入れてはどうか」と提案する。

ラティマーは答弁を有罪に変更し、ディードは「2年間、1日2時間以上アラン・デイの介護をするように」という社会処罰命令(community punishment order)を下す。

Mason v. Mason

ディードはアラン・メイソンとチャールズ・メイソン兄弟の紛争を担当。この兄弟の紛争は長期間に及び、弁護士費用だけで2人とも父親から相続した財産を使い果たしてしまっていた。ディードは法廷でも言い争いを続ける兄弟にうんざりし、「アラン・メイソンの言い分を認める」と言いつつ「チャールズ・メイソンはアラン・メイソンに総額1ペニーを支払うように」と命ずる。兄弟は驚いてまためいめいに騒ぎ始めたため、ディードは2人を法廷侮辱罪で逮捕。ただし、すぐに釈放するようこっそり指示する。


感想

事件が多くてちょっとややこしいが、ロメロの一件を中心にそれぞれが関連し合い、全体としてディード判事の人となりを描くドラマになっている。イギリスドラマは時間が長め(前後編に分かれているものも含めて90~100分くらいのストーリーが多いように思う)なせいもあるのか、一本の軸を中心にして、一見ばらばらな要素をまとめ上げる構成が時々見られる。今回は、警官の事件でのディードと警察の軋轢がチャーリーの部屋の侵入事件に影響し、「無我夢中で暴力を振るった」というラティマーの事件を裁く判事自らが、怒りにまかせて暴力を振るう。メイソン兄弟の事件は「どのような判決を下しても誰も勝利しない」ということで、ラティマー事件判決の前振りになっているのだろう。

メイソン事件とラティマー事件は、何というか大岡裁きのような結論だった。これがどの程度現実的かは別として、「どちらが正しいか」「事実はどうだったか」よりも「どういう判決が当事者たちのためになるか」を考えているところが面白い。再犯の可能性がきわめて低く、かつ被害者が加害者の親友だからこそできることなのだろう。

そんなこんなで事件だけでもけっこう盛りだくさんなのに、ディード判事の女性関係の描写まで。判事はジョーさんとの交際を復活させつつもロチェスター夫人が気にかかるご様子。でも未練たらたら……って感じではないのよね。何というか天真爛漫で、気持ちの赴くままに人目も気にせず行動している感じ。でも気にしなさすぎですよ! ジョーさんやサー・イアンが見ている前であんな風に踊るなんて!

で、その後にジョーさんとフェンシングの練習をする場面があるのだが、そこでまた妙にムーディな音楽がかかって、フェンシングがまるでダンスのように見えた。

さてロメロの事件。今回は、連続レイプ犯に娘が狙われているらしいとあって、ディード先生大暴走。誘拐(じゃなかったけど)の場面では、ちゃんと確認しなさいよ!と思うとともにスピードの出しすぎにハラハラ。ジムの場面はどう見ても判事の方が危ない人だし……。

それにしてもチャーリーは、わざわざ部屋まで来てくれたコールモア(警察幹部)に対して礼も言わず見送りもせずベッドに寝そべったまま。今時の子って(あるいはイギリスでは)こういうもの?(これも10年ちかく前の作品ではあるけど)

チャーリーが母親を “Ice Maiden” と呼ぶので、あまり仲良くないのかなと思っていたが、今回のエピソードでは、親子というより友達か姉妹のような仲の良さが見られた。ジョージさんがいつも仕事で忙しいので、かまってもらえなくて寂しいという気持ちからそんな風に呼んでいるのだろうか。そのジョージさんは娘から電話を受けて「逮捕されたの?」だって。留置場から親に電話したのは貴女の方でしょう。

ラティマー事件で出てきた「セクション47」は何なのかよくわからないが、ジョーさんが「もう検察から仕事が来なくなるわ」と言ったぐらいだから、かなり軽い罪なのだろうと推測。

Yoko (yoko221b) 2010-02-14

jjd/s01/004_appropriate_response.txt · Last modified: 2019-06-16 by Yoko