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Law & Order: UK - Season 2, Episode 7
#20 Anonymous
- 邦題:「見えない真実」
- 脚本:Debbie O'Malley
- 原案:Kathy McCormick
- 監督:Mark Everest
- 初回放映: 2010-10-21
事件概要
Crown v. Russell Lowry
看護師のステファニー・ブレイクがアパートの階段から転落して重傷を負う。ステファニーは「誰かに背後から襲われた」と主張。彼女は「ジョヴァンニ」と名乗るストーカーに悩まされ、2年間にわたって嫌がらせや脅迫のメールを送られていた。
刑務所の囚人がステファニーの携帯電話へ電話をかける許可を申請したことがわかるが、その囚人は仲間の代理で申請しただけだと主張。依頼したのは別の囚人で、先週仮釈放されたという。その人物、ラッセル・ラウリーを訪ねてみると、「ステファニーとは以前にバーで会って意気投合しただけ。今はもう興味はない」と無関係を主張。
その後、ステファニーにストーキングメールが届き始めた頃、ラウリーは別の刑務所で服役中だったことがわかる。ステファニーは、ラウリーとバーで会ったのは嘘だと言うが、ラウリーの顔には見覚えがないと言い、怪しい人物として以前に隣人だったルーカス・ダットンの名を挙げる。
ステファニーの供述にも矛盾があり、捜査は難航。ステファニーはストーキングの件で警察に相談していたが、こちらでも有効な手立てがなく「差し迫った危険がない限り、これ以上の捜査は難しい」と言われていたことがわかる。
刑事たちは、状況に苛立ったステファニーによる狂言だと結論付け、捜査を終了。
しかしその直後、ステファニーが殺害される。警察に通報したステファニーは「写真の男が来た」と叫んでいた。名前は言わなかったが、ダットンとは以前から知り合いなので、彼であれば名前を言うはず。写真で見たラウリーのことを指しているものと思われた。
ラウリーが収監されていた刑務所では、ネットマーケティング会社と協力して職業訓練を行っており、囚人たちがネットにアクセスすることができた。ただしラウリーの罪状はコンピュータの不正アクセスなので、その訓練には参加できないはず。
しかし調べを進めてみると、ラウリーと同房だったキースがその訓練を受けており、キースを通じてラウリーにもアクセスが可能だったことがわかる。ラウリーは自分の技術力を利用して、所内のシステムセキュリティを設定するなど、事実上のIT担当者になっていたというのだ。プロを雇わなくて済むので、所長も黙認して出入り自由にさせていたという。
ラウリーは逮捕される前、動物保護団体で募金の受け付けをしており、そこに寄付をしたステファニーの個人情報を得た。その後は住所を変えてもその変更通知にアクセスできるので、情報は筒抜けになっていたのだ。
しかし、ストーキングの件は立証できるとしても殺人には直接結びつかない。
ブルックスは「ラウリーを釈放したことが犯行につながった」と悔やみ、改めて大家に話を聞き、(話を誘導しながら)ステファニーが階段から落とされた件は、狂言ではなく本当に襲われた可能性があったという供述を得る。そして「捜査に不備があった」としてスティールを説得し、訴状に殺人未遂(階段での襲撃の件)を追加させる。
ブルックスは審問で証言し、パートナーのデヴリン刑事も同意見なのかと聞かれて肯定する。しかし実際には同意していなかったデヴリンは怒る。
デヴリンは弁護側の証人として召喚され、「ステファニーの最初の事件は狂言だと思った」と主張するが、スティールはデヴリンのレポートを持ち出して応戦。ステファニーの勤務先では、彼女の訴えを受けて警備を強化しており、狂言だということになればそれを理由に解雇される恐れがあった。彼女に同情したデヴリンは「危険である」という結論をレポートに書いていたのだ。スティールは「その時同情して嘘を書いたのであれば、自分の判断ミスを隠すために今も嘘をついているのではないか」と追及する。
評決は殺人未遂、殺人ともに有罪となる。
感想
本家エピソードはシーズン8「幻のストーカー」で、これは1度見ているけどまだエピガイを書いていないので、細部の記憶はイマイチ。でも大体の流れは同じだったかな?
ストーカー被害というのは、私自身は経験ないけれど被害の心理的(主観的)な側面を扱うことが難しそうだ。物理的な危害が加えられれば警察の出番だが、それまでは何もできない。悪意をもって脅迫してくれればまだしも(って変な表現だけど)、相手は危害を加えるどころか愛する人を「守っている」つもりだったりする。
だからと言って狂言で事件を起こして良いわけもないので、やはり難しい。事件をでっち上げてまでストーカーを何とかしたかったステファニーの気持ちはわからぬでもないが、狂言とバレたらそれまでのストーカー被害のことまで疑いの目で見られかねないし、今後被害を訴えても信じてもらえなくなるのではないか。警察を巻き込むということは、犯罪のプロの目に晒すのだということを、もう少し考えても良かっただろうと思う。
しかし、後半ではそのステファニーが殺害されるという衝撃の展開が。
ブルックスさんもデヴリン君もこの展開は予想外だったろうし、ステファニーの言い分をもっときちんと聞いていれば……と悔やむ気持ちがあったのだろう。しかしそれにしてもブルックスさんの行動は大胆というか無謀というか……警部補に話を通せば絶対に禁じられただろうとは思うが、独断でそこまでやっちゃう? はっきり言ってそれ偽証でしょ?
偽証しなかったデヴリン君の方が証言台でひどい目に遭わされてお気の毒。ステファニーに同情して報告書をちょっと書き替えたことが、あんな結果になってしまうとは。
結果は有罪。ステファニーが狂言騒ぎを起こしたのが、ラウリーの収監中でなかったのが幸運――と言って良いものなのか微妙だけど。刑事2人のわだかまりも、次回まで持ちこさないでほしいな。
— Yoko (yoko221b) 2015-10-13