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lao:s06:115_jeopardy

Law & Order - Season 6, Episode 4

#115 Jeopardy

  • 邦題:「不肖の息子」
  • 脚本:René Balcer, Jeremy R. Littman
  • 監督:Christopher Misiano
  • 初回放映:1995-11-01

There is no individual right to profit from illegal acts.

事件概要

People v. Peter Nicodos Jr. (判事:Edgar Hynes)

コンピュータ雑誌の編集部で銃撃事件があり、4人いたスタッフのうち3人が射殺される(1人はたまたまトイレにいて無事)。編集長のエディ・ニコドスは遠隔地にいるスタッフとFAXやメールでやり取りして雑誌を製作していたため、中央のオフィスには4人しか勤務していなかった。至近距離で撃たれたジェシー・ランドの爪からは、ダークブルーのウール繊維が検出される。

エディ・ニコドスの実家はニコドス食品を経営する裕福な家庭。エディの母エレイン・ニコドスは雑誌のエグゼクティブ・エディターとして名を連ねていたが、彼女は雑誌の創刊に出資しただけで編集や経営にはタッチしていないという。ニコドス食品はエディの兄ピーターが経営していた。

エディは雑誌で酷評されたゲームの作者から訴えられていたが、その事件では「雑誌の実質的なオーナー」であるニコドス食品も被告になっていた。話し合いを記録したビデオには、兄弟が激しく言い争う場面が記録されていた。

ピーターの秘書はオフィスに護身用の拳銃を保管していたが、紛失していた。また、ピーターがビジネス上の取引を装って愛人を囲っているという情報がエディから原告の弁護士に伝わり、ピーターが脅されていたこともわかる。その愛人セリア・ガストンは猫を飼っているが、その猫の毛とよく似た毛が現場で発見されていた。猫の毛は、その時点ではまだ「類似する」ことまでしかわからず正確な照合にはさらに時間が必要だったが、逮捕には十分と判断され、ピーターは逮捕される。

ピーターの弁護人は、「弁護士がピーターを脅した」という動機を裏付ける証言を伝聞情報だとして排除を求め、判事も全面的に同意する。検察側にはまだ、猫の毛などの物証があったが、弁護人は猫の毛に対しても「2日前にレポートを受け取ったばかりで、不意打ちの証拠だ」と異議を申し立てる。弁護側の戦術は「その証拠がない」という前提のもとに組み立てられたので、そのレポートと証言はすべて排除せよというのだ。判事はこの言い分も認め、猫の毛は排除される。

検察側は急遽予定を変更し、前倒しでカーティス刑事を召喚し、証人尋問を終える。すると、弁護人は「検察側の証拠は不十分である」として事件の棄却を申し立てる。判事は即座にこれを認め、すべての罪状に関して事件は棄却されてしまう。

シフはマッコイに1988年の裁判記録を見せる。それはベン・ストーンが訴追し、今回と同じハインズ判事が担当した事件で、ここでは証言の前日に弁護側に通知されたレポートが採用されていた。その時は良くて今回はなぜダメだったのか。マッコイは判事の周辺を調べ、判事が自らニコドス事件を希望したことを知る。

ハインズ判事とピーター・ニコドスやその弁護士の間には特に関係はなかったが、父親のピーター・ニコドス Sr.とハインズはイェール大学の同期生。また、ハインズは最近離婚したばかりで家も抵当に入れて金銭的に困っている様子だったが、エレイン・ニコドスの口添えで銀行から優遇されていることがわかる。実際、エレインは「判事を援助しないと取引を打ち切る」と脅したのだった。

ハインズ判事とエレインは贈収賄で逮捕され、マッコイはさらにピーターを殺人罪で再起訴。弁護人は一事不再理の原則を主張するが、マッコイは「不法な行いで守られる人権などない」と反論。担当判事は、一事不再理の重要性を認めつつ、そのために司法制度の整合性を犠牲にすることはできないとして、再起訴を認める。

ピーターの弁護人は取引を申し出、マッコイが「減刑なしで25年後に保釈申請を認める」と応じたため決裂しかけるが、ピーターは「母の起訴を取り下げればその条件をのむ」と言い、マッコイもそれに同意する。

その後、アダム・シフのもとにハインズの訃報が届く。


感想

前回の事件がもやもや考えさせられると思ったら、今回は何てわかりやすい人たち。

あからさまに弁護側の肩を持つ判事を見て「こいつ絶対グル!」と思ったらやっぱりそうだったし、前半の描写で「ママが怪しい」と思ったら、案の定判事買収の黒幕だったし。

弁護人のノーマン・ローゼンバーグはロースクールの教授も務めるような有名弁護士で、初登場はシーズン4の「Black Tie(葬られた真実)」だった。その後前シーズンの「Cruel and Unusual(殺人ヘルメット)」を経て今回3回目の出演。どの回でもお金持ち御用達の意地悪な感じを上手く演じている。

最後にハインズ判事の遺体発見が知らされるが、死因は “a gunshot to the head.” とだけ。これは自殺ということなのだろう(まさかママが射殺したわけじゃないよね)。

Yoko (yoko221b) 2011-09-04

lao/s06/115_jeopardy.txt · Last modified: 2020-04-19 by Yoko