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Chapter One
- 脚本:Geoffrey Neigher, Doug Palau
- 原案:Steven Bochco, Charles H. Eglee
- 監督:Michael Fresco
- 初回放映:1996-10-10
概要
People v. Sharon Rooney (1)
8月20日(火)
カリフォルニア州知事トム・ヴァン・アランとその愛人マーリー・ドノヴァンが殺害され、容疑者としてヴァン・アランの元愛人、シャロン・ルーニーが逮捕される。ヴァン・アランは再選を控え、対立候補で地方検事のガーフィールドと戦っていた。
LA検事局に勤めるジミー・ワイラーは、重要事件担当の主席(Head)検事に自分でなく別の検事が選ばれたと知り、ガーフィールドに辞表を叩きつける。その後、シャロン・ルーニーに面会に行き「貴女の弁護をしたい」と申し出る。シャロンは「私が殺した」と言うが、ワイラーは「そのことはもう誰にも言わないように」と言う。
弁護士事務所「ホフマン&アソシエイツ」では、経営者のテッド・ホフマンが妻との関係を修復するため事務所を去り、リサも別の事務所へ移り、アソシエイト3名だけではなかなか仕事も取れず困っていた。
8月21日(水)
罪状認否手続きで、シャロンは無罪答弁を行う。ワイラー以前にシャロンを担当していた公選弁護人のアーロン・モーズリーは「事件を横取りするな」と文句を言うが、ワイラーは「なら自分の下で働け」と誘う。
クリス・ドクノヴィチは、ワイラーが検事を辞めたと聞き「事務所の経営者になってほしい」と持ちかける。ワイラーはその話を受け、事務所は「ワイラー&アソシエイツ」に模様替え。ジャスティーンは早速、ルーニー事件のセカンドチェアに立候補し、ワイラーは即座に承諾する。
8月22日(木)
ワイラーはアーロン・モーズリーをアソシエイトとして雇い入れる。
担当検事ミリアム・グラッソは、ワイラーに対して故殺罪での取引を持ちかける。シャロンはワイラーの助言を聞き、取引を拒絶する。
8月23日(金)
マルコム・ディートリックがワイラーの事務所を訪れる。マルコムはガーフィールドの有力な支持者であり、ワイラーとは個人的な因縁もあった。
シャロンは拘置所で自殺を図るが、発見が早く無事に救助される。
感想
シーズン2になって1と変わった点といえば、何といっても主人公がテッド・ホフマン(ダニエル・ベンザリ)からジミー・ワイラー(アンソニー・ラパリア)に交代したところ。ホフマンの落ち着いた重厚な雰囲気から一転して、若くエネルギッシュなワイラーに変わった差は大きい。他のキャスト――事務所のアソシエイトたち(リサ以外)や検事のグラッソが同じなので、余計に差が際立っているかもしれない。
冒頭で、まだ検事のワイラーが法廷に立つ場面があるが、ここでワイラーは被告人を挑発し、わざと暴力を振るうように仕向けていく。それが功を奏してまんまと有罪を勝ち取るわけなのだが、ここでワイラーというのは、自分の望む評決を得るためにはかなり強引な手を使う人物なのだと印象付けられる。
そしてその後、人事に不満を抱いて即座に辞職、その足で世間の注目を集めている事件の被告人に会いに行って弁護人に立候補。シャロンは「自分が殺した」と認めているのに無罪答弁をするよう言う。これは被告人のためを思ってというより、彼女を無罪にして地方検事ガーフィールドに恥をかかせてやれという意図が見えてしまって、ちょっと「何だかな」と思った。
ワイラーの強引なやり方はアンソニー・ラパリアの持ち味に合っている気がするが(後のジャック・マローンに通じる部分があるような)、前シーズンの雰囲気になじんでいると、この持ち味に慣れるまでに時間がかかりそうだ。これは見ている視聴者だけでなく劇中の人物たちもそうなのか、アソシエイトたちとの間もぎくしゃく。クリスたちにしてみれば、敏腕検事だったジミー・ワイラーという「看板」で客を集めようとしていたわけなので、彼がルーニー事件を無償で引き受け、しかも(客もいないのに)アソシエイトをさらに雇ったとなれば、そりゃ不満だろう。
そんなわけで、まだちょっと馴染めない新シーズンのプレミアだった。
— Yoko (yoko221b) 2009-06-02