Table of Contents
Law & Order - Season 4, Episode 15
#81 Kids
- 邦題:「口封じ」
- 脚本:Robert Nathan, Michael Harbert
- 監督:Don Scardino
- 初回放映:1994-02-09
事件概要
People v. Kevin Parker (判事:Sally Norton)
14歳の少年エンジェル・ラミレスが通りで射殺される。物取りや行きずりの犯行ではなく狙撃された可能性が高いが、エンジェルは優等生でギャングとも麻薬とも接触はない。目撃証言から、銃の売人であるホアン・ドミンゴが現場にいたことがわかるが、ドミンゴは無関係を主張。持っていた銃も凶器ではなかった。
だが、その後の調べでドミンゴが別の事件でも容疑者になっており、彼を目撃したリッキー・モラレスがラインナップの直前に銃撃されていたことがわかる。モラレスはその怪我で半身不随になり、その後「記憶をなくした」と証言を拒否していた。ブリスコーとローガンは、リッキーの「俺たち」という言葉から、他にも目撃者がいたのではないかと思いつき、彼の通うカトリック系の学校へ行き、神父の許可を得てリッキーの友達のロッカーを調べる。そのうちのひとり、ビリー・ウォジャックの荷物から拳銃が発見される。その中には、エンジェル殺害の凶器と同じ口径のものがあった。
エンジェルの事件で、目撃者は銃声を2回聞いていたが、回収された銃弾は1つ。大々的に捜索した結果、残る1つが発見され、弾道から狙撃場所が判明。その場にいた目撃者の供述から、そこにもリッキーと同じ学校の生徒がいたことがわかる。一方銃弾の鑑定結果は、確実ではないものの、ビリーが保管していた拳銃から発射された可能性が高かった。ビリーはようやく、銃を使ったのはケヴィン・パーカーだと認める。ケヴィンはリッキーと同じ事件を目撃し、リッキーが撃たれたので「次は自分だ」という恐怖からドミンゴを撃とうとし、その弾丸がエンジェルに当たってしまったものと思われた。
ケヴィンの父親が分署に現れる。元警官で、かつて33分署でブリスコーの同僚だったテッド・パーカーだった。テッドの頼みで、ブリスコーはその場でラインナップを行い、目撃者はケヴィンを名指し。ケヴィンは逮捕され、第2級謀殺罪で起訴される。
ビリーが持っていた銃はシリアル番号が消されていたが、FBIのラボで精査した結果、ドミンゴがリッキーに売ったものとわかる。ストーンはドミンゴに対し、「ケヴィン・パーカーが自分に向けて銃を撃った」という証言と引き換えに取引を持ちかける。
弁護人は、ビリーのロッカーを捜索した時に令状がなかったことを理由に証拠の排除を申し立てるが、第4修正条項のプライバシー権は未成年者には認められない場合がある。判事は拳銃を証拠として認める。弁護側は次に、ラインナップで少年たちが着ていた上着がすべて同一でなかったことを根拠に「意図的に目撃者を誘導した」と主張。こちらは認められ、目撃証言は排除される。
その後、検察が取引を申し出てケヴィンが供述を始めようとするが、そこへドミンゴ死亡の報が入る。連邦捜査官のおとり捜査の際に銃撃戦で死亡したという。弁護人はその場で取引を中止し、ケヴィンを連れて帰ってしまう。
キンケイドは、弁護人がいち早く情報を得たことを不審に思い、弁護士の秘書に事情を聞き、情報の出所が33分署であったことを知る。33分署は連邦のおとり捜査に協力していたが、ドミンゴは連邦捜査官が現場に到着する前にすでに射殺され、本来のターゲットであったディーラーは逃げたという。
陪審員の審議は困難を極め、ついに評決不能(hung jury)で審理無効という結末を迎える。
感想
「Born Bad(片隅の少年たち)」とはまた別の意味で、少年の被告人にとって辛い事件だったかな、と思う。被告人のケヴィンは素行の良い少年ではなかったかもしれないが、間違ってエンジェルを撃ってしまったことは悪いと思っていたようだ。だが本人が謝罪したいと思っても、父親と弁護士がそれを許さない。結局は、新たに殺人を犯すことによって(でしょ?)罪を逃れた形になってしまった。
このエピソードでは珍しく、検事ではなくブリスコー刑事がラストを締めくくった。何となく続編がありそうな感じではあったけれど、それはないんだな。テッド・パーカー役の俳優はその後、何度か別の役で出演しているが、最近は判事役でリカーリング出演。ついでに言うと、The Wire のニックのパパでもある。
第4修正条項と学校のロッカー捜索については、以下に説明あり。「TLO」というのは学校でロッカーを捜索された女子生徒のイニシャルらしい。未成年(14歳)なので実名を出していないのだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2009-02-05