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lao:s04:067_sweeps

Law & Order - Season 4, Episode 1

#67 Sweeps

  • 邦題:「犯罪のお膳立て」
  • 脚本:Robert Nathan, Craig McNeer
  • 監督:James Frawley
  • 初回放映:1993-09-15

事件概要

People vs. Richard Mason (判事:Rebecca Steinman)

リチャード・メイソンが司会を務める人気番組 “Final Confession” のロケ中に銃撃事件が発生。その日のゲストは、少年へのわいせつ行為で収監され、刑期を満了した男ヴィントン、被害者のスコット・フィッシャーとその母親。生放送が始まってまもなく、少年の父親シド・フィッシャーが現れて男を射殺したのだった。父親はその場で逮捕される。

“Final Confession” は毎回ロケーションを変え、場所は直前まで極秘。母子は数日前からホテルに滞在していた。フィッシャー夫妻は離婚しており、母親は前夫と連絡を取っていない。ローガン刑事は、シドがどうやって場所を知ったのか疑問に思う。最初は問題にしていなかったブリスコー刑事も、シドが銃を手にして現れることを、元警官の警備員が想定していなかったことを不審に思い始める。逮捕されたシドは、どうやって居場所を知ったか忘れたと言う。

その後、フィッシャー母子が滞在していたホテルの中二階にある公衆電話から、放送前にシドの自宅へ電話がかけられていたことがわかる。司会者のメイソンがこっそりスコットに電話をかけさせていたのだ。怒り狂った父親が現れて暴力沙汰になれば、高い視聴率が期待できる。メイソンは今までも、視聴率のために非道な演出をすることで知られていた。

ストーンは「メイソンさんに言われて、ぼくがパパに電話をした」というスコットの供述を引き出し、第1級故殺および第1級クリミナル・ファシリテーションでメイソンを起訴。スコットは法廷で、シドにロケ場所を教えるようメイソンに言われたことを証言する。

メイソンは悪意訴追で検察を訴える。ストーンは法廷で、メイソンの番組で以前に番組の放送後に死者が出たことを持ち出そうとするが、弁護側が異議を唱え、判事も異議を認める。ストーンは、メイソンの「出演者を故意に危険にさらしたことはない」という証言を捕らえ、それが嘘であることを証明するため、再度過去の番組の話を持ち出そうとする。今回は判事もこれを認め、番組のスタッフが証言台に立つ。

メイソンはかつて、番組の題材にした売春婦が本番前に元気がないことに怒ったことがあった。事前の取材ではもっと明るく饒舌だったからだが、それはコカインの影響だった。メイソンは彼女に金を渡してコカインを買うように仕向けていた。その後彼女は過剰摂取で死亡。その時メイソンは「本番中に過剰摂取を起こせば良かったのに。次はオンエア中に死人が出ないとだめだ」と言ったという。

評決は、第1級故殺罪では無罪、第1級クリミナル・ファシリテーションでは有罪であった。


感想

第4シーズンに入って、変わった点がいくつか。まずキャストでは、クレイゲン警部とロビネット検事が降板して、代わりにアニタ・ヴァン・ビューレン警部補とクレア・キンケイド検事が登場。今までは、シーズン3から “Also Starring” でクレジット入りしたオリヴェット先生を除いて警察も検察も男性ばかりで、“Boys' club” という批判があったらしいので、それへの対策なのだろう。この手のproceduralドラマでは、レギュラーキャスト内に女性2名、人種マイノリティ1名以上という構成が多い。クレイゲン警部はこの数年後にスピンオフのL&O:SVU(性犯罪特捜班)にレギュラー出演。ロビネット検事はどうやら弁護士に転職したらしく、後のシーズンで何度かゲスト出演する予定。普通、これくらい大きな変更があればドラマ自体のトーンが大きく変わってもおかしくないものだが、L&Oは相変わらずL&Oだな~。

テーマ曲も少し編曲が変わり、時間が短縮されている。今まで3シーズン聞いてきたバージョンに比べると、何だか短すぎて「あれ?」って思うのだけど、これは慣れの問題かな。

さて今回の事件。Criminal Facilitationって、どういう犯罪なのだろう。手持ちの英米法辞典には載っていないし、図書館に調べに行く暇もないので気になってしまって。最初に登場したのはシーズン3の「Consultation(親切な領事)」だったと思う。「ファシリテーション」とカタカナで書くと、会議の議事進行を円滑にしたりコミュニケーションを促進して組織を活性化することを指すことが多いので、「クリミナル」をつけるのは少々違和感があるのだが。:-?

ファシリテーションは、共犯や共謀ではないんだよね。幇助/教唆(abet)とも違うのだろうか。「やっちゃえよ~」とけしかけたり「これこれこうしてやっちゃわないか」と持ちかけたりしたわけではなく、「やっちゃっ」てもおかしくないような状況を作った、ということでファシリテーションの方が間接的なのだろうか? 敢えて日本語にすると何だろう、「奨励」は変だから「誘発」かな? うーん、今回メイソンがやったようなことだと「お膳立て」がしっくりくるんだけど。第1級犯罪お膳立て。

※追記:邦題が偶然にも「犯罪のお膳立て」になったせいで上記の記述がいささかバカッぽく見えるかもしれないが、これは日本での放送が始まる前に(つまり邦題がない段階で)書いたものであることを明記しておきたい。

今回、メイソンの弁護士を演じたメリッサ・レオは「ホミサイド」のハワード刑事役などで多数の番組に出演。スコット少年役のデイヴィッド・クルムホルツは、現在では「NUMB3RS」のチャーリー・エップス役。

Yoko (yoko221b) 2008-12-05

lao/s04/067_sweeps.txt · Last modified: 2020-04-18 by Yoko