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Law & Order - Season 3, Episode 18
#62 Animal Instinct
- 邦題:「愛の幻想」
- 監督:Ed Sherin
- 脚本:Michael S. Chernuchin, Sibyl Gardner
- 初回放映:1993-03-17
事件概要
People vs. Donald Walsh (判事:Eric Bertram)
生物学者のフェイ・ウォルシュが、大学の研究室で射殺される。部屋には動物愛護団体からのメッセージが残されていた。フェイは実験動物を使っていたため、目の敵にされていたのだった。部屋に描かれていたメッセージから「アニマルライト・クルセード」というグループで活動していたダーク・チェズニーに容疑がかかる。だがチェズニーが持っていた銃は不一致。アリバイも成立する。
フェイを射殺した銃は、大学の倉庫に保管されていた散弾銃だった。環境汚染の調査に使用する鳥を撃つための物で、最近誰かが無届けで使用した形跡があった。さらに、フェイが私立探偵を雇い夫(同じ大学の教授ドナルド・ウォルシュ)の浮気を調査していたことが判明。探偵は現場を押さえることこそできなかったものの、ウォルシュの「相手」が大学の事務職員スーザン・ボイドであることをつかんでいた。
ウォルシュは、スーザンが一方的に自分に熱を上げているだけだと主張するが、スーザンが「フェイを始末しないと……」と留守電にメッセージを入れていたことや、フェイの死後スーザンがドナルドと一緒に旅行しようとしていたことなどがわかる。散弾銃の弾丸を買ったのは自称「ウォルシュ夫人」だが実はスーザンだった。スーザンはようやくドナルドと交際していたことを認めるが殺人は否定。ドナルドは浮気も殺人も否定する。
留守電のテープは私立探偵が録音した物なので当然令状はない。弁護人は排除を申し立て、テープは証拠から外される。検事はスーザンとドナルドの分断を図り、スーザンは「ドナルドから『フェイが死ねばいいのに』と言われたことがあったが、冗談だと思っていた。弾丸は狩猟のためだった」と供述する。
ドナルドは起訴され、弁護人は検察側の証人に対してことごとく「合理的な疑い」を生じさせる戦術を取る。検察側の立証はスーザンの証言にかかっているため、ストーンとロビネットは「尋問には簡潔に答えるように」等と細かく指導する。弁護人はその点をついて「検事から『~と証言すれば罪に問わない』と言われた」という証言をスーザンから引き出してしまう。スーザンの証言は排除され、ドナルドは無罪の評決を受ける。
People vs. Susan Boyd
ロビネットはスーザンが「取引で自分の罪を免除させたうえ、証言台でわざと失態を演じてドナルドを無罪にして2人して自由の身になる」という筋書きを仕組んだのではないかと疑う。もしそれが真相なら取引は無効になるが、かといってスーザンを起訴するだけの材料はなく、すでに無罪の評決を得たドナルドを脅す材料もない。
検事たちは改めてスーザンとドナルドの不倫の証拠を探すが見つからない。そこへ、ニューアークの判事がロビネットにコンタクトを取る。スーザンは以前判事のもとで「スーザン・デイリー」という名で書記官として働いていた。その時は「イェール大学のロースクールを出た弁護士で、ヴァイオリニストの夫を事故で亡くした」というふれこみで、仕事ぶりも申し分なかったという。だがある時からスーザンは、判事が自分を愛していると思いみ、ストーキングするようになった。実際にはイェール大学には在籍すらしておらず、夫がいたという話も作り話らしかった。
オリヴェットは、スーザンを「エロトマニア(恋愛妄想)」と判断する。その症状を持つ人間は、とにかく相手から近いところに居たがる傾向があることから見当をつけ、ウォルシュの別荘の近隣を調べてみると、スーザンの借りているアパートが見つかる。そこにはドナルドに関する大量の資料や写真とともに、フェイを殺害した弾丸と、購入時にスーザンが使用した偽造運転免許証があった。
再び逮捕されたスーザンは、「ドナルドが自分に宛てたラブレター」を取り出して見せるが、それは「動物愛護団体の抗議が激しいので、研究室の警備を強化してほしい」という警備員に宛てた要請だった。弁護人は、スーザンは正常な精神状態ではないと主張するが、スーザンはその場で弁護人を解任し、自分で自分の弁護をすると宣言。
スーザンは矢継ぎ早に何通も申立書を提出し、10ヵ月経ってもまだ公判を開ける見込みが立たない。ストーンは閉口しつつも、申立書の出来の良さには驚嘆を隠せなかった。
感想
こ、怖い! このスーザンさん怖い! 最初に登場したときは普通の事務長さんに見えたのに、終盤の場面ではもう完全に目つきがイっちゃってる感じで怖いっすよ! 目が怖いのは色が薄いせいもあるのかな~とにかく怖いわ~。
smart and insane というが、「イェール大学のロースクール卒業」という嘘学歴に判事が疑問を抱かなかったくらいなのだから、smartぶりも半端ではない。また、その次の職場では全然畑違いの学歴を堂々と詐称するのだから……つか、それくらい賢いなら本当にその大学行けばいいじゃん! と、凡人としてはそう思わずにいられないのだが。ストーキング癖のせいで卒業できなかったのだろうか。
殺された被害者はもちろんお気の毒だが、夫君の方も……妻を殺され、その罪を着せられて起訴され、無罪になったと思ったら犯人は自分のストーカー、しかも犯行のきっかけを作ったのは自分の手紙だった(妻が夜遅くまで一人で実験することを知らせてしまった)という、とんでもない結末に。
それはそうと、犯行現場に残されていたメッセージ(INNOCENT VICTIM)、これは偽装のためにスーザンが書いたのかな。
— Yoko (yoko221b) 2008-09-08