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Law & Order - Season 2, Episode 20
#42 Intolerance
- 邦題:「ゆがんだ愛情」
- 監督:Steve Robman
- 脚本:Robert Nathan, Sally Nemeth
- 初回放映:1992-04-14
- I think I liked it better when the criminals were doing the killing.
- The whole world has gone mad.
事件概要
People vs. Marian Borland & Randall Borland (判事:Thomas Simon)
中国系の高校生ティム・チョンが路地で射殺される。中国系住民の間では、ギャングの抗争で過去2ヶ月に3回も事件が起きていた。ティムはMITへの進学が確実とみられる優秀な生徒で、友達は同じ学校の生徒ばかりだった。過去にギャングと付き合ったことはあったが、ごく短期間のことで、特にトラブルがあった様子もない。
ティムは物理学の教師から「自分が教えた中で最も優秀」と絶賛され、NASAサイエンス・コンテストで優勝していた。ティムと常に主席を争ってきたNo.2のカール・ボーランドはティムと親しかったが、親同士は反目し合っていた。カールの両親は「本物のアメリカ人でない」ティムが奨学金を受けることに立腹していたという。
ティムを撃った銃は、カールの父ロン・ボーランドが登録していた銃と同種のもの。その銃は普及率が高くありふれたものだから、という理由で捜索令状の申請はいったん却下されるが、その後ローガン刑事のもとに匿名の通報が入る。刑事たちは改めて令状を取りボーランド家を捜索して銃を発見、旋条痕からその銃を凶器と断定する。銃に残された指紋はロンのものだが、アリバイ工作していたのは母マリアンと上の息子(カールの兄)ランディだった。検察はいったんロンを起訴するもののそれを取り下げ、マリアンとランディを改めて起訴する。
弁護人は、銃を発見した時の捜索令状が、匿名の通報のみを根拠としていたことを理由に証拠の排除を申し立てる。判事もこれを認め、銃は証拠から排除される。
公判が始まった後、ティムのガールフレンドだったケイティ・シルバーがストーンのオフィスを訪れ、その日事件現場でトラックに乗っているマリアンとランディを見たという。ケイティはそれを法廷で証言し、2人には有罪の評決が下される。だが、その直後セレタとローガンにより、それは偽証だということがわかる。当日の状況と証言から考えて、証言の内容どおりのものがケイティに見えたはずはないのだった。ストーンはやむなく審理無効を申し立て、マリアンとランディは釈放された。
感想
このエピソードに Ripped from the Headline(元ネタ)の事件があるのはわかるのだけど、TV.com で言及されていた Wand Holloway の事件を調べてみてぶっとんだ。す、すごいー。何でも、自分の娘を「どうしてもチアリーダーにしたい!」と思いつめた母親が、ライバルの女子生徒とその母親を抹殺しようとして殺し屋を雇う、という事件だったとのこと。ただし実行したわけではなく、相談を持ちかけた相手が警察に通報して無事に逮捕されたらしいが。
後に本になり、2時間もののドラマも製作されている。
このエピソードでは、本来の事件だとアホすぎるせいか、動機や背景状況に変更が加えられている。そういえばチャイナタウンが出てくるのは、このシリーズでは初めてだっけ……? 前回のエピでマイノリティ同士の人種対立が描写されていたけれど、今回のボーランド家も決して裕福な家庭ではなく、優秀なカールは両親の希望の星だったのかなと思うと、何だか切なくなってくる。
それはそれとして、同じ種類の銃を持っているとか匿名の通報を受けたというだけでは、捜索令状を取るのに不足だというのが、何だか面倒くさいな。現在では、登録銃はすべて事前に試射して旋条痕を登録するらしい(と、確かCSIに出て来た。ただし一部の州のみ?)ので、もっと話は早いと思うが。
— Yoko (yoko221b) 2007-11-24