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Law & Order - Season 1
#4 Kiss the Girls and Make Them Die
- 邦題:「死に至るキス」
- 脚本:Robert Stuart Nathan
- 原案:Dick Wolf
- 監督:Charlie Correll
- 初回放映:1990-10-11
事件概要
People vs. Edward (Ned) Loomis (判事:Grace Larkin)
不動産会社に勤めるペイジ・バートレットという若い女性が、自宅のベッドで喉をつぶされて重傷を負い、脳の出血が止まらず死亡した。ペイジは以前、ネッド・ルーミスという名門の子息の恋人がいたが、彼と別れて貧しいアーティストのスティーヴと交際するようになり、そのスティーヴにも捨てられたばかりだったという。事件直前に、ペイジは2人の男性と性交渉を持っていた。スティーヴにはアリバイがあったため、ネッドに容疑がかかる。ネッドは名門の出身だが、名前だけで財産がなかったため、婚約寸前だったペイジを捨てて富豪の娘と婚約したのだった。
グリーヴィとローガンはネッドに同行を求め尋問する。任意同行だったため、刑事は権利を伝えていなかった。弁護士はその点をついて「不当な拘束だ」と申し立てる。さらに、陪審員に好印象を与えそうな風貌から、検察は不利と思われた。ネッドには婚約者に優しく仕事熱心であると同時に、女たらしで暴力的な一面をもあわせ持っていた。さらに、ペイジの男性関係に関する低俗な暴露記事が雑誌に載る。ペイジの印象を貶めて陪審員の心象を操作しようとするネッド側の戦術と思われた。
精液のDNAから、事件当夜ネッドとペイジが関係を持ったことは立証される。その後、6年前にネッドを暴行で訴えた女性がいたことがわかる。その女性はネッドに負わされた喉の怪我が原因で、現在もかすれた声しか出すことができなかった。しかし起訴は取り下げられており、偏見を与えるからという理由で彼女が証言することはできない。ストーンはネッドの婚約者とその被害者を面会させる。婚約者はネッドの本性を知って証言台に立ち、アリバイを崩す。
判決は、第2級謀殺で有罪。
感想
エピソードのタイトルは、マザー・グーズの「ジョージィ・ポージィ」をもじった物。ジョージィ・ポージィは女の子にキスして泣かせてしまい(Kiss the girls and make them cry)、男の子たちが遊びに来ると逃げてしまうような子なのだが、ネッドは警察・検察から逃げ切ることはできなかった。
こんな不愉快な事件にもやはり元ネタがあるのだ。あまり気が進まないのでチラ見したくらいで、どの程度似ているのかはよくわからないのだが、18歳の少女を殺害した容疑で、ロバート・チャンバースという青年が逮捕された事件がそうらしい。事件発生は1986年で、このエピソードの前年には、“The Preppie Murder” というタイトルでドラマ化されている。この時に被害者の少女を演じたのはララ・フリン・ボイル。ツイン・ピークスのドナを演じる前の年だ。リンダ・ウルフによるノンフィクションもある(下掲)。
何が不愉快って、事件それ自体もそうだが、“blame the victim” 戦術ってのがね、見ていて憂鬱になってくるのだわ。でももうひとりの被害者が勇気を出したおかげで、最後有罪になって良かった。
— Yoko (yoko221b) 2007-01-04, 改訂 2008-03-06