User Tools

Site Tools


lao:s02:024_the_wages_of_love

Law & Order - Season 2, Episode 2

#24 The Wages of Love

  • 邦題:「愛の代価」
  • 監督:Ed Sherin
  • 脚本:Ed Zuckerman
  • 原案:Robert Stuart Nathan, Ed Zuckerman
  • 初回放映:1991-09-24

事件概要

People vs. Melanie Cullen (判事 Rebecca Stein)

エドワード・カレンと若い愛人が自宅のベッドで射殺された。エドワードは妻メラニーと離婚係争中、愛人のアレクサンドラ・ベケットは恋人ダグ・フィリップスと別れたばかりだった。息子ジェイミーはメラニーのアリバイを証言したが、フィリップスは、以前に酔ってカレンを殴ったことや、2人に何度も電話をかけていたことから容疑が濃厚になる。決定的な証拠はなかったものの動機と機会は十分であり、フィリップスは逮捕、起訴される。

一方、セレタ、ローガン両刑事はフィリップス犯人説に納得がいかず捜査を継続。その結果、ジェイミーが犯行時刻に母親の家にいなかったこと、犯行に使われた銃はエドワード・カレンが密かに買い取ったものであることがわかる。銃の存在を当然知っていたはずのメラニーが逮捕され、フィリップスは釈放となる。弁護人は謀殺ではなく故殺を主張するが、メラニーが息子の鍵のシリアル番号を使って事前に合鍵を作っていたことから、検事は計画的な殺人と判断。

だがメラニーの公判で、ジェイミーはそれまでの供述を翻し、合鍵はエドワードがメラニーのために作らせた物だと証言。計画殺人は主要な根拠を欠くことになってしまった。検事はなおも謀殺を主張し、判事は「被告人が被害者を射殺したことではなく、前もって計画して行ったかどうかを判断し、計画性がなければ無罪とするように」と陪審員に説示する。評決の直前になって弁護人が取引を申し出る。

検事は取引を承諾し、メラニーは2人の故殺で有罪となる。後からわかったことだが、その時点で陪審員は評決に入っており、「謀殺」での有罪判決は確実という状況だった――。


感想

前回はグリーヴィ刑事が殉職というショッキングな事件で、ローガンの苦悩する姿が描かれたのだが、今回はもうすっかり普通の日常に戻っていた。キャラクターに対するこのような「掘り下げのなさ」がLAOらしい所なのかなと思う。今回ストーン検事に離婚歴があることがわかったり、そういう個人的な背景が少し語られることはあるものの、そのような話が発展していくことはほとんどない。主役はあくまで「事件」であり、警察と検察は事件の「語り手」として物語に仕えている存在である、そういうスタンスがこのシリーズの息の長さを支えているのではないだろうか。

今回の事件、元ネタはBetty Broderick事件とのこと。事件そのままではないし結末も異なっている(というか、このエピの放送より後の後日談がある)が、妻(元妻)が自分を裏切った夫とその愛人(後妻)を殺害するというプロットが似ているかな。このBroderick事件は、ディック・ロウリー監督、メレディス・バクスター主演でドラマ化されている(下記)。事件当時、ベティが出廷する時は、TV局がソープオペラやトークショーをやめて特番を組んで中継したというから、相当話題になったのだろう。

リアル事件はさておき、ドラマの方は法廷でびっくりの巻。頼りの証言がいきなり反故にされちゃうというのは、シーズン1「The Torrents of Greed(欲望の奔流)」以来だろうか。この番狂わせで「計画的犯行」は証明できないと踏み、検事は取引に応じたのだろうと思うのだが、被告人に同情的と予想していた陪審員は、予想に反して有罪に傾いていたもよう。被告人の「泣き」も演技だと見抜かれていたのか。結果的には、しなくて良い取引に応じてしまったことになるが、あの時点ではあまり勝算があるとは思えなかったのだし、後から「今のなし」というわけにもいかないしな。

この事件で被告人の弁護士を演じたジェリー・オーバックは、次シーズンくらいからレニー・ブリスコー刑事として10年以上にわたりレギュラー出演することになる。

Yoko (yoko221b) 2007-06-11

lao/s02/024_the_wages_of_love.txt · Last modified: 2024-03-03 by 127.0.0.1