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wat:s01:003_he_saw_she_saw

Without a Trace - Season 1

#3 He Saw, She Saw

  • 邦題:「目撃証言」
  • 脚本:Jan Nash
  • 監督:Rachel Talalay
  • 初回放映:2002-10-10

事件概要

失踪者:エミリー・マラー(36歳、主婦)

夫とともに買い物をしていた女性エミリー・マラーが、駐車場で何者かに車で連れ去られる。夫のダンカンはその時離れた場所におり、ほとんど何も見ていない。別の若者が止めようとして犯人に殴られていた。別の目撃者によると、エミリーは犯人を知っている様子だったという。

マローンとサマンサは、ダンカンの行動を不審に思い後をつける。ダンカンは郵便局で謎の小包を投函――エミリーの身代金だという。

ダンカンとエミリーは、一人娘のセリアを白血病で亡くしてから、お互いに心を閉ざしていたという。2人の間には、ダンカンの事業の破綻やエミリーの浮気などの問題があった。その一方で、エミリーの美容師は「何か決意したようで、前向きな様子だった」と言い、前日には高級レストランで親密な様子を見せていた。

ダンカンは意を決してマローンにすべてを話す。2人は娘を亡くしてからずっと苦しんできたが、事件の前の日、オフィスで話し合って和解し「やり直せる」と思い、そのままレストランへ出かけたのだった。ダンカンは身代金の送り先を告げるが、その荷物は無関係の女性の私書箱に送られ、中身はただの電話帳だった。

目撃者の中で、ひとりだけ行方がわからなかったホームレスの女性が現れ、マーティンが事情を聞く。その女性は駐車場でカートを押していたが、エミリーを助けようと走ってきた若者がそのカートにぶつかって転倒したという。マーティンが現場で再現実験を行うと、悲鳴を聞いてから走り出し、途中でカートにぶつかると、時間的に間に合わないことがわかる(つまり、悲鳴を聞く前に走り出していた)。その若者ブラッドは、ダンカンが小包を投函した郵便局に勤めていた。さらに、ブラッドはどうやらエミリーの浮気相手であるらしい。

ブラッドを逮捕して事情を聞くと、ワトキンスという仲間と組んで誘拐劇を仕組んだことを自白。ブラッドは勤務先の郵便局でエミリーに目を付け、行動をさぐろうと尾行しているうちにエミリーと言葉を交わすようになり、不倫の関係を持った。だがエミリーに別れを切り出され、誘拐を決行することにした。いざという時になって、やはり止めようとしてワトキンスに殴り倒されたのだ。そして「手を引いたらエミリーを殺す」と脅されて身代金をすりかえたのだった。マローンらはブラッドを囮に使い、身代金を取りに来たワトキンスを逮捕、エミリーを無事に保護する。


感想

白昼の駐車場での犯行、食い違う目撃証言。「エミリーとダンカンはお互いに心を閉ざしていた」「とても親密な様子だった」「ふさぎこんでいた」「何か決意した様子だった」という矛盾する描写。それらを組み合わせた結果、見えてきた人間模様とは――と、今回のエピソードはこういったところだろうか。エミリーが浮気をしていたことや、ヘアカットでの様子から「もしや駆け落ち?」と思わせる惑わせ方も成功していたのではないかと思う。ブラッドがエミリーに本気にならなければ、今回の誘拐劇は成功していたかもしれないのだなぁ。

で、結局はダンカンとよりを戻そうとしていた矢先に誘拐騒ぎが起きたために、全部バレてしまったわけなのだが――ダンカンとやり直そう、と思わなければ誘拐もなかったかもしれないと思うと皮肉な展開ではある。この後どうなったのか、このドラマではそれは敢えて描かないスタンスを取っている。失踪者が戻って来た時点で物語は終わるから、ということらしい。

では、捜査官の個人的な背景は表に出さず事件描写に徹するかといえばそういうわけでもないらしく――ジャックが奥さんと別居している、なんて話も出て来た。ジャックの私生活についてはこの後のエピソードでいろいろ明らかになることがあるが、この場面はその伏線というわけか。パイロットでも少しそういうことを思わせるような場面があったと思う。

Yoko (yoko221b) 2008-03-05

wat/s01/003_he_saw_she_saw.txt · Last modified: 2019-09-11 by Yoko