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wat:s01:011_maple_street

Without a Trace - Season 1

#11 Maple Street

  • 邦題:「思い出ビデオ」
  • 脚本:Maria Maggenti
  • 監督:John McNaughton
  • 初回放映:2003-01-09

事件概要

失踪者:アニー・ミラーおよびシボーン・アリンテロ(13歳、中学生)

NY郊外のレイヴンウッドという小さな街に住む中学生、アニー・ミラーが、通学途中で行方不明になった。バスに乗り遅れた後の消息がわからない。ここは家に鍵もかけないような平和な街で、犯罪といえば万引きや飲酒運転程度。失踪現場付近で、アニーが持っていたビデオカメラが発見される。音声は再生できなかったが、彼女が誰かの車に乗った後もみあいになったらしい様子が録画されていた。

アニーはボーイフレンドもなく、親しいのは親友のシボーンだけ。2人は街で住人たちにインタビューしたビデオをパソコンでトークショー風に編集し、「アニー&シボーンショー」という自家製のDVDを作成していた。マローンとサマンサは、そのビデオに映るデレク・トレーナーが少女たちを可愛がる様子に違和感を感じる。デレクはアニーの母キャロルの親友で、家族同然の存在だった。

アニーが失踪して24時間後、今度はシボーンが失踪。朝バス停へ行き、忘れ物をしたと言って自宅に帰ろうとしてから行方がわからなくなってしまった。サマンサは、シボーンがビデオの中で「ミスター・くもりメガネ男(Mr. Steamy-Four-Eyes)はアニーのことが好きだよ」と口にしたことに注目する。

だがその後、アニーは遺体となって発見される。レイプされ絞殺されていた。

デレクの自宅でアニーの下着が発見される。さらにアリバイを偽証させたこともわかり、一気にデレクへの容疑が強まるが、デレクは、服があったのはアニーが泊まりに来たからで、アリバイ偽証は不倫を隠すためだと言い張り、頑なに口を閉ざす。その後デレクの不倫相手は意外なところから判明した。市長もアリバイが曖昧だったのだが、マーティンが追求した結果、市長はデレクと会っていたことを認めたのだ。

その後、アニーのビデオ映像から、容疑はミゲル・ゴンザレスに移る。ミゲルはシボーンの父の部下で、DVの前歴がある。ミゲルのロッカーからはアニーのブレスレット、自宅付近からはアニーの靴も見つかるが、ミゲルは犯行を否定。アニーの体内にあった精液は、ミゲルでもデレクでもないとわかる。

サマンサはようやく、ビデオから「くもりメガネ男」の特徴に一致する人物を発見する。それはシボーンの父の部下で、ミゲルの同僚。アニー失踪事件が起きているにも関わらずシボーンが警戒しなかったのも、父の部下なら説明がつく。ミゲルのロッカーに証拠品を入れて細工することも可能だった。

マローンは、犯人の狙いはアニーだけで、シボーンは性欲の対象ではなかったのではないかと思う。しかも雇い主の娘なら、簡単には殺せないかもしれない。マローンは街の住人たちを集めてニセの会見を開いて犯人をおびき出そうと計画。そして、その男ブランディーニがガレージに現れ、車のトランクに入れたシボーンを殺そうとした現場を抑え、銃を向けた犯人を射殺する。


感想

住民は皆知り合いばかり、ドアに鍵もかけないような平和で小さな街。ある事件をきっかけにFBI捜査官が訪れ、平和な仮面の下に隠されていた人間模様が次々と明らかになる――と書くと、何だかツイン・ピークスみたいだが、もちろんこれは全然違う話になっている。

今回は、「失踪者本人を知る」ことで事件解決に至るという要素はあまり強くない。アニーとシボーンが撮影したビデオが強力な手がかりにはなったけれど、結局はアニー本人のあずかり知らぬところで性欲の対象にされていたことが原因だったわけだ。

事件よりも、ビデオをチェックするサムの姿が印象に残った。最後に母親にDVDを渡す場面、これもほろりとさせられる良い場面だとは思うが、やはりこういうシーンは失踪者が(とりわけ年少者の場合は)生きて帰って来てこそ、ではないだろうか。

Yoko (yoko221b) 2008-03-20

wat/s01/011_maple_street.txt · Last modified: 2019-09-11 by Yoko