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Law & Order - Season 1
#7 By Hooker, By Crook
- 邦題:「執念の追及」
- 脚本:David Black
- 監督:Martin Davidson
- 初回放映:1990-11-13
事件概要
People vs. Laura Winthrop
セントラルパークで男性が倒れているのが発見される。心臓発作を起こした後、頭を殴られたのだ。病院に搬送されたが死亡。被害者が前日に売春婦を買っていたことがわかり、グリーヴィが囮捜査で売春婦のジョリーンを発見し逮捕する。ジョリーンの供述から、被害者が心臓発作を起した後、運転手の「クッキー」が後始末をしたことがわかる。トラブルを避けるため、強盗に見せかけて公園に遺棄したのだった。
グリーヴィはさらに囮捜査を行い、クッキーに指示した女性ジャスミンを逮捕。ジャスミンに企業専門の弁護士がついたことがきっかけで、その売春組織の経営者がローラ・ウィンスロップという女性であることが判明する。検事はクッキーと取引して、ローラを殺人罪で起訴する。売春宿の顧客名簿には、何人もの名士が名を連ねていた。
ローラは売春斡旋のみを認めて取引しようとする。シフ検事も取引を勧めるが、ストーン検事は断固として取引を拒否。売春だけでは実刑にならないため、第2級謀殺の罪は外せないのだった。ジョリーンがHIVに感染していることがわかり、彼女は証言台に立つ。
ローラは自ら証言し「従業員たちの健康管理は万全。私は無教養な女の子たちを教育し、洗練された女性に育て上げた」と主張するが、ストーンはローラに対し「HIVに感染して仕事を辞めた女性たちの面倒を見たことがあるのか、客に感染の危険を伝えたことはあるのか」などと厳しく追及し、ローラが危険を知りつつ人命を軽視したことを主張する。ついにローラは過失致死罪での有罪を認め、取引をのむ。
感想
法廷に立ったストーン検事の、邦題通りの執念の追及ぶりがすごい。このエピソードを見て検事は怖い(だが、そこがいい)と思った。このような事件だと、客に対して共感とまではいかなくても「まぁ男ってのはね……」という一種の容認のような気持ちを見せることも多いのだが、ストーン検事はあくまでも堅物だ(そこもいい)。
正直なところ、売春斡旋はガチとしても「第2級謀殺(Murder Two)」というのは、いささか飛躍しすぎでは? と思わないでもない。だがストーン検事の追及により陪審員が有罪に動く可能性が出て来た、ということかな。最後に陪審員長もそれっぽいことを仄めかしていたし。
例によって元ネタがあるが、ローラのモデルになったのは、80年代にNYで高級娼館を経営していた「メイフラワー・マダム」ことSydney Biddle Barrowsとのこと。ただし殺人があったわけではなく罪状は売春だけのようだが、ローラの主張内容などは実在のマダムと重複するところがあるようだ。事件発覚後にバローズが出版した自伝は、キャンディス・バーゲン主演でドラマ化されている。
ところで、このエピソードの最後で検事2人が裁判所を出る場面。IMDbのトリビアによるとオープニングの「ORDER」で使われているのがこの場面の映像なのだそうだ。見比べてみると確かにっ!
ということは、シリーズ開始の段階で、このエピソードまではもう撮影されていたのね(この最後の場面は、陪審員長がインタビューを受ける場面にそのままつながって行くので、ストック映像ではないはず)。そしてストーン、ロビネット両検事のお姿は今日に至るまでオープニングに残っているのね~。
— Yoko (yoko221b) 2007-01-29, 改訂 2008-03-21