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Law & Order - Season 2, Episode 15
#37 Trust
- 邦題:「信頼」
- 監督:Daniel Sackheim
- 脚本:René Balcer
- 原案:Michael Duggan, René Balcer
- 初回放映:1992-02-11
事件概要
People vs. Jamie Maser (判事:Frank Markman/Joseph Gannon)
ビショップ・アカデミーの生徒ロビー・フェンウィックが、廃工場で射殺された遺体となって発見される。近くの河で拳銃が発見され、登録者のイアン・メイザーを訪ねると、そこには同じくビショップ・アカデミーに通う15歳の息子ジェイミーがいた。
ジェイミーは最初、ロビーに銃を見せている時に弾みで発砲したと言うが、現場の証拠はそれに一致しない。改めて話を聞くと、ジェイミーは「Trust(信頼)」というゲームをしていたと供述を変えた。それは、相手に銃を突きつけて撃つふりをして「止めろ」と言わせるゲームだった。ジェイミーは、父親とともに射撃場で練習したことがあったが、いつもシングルアクションの銃を使っていたので、撃鉄を起こさなければ弾は出ないと思っていたと主張する。だが同型の拳銃で再現実験した結果、ジェイミーには撃鉄の動きが見えていたはずだとわかる。
イアン・メイザーはジェイミーの母親と離婚していた。それは、2年前に起きたある事件と、その結果ジェイミーがセラピーと投薬を受けるようになったことが原因だったが、離婚の条件として詳細は封印され、2人とも語ろうとしなかった。警察の記録も封印されているが、当時の担当刑事に話を聞くことができた。それは13歳のジェイミーがグレアム・キャンベルという少年を射殺した事件で、詳細は今回のロビーの場合とまったく同じ。撃鉄に関して言ったことも同じだった。ストーンはジェイミーを成人として扱い、第2級謀殺で起訴する。
オリヴェット医師はジェイミーに面接し、彼が父親から精神的に虐待され、その影響で暴力にはしっていると診断。シフは精神科の治療を条件に取引をするよう勧めるが、すでに2年間治療を受けて効果がないからとストーンは反対する。さりとて、2年前の事件の情報が封印されて法廷に持ち出せない以上、有罪にすることは困難と思われた。
陪審員はジェイミーに無罪の評決を出す。ストーンは即座に2年前の事件の封印を解き、捜査を再開する手続きを取る。
パメラ・メイザー(ジェイミーの母)は、ストーンの説得で証言台に立つ。グレアム・キャンベル事件の後、パメラはイアンと別居し、ジェイミーを引き取った。だが、ジェイミーは父親と同じように振舞うようになり、ある日父親の拳銃をパメラに突きつけ「撃つとは思ってないだろう。グレアムもそう思っていなかった」と言ったのだ。パメラはジェイミーが自分を撃つと思った。彼女は息子に治療を受けさせるための条件として養育権をあきらめ、事件に関して沈黙を守ることに同意してきたが、2人目の犠牲者を出してしまった。たとえ少年院や刑務所へ行くことになっても、父親のもとにいるよりは本人のためになると思い、パメラは契約を破って証言したのだった。
今回の評決は有罪。
感想
子どもが犯人、というのは Law & Order ではあまり見かけない気がする。しかも15歳で再犯とは!
最初の事件の判決がかなり早い段階で出たので、まだ続きがあるんだろうとは思ったけど、2年前のコールドケースじゃ、正直無理があるんじゃないかと思っていた。実際、再開した時点ではパメラの証言もまだ得ていなかったわけで、検察側もそれほど自信があったとは思えない。
2つの事件を並べてみると、ジェイミーに殺意があったのは明らかであるように思える。しかし新しい事件は無罪なので、いくら新しい材料が出て来ても一事不再理の原則は動かせない。
その一方で、古い事件に対して新しい事件を証拠として使うこともできない。事件の発生時、まだ起きていなかったのだから。原則というものは、時として守ることそれ自体がすごく大変だったりするわけね。
前回に続いて、被告人の母の存在が印象に残ったエピソードだった。前回のバーバラは、息子を守るためなら偽証でも何でもするという人だった。今回のパメラは、息子を守るために口を閉ざし、そのために2人目の犠牲者を出してしまったことを悔いて検察側の証人となった。最後の場面で、息子を見つめるパメラの表情が痛々しかった。
でも、イアンが復讐に彼女を殺すのではないかと思って、何だか気が気ではなかった。何事もなくエンドクレジットが出た時はホッとした~。
— Yoko (yoko221b) 2007-11-16