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Law & Order - Season 1
#1 Prescription for Death
- 邦題:「死の処方」
- 監督:John Whitesell
- 脚本:Ed Zuckerman
- 原案:Ed Zuckerman, David Black
- 初回放映:1990-09-13
事件概要
People vs. Edward Auster (判事:Benjamin Harcourt)
気管支炎で来院した女性がERで死亡。病院側は肺炎だったと説明するが、元衛生兵の父親は納得せず、市警に訴える。捜査の結果、死亡した女性が抗うつ剤を服用していたこと、その薬と併用してはいけない麻酔薬を投与されたこと、さらにカルテを改ざんしてそれを隠蔽しようとしていたことなどが少しずつ明らかになった。麻酔薬を投与したのは内科部長のオースター医師。
オースター医師はその日、回診前にパーティに出席して飲酒し、酔っ払った状態で投薬を行っていた。オースター医師がアルコール依存の問題を抱え、酔って無茶な治療をすることは、いわば公然の秘密だった。だが内科部長とあって、他の医師はなかなか口を開かない。また、「酒の匂いがした」とはいっても、見た目は完全に素面だったため証明は困難と思われた。
ようやくインターン生が「彼は酔っていた」と認め、他の医師もそれに続くことが期待できたため、ストーン検事は起訴に踏み切る。証人を探して調査を進めると、オースター医師は以前にも酔って治療を行って女児を死なせ、両親に慰謝料を支払っていたことがわかる。「彼と連続殺人鬼の違いは何だ?」とストーンは思わずつぶやく。
法廷では、オースター医師が自ら証言台に立った。ストーンは、昼食休憩中に医師が飲酒していたことを知り、「見た目は素面だが実は酔っている」状態があり得ることを証明するため、市警が飲酒運転の判定に使うマニュアルを取り出す。そして「目を閉じて腕を横に伸ばし、そこから腕を曲げて自分の鼻を触ってみてください」と言う。医師はそのとおりにするが、鼻ではなく目に触ってしまった。
なぜそんなことを知っていたのか、と聞かれたストーンは「自分の父親も飲酒癖があったからだ」と答えた。
感想
Law & Order シリーズを見始めてまず感じたのは、事件のテンポがずいぶん速いなということだった。前半であっさり犯人がわかり、後半で裁判になるという構成のせいかもしれないが、事件自体が単純なものであるせいかもしれない。凝ったトリックやアリバイ工作を崩したり、微細な証拠を念入りに分析するということがなく、とにかく聞き込み主体で捜査が迅速に進む。証拠の鑑定ももちろんあるが、途中のプロセスは省略して、刑事2人が専門家に話を聞くという結論部分だけをさくっと流す。ラボで分析している場面を流す時間などない! とでも言われそうなタイトさである(当時は科学捜査にそれほど関心が持たれていなかったのだとは思うが)。聞き込みも、「次はどこに行って誰に話を聞くか」なんて説明はほとんどせず、テロップで説明。これは話が早い。
最後の方で、被告人のオースター医師が自ら「証人」として証言を行う。最初「なんで被告人なのに証言?」と不思議に思ったが、アメリカでは被告人が証人になってもかまわないらしい。日本では、確かこれはできなかったと思う(被告人質問は証言とは位置付けが違うはず)。
— Yoko (yoko221b) 2007-01-04, 改訂 2007-10-01