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Law & Order - Season 4, Episode 16
#82 Big Bang
- 邦題:「宇宙の終わり」
- 脚本:Ed Zuckerman
- 監督:Dann Florek
- 初回放映:1994-03-02
事件概要
People v. Max Weiss (判事:Grace Larkin)
フローレンス・マニングという女性が手紙爆弾で死亡。爆弾の威力はさほど大きくなかったが、開封するために使ったナイフが首に刺さったのだった。フローレンスは教師で、夫のエドワード・マニングと別居して一人暮らし。マニングはハドソン科学技術大学で原子力を研究している教授で、フローレンスとは離婚調停中。
マニングの現恋人は、フローレンスのアパートを訪ねたときに不審な男がいたことを話す。また、爆弾の素材が放射能を帯びていたところから出所をたどったところ、マンハッタン大学の研究所に行き着き、ポストドクターのマックス・ワイスがその「不審な男」だとわかる。ワイスのデスクからは爆弾の材料が発見され、ワイスは逮捕される。
ワイスは爆弾の材料を持っていたが動機がない。だが、マニングとの間に接触があったことや、口座に3,500ドルの入金があったことから、マニングがワイスに依頼して妻を殺させたのではないかという疑いが生じる。
ワイスは、マニングの依頼で爆弾を届けたことを証言することと引き換えに第1級故殺罪を受け入れ、「マニング教授から奥さんを殺すように言われた」と供述する。マニングはそれを否定し、3,500ドルはリサーチを依頼しただけだと主張する。
その後、ワイスが陽子崩壊に関する新しい理論を構築し、研究を申請していたが却下されていたことがわかる。ワイスの理論はマニングのこれまでの業績を根本から覆すものであり、かつ申請を審査したのはその分野の権威であるマニング。だがその直後、マニングは陽子崩壊に関する新しいプロジェクトを開始し、ワイスとまったく同じデータを使おうとしていたことがわかる。ワイスが爆弾を送りつけたのは、研究のアイデアを盗まれた復讐であり、彼はマニングが別居したことを知らなかった――すなわち、爆弾はそもそもエドワード・マニングに送られたものであると思われた。それが失敗したために殺人者の汚名を着せようとしたのだった。
ワイスの弁護人は、目撃証人が正式なラインナップを経ていないことから証言の排除を申し立てる。判事は目撃証言は排除するものの、そこから得られた捜索令状と発見された爆弾の材料については、不可避的発見が可能であることから証拠として認められる。
ワイスによる接触があったことや動機を証明するためには、マニングの証言が必要だが、マニングとしては自分がワイスのアイデアを盗もうとしたことを法廷で認めるわけにはいかない。ストーンは、「科学的発見を盗んだ」ことを根拠にマニングを第4級の窃盗罪で起訴しようとする。根拠にした条文は、本来コンピュータプログラムに適用されるものだが、ストーンは「判断は陪審員に任せる」と強硬姿勢。マニングは「ワイスのアイデアには盗む価値などない」と主張するが、ストーンはワイスに対し自分のアイデアの重要性を証言するよう求め、同じ分野で研究する他の科学者たちにも資料を送り証言を求める。
結局マニングは証言台に立ち、ワイスは第2級謀殺罪で有罪の評決を受ける。ワイスはフローレンスの遺族に謝罪し、爆弾を送りつけたことを深く反省し後悔していると述べるが、人ひとりの命を奪った罪は重いとして25年から終身の刑を言い渡される。
感想
前回もそうだったが、今回も真相がわかってみれば「狙ったのは別人だったのに」という事件だった。狙いは夫の方で、しかも死なない程度の威力しかない手紙爆弾だったが、不幸な偶然が重なってしまった。被害者は本当にお気の毒。
事件が事件なので、珍しく科学捜査ラボが登場し、刑事2人はラボと現場を行き来しながら悪戦苦闘。CSIなら科学者が聞き込みに同行できるのでもう少し話が早いのだが、学者たちのjargonに振り回されつつ右往左往する2人も何だか微笑ましかった。
エドワード・マニングは、演じているHarris Yulinが「24」でアレを持ち込ませていた悪い奴だったので、もう最初からネガティブな印象しかない。一方、証言させるために窃盗罪でゴリ押しするストーン検事も強引だ。結局マニング先生は証言をしたから、窃盗罪で無理を通す必要はなくなったということかな? 自分の理論に関する説明を求められたワイス先生の方は、それが何のために必要か(ワイス自身の動機を立証するためにマニングを追い込む必要があったこと)を知っていたんだっけ?
— Yoko (yoko221b) 2009-02-05