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Without a Trace - Season 1
#23 Fallout: Part 2
- 邦題:「911の爪跡/後編」
- 脚本:Hank Steinberg
- 監督:Paul Holahan
- 初回放映:2003-05-15
事件概要
失踪者:シドニー・ハリソン(41歳、人材派遣会社経営)
混乱する書店の中では、サマンサが足を撃たれていた。バリーはサマンサがFBI捜査官であることを知って怒る。その後、医者を派遣しろと要求するが、マローンは「人質を増やすわけにはいかない」と拒否しSWATを突入させようとするが、ヴァン・ドーレンはあくまで交渉で救出するようにと指示する。
ダニーは、事件当日バリーに連絡を取ろうとしていたオズボーンという人物の存在をつかむ。オズボーンはバリーの弁護士で、被害者救済基金の受給手続きを担当していた。その金額は68万7000ドル(バリーが要求したシドニーの身代金と同額)だったが、バリーは「それが妻の価値か?その金を出せば妻が生き返るのか?そんな金でオレの口を封じようというのか!」と怒って手続きをしなかったという。
マローンは、バリーの要求を聞き「発砲は事故だった」とマスコミに発表。それを聞いてバリーは人質のリチャードを解放する。リチャードの口からサマンサの怪我がひどいことがわかり、マローンはマーティンに銃を渡して単身書店に乗り込み、自分と身代わりにサマンサを解放させる。
バリーは義母の家に電話するが、応対したのはそこに詰めていたヴィヴィアンだった。バリーは子どもたちと話すことを要求し、その代わりに他の人質を解放。書店に残ったマローンとバリーはそれぞれに家族のことを話し合い「元気な家族がいるのになぜ愛し方がわからない!」「おまえは自分の痛みしか見えていない!」と言葉をぶつけ合う。
マローンの説得で、バリーはシドニーの居場所を告白し、2人は書店を出る。シドニーはバリーが借りていた倉庫に監禁されているところを、無事に保護された。
感想
前編で「冷静に対処できるのか」と懐疑的だったヴァン・ドーレンを押し切ったジャックだったが……やっぱり冷静になりきれなかったじゃないか~。いや、そこがジャックの良さというか持ち味なんだけど。サムが撃たれても最後まで冷静なままだったら、そりゃジャック・マローンじゃないものね。ネクタイ緩めて腹まで見せて、お姫様抱っこして、後半も文字通り体当たりの説得。ジャック以外の人質が解放された後、残る目的はシドニーの居場所だけ。人質の安全という危険が去ったぶんだけ、より直接的な言葉をぶつけ合う、渾身の説得であったと思う。
事件解決後、消耗しきったジャックの様子が痛々しい。バックに流れる “Hallelujah” の曲、壁に貼られた家族の写真と、ツインタワーの写真。カメラが横に動いていくと、そこにはタワーのなくなった同じ風景が――この映像的な演出が素晴らしい。この街の人々が乗り越えてきた試練と、彼らのひとりひとりに寄せる強い共感のような思いが感じられた。