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lao:s02:038_vengeance

Law & Order - Season 2, Episode 16

#38 Vengeance

  • 邦題:「目には目を」
  • 監督:Daniel Sackheim
  • 脚本:Michael S. Chernuchin, René Balcer
  • 原案:Peter S. Greenberg, Michael S. Chernuchin
  • 初回放映:1992-02-18

事件概要

People vs. Albert Lawrence Cheney (判事:Robert Quinn)

アパートのエレベーターシャフトで女性の遺体が発見される。被害者はそのアパートに1人で住んでいた大学院生のジュディ・ブリーム。全裸、ダクトテープで口をふさがれ、ワイヤーのようなもので首を絞められていた。同じ手口で若い女性が殺された事件が、過去半年以内に2件起きており、連続殺人の可能性があった。

部屋には争った形跡があったが扉を破った形跡はない。ジュディは前日までコネティカットの両親の家にいたが、アパートの配線工事に関する連絡を受けてアパートに帰ったという。

3人の被害者の交流関係を調べると、2人が同じ医者にかかっており、もう1人は別の医者だったが、その2人の医者は同じ簿記係を雇っていた。簿記係のアルバート・ローレンス・チェイニーで、女性を殺害して服役した前科があった。ただし本人は「自分はやっていないが、15年の刑になるよりは取引して5年の刑で済ませた方が良いと思った」と言う。出所してから簿記の仕事を始めたが、それ以前は電気技師で、電気会社のIDカードやエレベーターの鍵を持っていた。チェイニーに部屋からは、カメラやテープなど、犯行に結び付く証拠がいくつか見つかるが、いずれも決定的ではない。

刑事たちはチェイニーを徹底的に取り調べ、チェイニーがトランクルームを借りていることを突き止める。そこには、裸にされ縛られた被害者の写真が保管されていた。

検察はチェイニーを起訴するが、弁護人は、厳しい取り調べが12時間にも及んだことを理由に、証拠の排除を申し立てる。チェイニーは弁護士を呼ぶ権利があることを知りながら敢えて求めず、刑事たちは捜索令状を取っていたが、判事の決定で写真は証拠から排除される。残る証拠は電気会社のIDなど、ジュディの事件に結び付く物だけ。他2名の事件は却下され、ジュディ殺害に関してのみ公判が開かれることになった。

チェイニーの昔の事件では、カウンセラーに会わせてほしいという希望を無視して取り調べたことが問題になり、検事は「チェイニーを無罪放免にするよりは」と取引を行わざるを得なかったのだ。

ジュディの両親が、コネティカットの検事とともに現れる。彼らは、チェイニーがジュディに電話をかけ、コネティカットからNYのアパートへ「誘い出した」ことを理由に、誘拐罪で起訴したいという。理由は、コネティカット州には死刑制度があるためだった。ジュディの電話はアパートから自宅へ自動転送されていたため、チェイニーはジュディの居場所を知らないはずだったが、ジュディの母は「電話を受けたとき私はそばにいて、ジュディが自分の居場所を告げるのを聞いていた」と主張する。ストーンは、それは刑事制度を利用した復讐であると反発する。コネティカットの検事はチェイニーの身柄送致を要求するが、判事はNYでの公判維持を決定。

チェイニーのアリバイは妻サラが証言しており、彼女のタイムカード(郵便局の夜勤勤務)もそれを裏付けていた。だがよく調べると、職場の駐車場に入ったのはもっと遅い時刻であり、タイムカードは同僚が代わりに押していたことがわかる。ストーンが被害者の写真を見せると、サラは泣きながら、アリバイ工作とシャツの血を洗い落としたことを認めた。


感想

タイトルが “Vengeance”(復讐)なので、誰が何に対して復讐するのだろうといろいろ考えながら見ていた。取調べがかなり厳しかった(珍しくクレイゲン警部まで参加)ので、後々これが問題になってチェイニーが訴えて、それが司法システムへの復讐になるのだろうか、と思っていたらぜんぜん違った。ジュディの両親が死刑制度を利用して犯人への復讐を企てるということを示していたようだ。

しかし、嘘をついておびき出したからといって、コネティカットからの「誘拐」は少々飛躍しすぎのような気がする。さらに、コネティカットでは死刑にできるから、というその理由にはやはり疑問を禁じえないところだ。私は死刑廃止論者というわけではないが、死刑という刑罰は、他のどの刑罰も妥当しないと裁判で判断されて初めて下されるべきであり、最初からそれを目的にしてしまっては、司法制度を利用した殺人という非難をまぬがれないのではないかと思う。

そのコネティカットの検事に(多少なりとも)理解を示しているのがロビネットで、ストーンとのちょっとした口論も興味深かった。特に、アメリカにおける死刑反対論の根拠のひとつが人種問題であることを考えると――ただ、ロビネットの心中を想像するに、何でも人種に結び付けてくれるなというところかもしれないが。

それにしてもブルックリンの検事のオフィス、書類の散乱ぶりがすごいなぁ。ベガスのグリッソム主任もびっくりよ(主任の書類は、少なくとも揃えて積んであった)。私もあまり人のこと言えないけど。

Yoko (yoko221b) 2007-11-16

lao/s02/038_vengeance.txt · Last modified: 2020-04-17 by Yoko