Table of Contents
Law & Order - Season 2, Episode 9
#31 Renunciation
- 邦題:「断たれた想い」
- 監督:Gwen Arner
- 脚本:Michael S. Chernuchin
- 初回放映:1991-11-19
Anything worth knowing cannot be taught in a classroom.
事件概要
People vs. Roy Pack Jr. (判事:Michael Callahan)
バーテンダーのラリー・キーリーが車にはねられ死亡。目撃者の証言から、車種はメルセデスで、殺意を持って故意にはねたらしい。近隣で聞き込みをした結果、ラリーの妻ジェンナがどうやら浮気をしていたらしいとわかる。さらに、ラリーが死亡した翌日、ジェンナは新しいアパートを購入していた。事故死の場合は倍額受け取れる生命保険に入っていたのだ。
ジェンナ・キーリーは高校の教師で、同僚の話から彼女と親密だったロイ・パックという男子生徒の存在が判明。ロイの母親はメルセデスを所有しており、現物を調べてみると車の前部が破損していた。血痕や毛髪など直接結び付く証拠はなかったが、動機は十分でアリバイも不確かだったことから、ロイが逮捕され起訴される。
ロイはジェンナを真剣に愛し、ラリーが妻に辛く当たることを怒っていた。だがその後のジェンナの言動から、自分はただ利用されていただけだと悟る。ロイは、自分が犯行を起こす前にジェンナと2人で殺し屋を雇って失敗したことなどを次々に自供するが、ジェンナは「ロイがのぼせ上がって勝手にやっただけ。殺し屋は私から断った」と突っぱねる。このままでは、ロイは「教師にそそのかされた少年」として同情を買い無罪判決を受ける可能性が高いが、かといってジェンナを起訴できるだけの材料もなかった。
ロビネットは証言の矛盾を発見する。「殺し屋」として2人の依頼を受けたカウファーは、ジェンナが話を取り下げた後も金を返さなかった。理由は、ラリーがスポーツ賭博でカウファーに借金をしていたからとのことだったが、それは、昨年の試合のこと。その当時カウファーは詐欺罪で収監されていた。ストーンは、共同謀議を適用しないという条件で、カウファーの証言を得る。カウファーは殺し屋のふりをして話を合わせ、ジェンナはたくみにロイを操ってラリーを殺すようにしむけたのだった。
ストーンはロイの弁護士と取引をして第2級故殺を適用、ローガンとセラタはジェンナを逮捕する。
感想
このエピソードの元ネタは、90年に発生した殺人事件とのこと。メディアスクールで教師をしていたお天気キャスターのパメラ・スマートが、教え子を誘惑してそそのかし、夫を殺害させたというもの。このエピソード放映の2ヶ月くらい前にヘレン・ハント主演の“Murder in New Hampshire”としてドラマ化され、95年にはニコール・キッドマンの主演で映画化された(「To Die For(誘う女)」)。うーん、確かにスキャンダラスでワイドショーネタにはなりそうだけど、現実のスマート事件は全然スマートでも何でもなく、被害者には申し訳ないがおバカな事件としか言いようがない。
ロイの自白に関してはストーン検事のはったり勝ち、という所か。「明日には鑑定結果が届いてハッキリする、自供するなら今のうちだ」と、嘘は言っていないのだけど、その時点では正式な報告書が来ていないというだけで、「めぼしい証拠はありませんでした」という口頭での報告は聞いているのよね……。現在のCSIなら何か見つけただろうし、データドットで持ち主もあっさり判明しそうだ。
検事たちが起訴する罪状を決める時に、ロイが陪審員の同情を買いそうなタイプであるせいか「manslaughterのオプションを与えると、評決はそっちに行ってしまうだろうから “less than murder” の選択肢は含めないようにしよう」などと相談。戦術をあれこれ考えないといけないんだなぁ。
— Yoko (yoko221b) 2007-06-24