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Law & Order - Season 2, Episode 8
#30 Out of Control
- 邦題:「裏切り」
- 監督:John Whitesell
- 脚本:Jack Richardson
- 原案:David Black, Robert Stuart Nathan
- 初回放映:1991-11-12
事件概要
People vs. Joel Holder & Ted Campion (判事:Gloria West)
女子学生アンドレア・フェルミが、学生寮のハロウィーンのパーティでレイプされたと訴える。レイプしたとされたのは男子学生のテッド・キャンピオンとジョエル・ホールダーだったが、2人とも「現場には近づいてすらいない、アンドレアの姿も見ていない」と主張。
アンドレアは、新入生のゲイリー・バーナムと婚約していると言うが、ゲイリーは「別れた」と言う。ゲイリーはアンドレアに夢中だったが、学生クラブの上級生から「あれは軽い女だからやめたほうが良い」と忠告されていた。ゲイリーは、別れた後にアンドレアから送られた脅迫状のような手紙を見せるが、アンドレアはゲイリーからの熱烈なプロポーズの手紙を見せる。
その後、現場付近で姿を見た者が現れ、キャンピオンとホールダーは逮捕される。DNAからも、2人がアンドレアと交渉を持ったことが判明するが、2人は合意だったと主張を変える。キャンピオンは「アンドレアは最初から承知だった、お膳立てしたのはゲイリーだ」と言う。ゲイリーは取引に応じ、アンドレアをパーティに誘ったことを認めた。ゲイリーは、彼女の過去の恋人のことで口論になり、売り言葉に買い言葉のような状況で「寮の仲間と寝てみろ」「喜んで」という言い合いになったと言うが、実はアンドレアに知らせず、だましていた。
弁護側は、事件の前夜にアンドレアが元恋人と寝たことを突きとめ、彼を証人として呼ぼうとする。検事は愕然とするが、逆にそれがきっかけで、アンドレアが合意で性交渉をする時はかならずコンドームを使用していることがわかる。したがって、2人の精液が検出されたこと自体が間接的に非合意を示すことになるはずだった。しかし陪審員は被告人2人に対し無罪の評決を下した。
感想
ど~~んと鬱になる終わり方。なぜ被害者であるアンドレアがあのようにメディアに晒されなければならないのだろう。これは、「Misconception(ねじ曲げられた真実)」の逆のパターンと考えて良いのだろうか。アンドレアの同意を得ていなかったこともゲイリーが彼女をだましたことも法廷で証言され、陪審員はそれを聞いたはずなのに、結果は無罪。陪審員は彼らなりの倫理観で、アンドレアの方に「より責任がある」とみなし、無罪の評決を下したのだろうか。
ストーン検事が論文から引用した「女性の陪審員は(女性の)被害者から距離を置こうとする。それは、自分は彼女とは違うから同じ目に遭わないはずだ、と思いたがる防衛的な反応であり、そのために被害者の言い分を信じない傾向が生じる」という傾向、これは自分にも当てはまるかもしれないと思う。頭でわかっていても、このような犯罪で「被害者の身になって考える」ことが感覚的に難しい。
その一方で「もっと品行方正で同情を買える被害者なら良かったのに」みたいなことを言う連中も、見てると腹立つんだよな~もう。
……やはり性犯罪のエピソードはフィクションであっても見るのが辛いなと思う。このエピソードにも元ネタがあるらしい(NYの大学で起きたレイプ事件)が、今回は現実の事件の詳細を読む気になれず、パス。
— Yoko (yoko221b) 2007-06-23