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Without a Trace - Season 2, Episode 12
#35 Hawks and Handsaws
- 邦題:「心の中の世界」
- 監督:Kevin Hooks
- 脚本:Ed Redlich, Jennifer Levin
- 初回放映:2004-01-15
事件概要
失踪者:ジョー・ギブソン(26歳、弁護士)
無料法律事務所に務める弁護士のジョー・ギブソンが失踪。失踪前、誰かから必死に逃げているところを目撃されていたが、追跡者についての情報はなかった。
アパートの管理人の話では、ジョーは最近セキュリティに神経質になり、鍵を増やすよう要求していたという。また、失踪前日の夜には、ジョーが電話で誰かと口論し「ピーターソンにそう言え!」などと怒鳴る声が聞こえていた。だがジョーの依頼人やその関係者に「ピーターソン」は存在しない。さらに、固定電話も携帯電話も2週間前に解約し、事務所などへの連絡には公衆電話を使用していた。
マーティンとサマンサは、ジョーの自宅付近の公衆電話をしらみつぶしに調べ、連絡用に使用していた電話を割り出す。さらにその電話の通話記録から、ジョーが精神科に通院していたことがわかる。ジョーは妄想性の統合失調症を患っており、謎の「ピーターソン」は架空の人物であると思われた。
ジョーの元に送られ、不在で持ち帰られていた郵便物が郵便局から届けられる。送ったのはなぜかジョー自身で、入っていた書類はほとんどが暗号で書かれていた。「DS」という人物名が何度も登場するメモや、「アリスを救出せよ」と書かれた幼い少女の似顔絵などがあった。
「DS」は、法律事務所の調査員、デイヴ・サントラムと思われた。デイヴはジョーから、自分の依頼人が過去に犯罪を犯しているのではないかという相談を受けていたが、法律事務所の調査員として依頼人を調査するわけにはいかないので、詳細を聞かずに断っていた。
では「アリス」は誰か――という疑問が生じたところで、ジョーがナンシー・ホルツマン(ジョーが勤務する法律事務所の経営者)の娘ソフィーを連れて行ったという報せが入る。どうやらジョーは、ソフィーを「アリス」と思い込み、救出しようとしているらしいとわかる。
ジョーが疑っていた相手は、依頼人のフレッド・ワトキンスだった。ジョーは取調べを受けるワトキンスの態度を不審に思い「彼は犯罪者では」という疑いを抱いたらしい。調べてみると、ワトキンスが以前に住んでいたフィラデルフィアで、アリス・ヘラーという少女が行方不明になったという事件が起きていた。その事件はまだ未解決。
その後、「デイヴ・サントラム」と名乗る人物がニューアークで病院の精神科に収容されたことがわかる。だが行ってみると、そこにいたのはジョー・ギブソンだった。ソフィーの姿はない。ジョーは身の危険を感じ、デイヴになりすまして行動していたらしい。ジョーの所持品の中には、アリス・ヘラーが着ていたセーターがあった。つまり、ジョーはアリスの遺体を見つけたのだ。そしてソフィーもその場にいる可能性が高い。だが、ジョーはマローンに不信を抱き、何も言おうとしない。マローンは取調室に留めていたフレッド・ワトキンスに「ジョーが見つかりました」と告げ、雑談のふりをしてアリスのセーターのことを口にする。
案の定、ワトキンスはアリスの遺体を始末するために動き出す。張り込んでいたダニーとサマンサが尾行し、ソフィーを無事に発見し、保護する。アリスと思しき遺体は、エレベーターシャフトの下で発見された。
感想
む~~ん。冒頭の場面と「心の中の世界」という邦題で、妄想だというのは何となくわかっちゃった。だって、あまり現実感がなかったし、目撃者も「誰も追って来なかった」って言ってたし。ピーターソンという名前を聞いても「そんな人いないんでしょ?」としか思えなかった。それが害虫駆除業者の作業着にあった「PETER & SONS」から来ている、という所は面白かったけど。
何というか、失踪者の人となりを少しずつ読み解いていくという基本は同じだが、妄想性の統合失調症となると、その人の人間性に共感するというより、現実と妄想がどこでどのように交差しているのか、それをパズルを解くように理解していくという感じ。その意味では、現実と妄想の重なりがもう少しわかりやすく解説されても良かったと思う。ジョーがアリス事件とワトキンスをどのように結び付けたのか(あるいは妄想がまぐれ当たりだったのか)、どうやってアリスの遺体を発見したのか(現地の警察にもできなかったのに)。どちらかというとワトキンスを罠にかけるよりも、ジョーの「捜査」の痕跡をジャックが追跡していくような展開のストーリーを見たかったかな。
— Yoko (yoko221b) 2008-05-27