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lao:s07:145_menace

Law & Order - Season 7, Episode 11

#145 Menace

  • 邦題:「親子たちの風景」
  • 脚本:I.C. Rapoport
  • 原案:Barry M. Schkolnick, I.C. Rapoport
  • 監督:Constantine Makris
  • 初回放映:1997-02-05

事件概要

People v. Michael L. McDugan

カレン・ワトニーという若い女性が橋の上から落下して死亡する。最初の通報は「誰かが橋から飛び降りた」だったが、現場の状況からは、誰かと争って突き落とされた可能性もあった。

カレンは最近恋人と別れ、仕事を失って金銭問題を抱えていたが、以前の上司からの援助を期待していたらしい。カレンはごく若い頃からずっと靴の工場で働いていたが、工場が火事で全焼し、事業主のドーニングは現在では不動産業に仕事を変えていた。

通報者が特定されるが、彼は「女が橋から飛び降りた」と誰かが言うのを聞いてそのまま通報しただけで、実際に目撃したわけではなかった。ブリスコーとカーティスは目撃者を探し、その時現場にいた数名を探し出す。彼らの話から、カレンは接触事故を起こした相手の男に追われ、逃げようとして橋から落ちたことがわかる。さらに新たな目撃者が見つかり、その男は「クレイジー・マイク」ことマイク・マクドゥーガンと判明。普段から乱暴な行いで、近隣住民から恐れられていた。

マイクは大陪審で「カレンは事故を起こしておきながら自分を無視して逃げたので、腹が立って追いかけただけだ」と述べる。警察で「男が被害者を車から引きずり出した」と述べた目撃者のマーシュは、前言を翻してカレンの方に非があるような状況だったと証言する。警察で話した内容と異なるのは「夜中の2時に警察で取り調べられ、何か彼らの気に入ることを言わなければ家に帰してもらえないと思った」というのだ。

マイクには暴行の前歴があるが、その件は考慮しないことになり、大陪審は第3級暴行罪という軽犯罪での起訴を決定する。

ブリスコーとカーティスは、何者かがマーシュを脅して証言を変えさせたと考える。マーシュは実際に不審な電話を受けていたとう。通話記録から、電話の主はデイヴ・ランダルと判明。放火の前歴があり、マイクと同じ房にいたことがあった。マッコイは、カレンが勤めていた靴工場が火災に遭ったことを思い出す。その火事は事故による失火と判断されていたが、ロスはドーニングによる保険金詐欺ではないかと疑う。実際、カレンは火災を事前に知り、大切な私物を持ち帰っていたようだ。

カレンが火災の件をネタに恐喝し、ドーニングがランダルを通じてマイクを雇い、カレンを殺させたのではないか――という可能性が生じる。マッコイはドーニングに狙いを定めて会社の財務記録を調べ、カレンの死の前日と翌日に不審な出費があることを知り、カレン殺害の報酬ではないかと疑う。

ドーニングの息子ロバートは、自分自身の免責と会社を維持することを条件に証言に同意。ロバートはカレンが父親を脅していることを知り、火事の真相を聞いてショックを受けたが、会社を失いたくないので金を払おうとして小切手を切った。金はカレンへの口止め料だと思っていたという。マイクも逮捕されるが、ランダルは行方不明。

マイクは、ランダルから頼まれて事故を仕組んだことを認めたが、ドーニングのことは名前も聞いていなかった。ランダルがマイクに身を隠すよう忠告したことから、本当の黒幕はドーニングではなくロバートの方だったとわかる。ロバートは父親の署名を偽造して自分の罪を隠していたのだ。

ドーニングはカレンから「ロバートが放火した」と言われて口止め料を要求されていたが、強請のための作り話だと思って相手にしなかったのだ。


感想

橋の上から女性が落下して死亡。事故なのか殺人なのか。通報した男性はわかったものの、その人は実際に見ていたわけではない。目撃者を探すといっても、事故当時に橋の上を通過していた車を探すという雲をつかむような話(監視カメラはまだなかった頃かな)。それでも何とか、その場にいた人間が数名特定されるが、彼らにもそれぞれ事情があるし(不倫中だったとか)、目撃したのがいかにも乱暴そうな男だったので「警察に言うと復讐されるのでは」と、供述を引き出すのも一苦労だ。結局、確保した証人は脅されて証言を変えてしまう。

後半では社長が怪しい、という展開を見せておいて、実は息子の方が犯人だった、という所がポイントだったかなと思うが、特にびっくりな展開でもない。可もなく不可もない地味なエピソードという感じ。

それよりカーティス刑事が現在別居中! という点がびっくりだったかも。シーズン6フィナーレで行きずりの相手と浮気していたが、その後、罪悪感に耐えかねて犯行を自供したらしい。カーティスの父親は女癖が悪かったらしく「自分はああなるまいと思っていたのに」と悩み、そのストレスからか取調べで激昂した様子も見せる。このカーティス・ドラマが今後どれくらいのウェートを持って来るのかちょっと心配だが、刑事さんたちの家庭の事情のことはあまり気にせずにいこうと思う。

元ネタになったのは、1995年にデトロイトで起きた事件とのこと。この事件では Deletha Word という女性が襲われて橋から河に落ちて死亡。被害者の母親は大勢の目撃者がいて誰も助けなかったことを非難している。

劇中でマッコイが言及していた “People v. Potter”(再起訴に関する判例)は、多分↓の事件かなと思う。

Yoko (yoko221b) 2012-07-07

lao/s07/145_menace.txt · Last modified: 2020-04-29 by Yoko