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Without a Trace - Season 4, Episode 6
#76 Viuda Negra
- 邦題:「死者の祭り」
- 脚本:Scott Williams
- 監督:Paul McCrane
- 初回放映:2005-11-03
事件概要
失踪者:ジェイムズ・コスティン
アメリカ人の実業家ジェイムズ・コスティンがメキシコで誘拐される。拉致された時は妻のルーシーが一緒にいたが、ルーシーは「通報すれば殺される」と警察には言わず、結局ルーシーの母親がFBIに通報したのだった。マローンはダニーとともにメキシコへ飛ぶ。
ジェイムズを連れ去った男たちはガイコツの仮面をかぶって顔を隠していた。ルーシーは事件の後、カンティーナで警察に通報しようとしたが、店の従業員から「通報すれば彼は殺される、きっと身代金の要求があるからホテルで待っていなさい」と言われたという。その後ルーシーのもとへは、25000ドルを要求する電話があった。
ルーシーはジェイムズの再婚相手で、前妻のメアリは強盗に襲われ殺されたという。エレナは、家政婦のローザが「エルサルバドル出身」というのに訛りがメキシコであることを不審に思う。調べてみるとローザは確かにメキシコ出身で、96年に就労ビザを得ていた。マーティンは、メアリ殺害とジェイムズ誘拐の手口が似ていること、どちらの事件でもローザが被害者の近くにいたことに注目する。
マーティンは、更にジェイムズの財政状況を調べ、ルーシーが大金を引き出したことを知る。その頃メキシコではルーシーが、見張りの隙をついて窓から逃げ出していた。後を追ったダニーは、手を血まみれにして歩いているルーシーを発見。ルーシーは金を渡したものの、「あと10万ドルよこせ」と要求されたという。彼らはジェイムズの指を切断してルーシーの手に握らせたのだった。
サマンサは会計士に事情を聞く。ジェイムズの財産は前妻メアリから相続したもので、その相続をめぐってメアリの姉ヴィクトリアとの間で諍いがあったとわかる。ヴィクトリアは、妹を失って意気消沈していたジェイムズには同情したが、それを利用して妻の座におさまり、メアリの財産を手に入れたルーシーのことを嫌っていた。背景を調べていくうちに、ルーシーが最初からジェイムズを狙ってメアリを殺害したのではないかという疑いが生じる。
一方、メキシコではダニーが目撃者を発見し、ウェイターが誘拐に関与していたことがわかる。ウェイターは追及され、フランコ・コロンの名を口にする。フランコのアジトに踏み込むと、そこにはローザの息子ホゼの遺体があった。ローザは「ルーシーからホゼにガイドをするよう頼まれた」と言うが、ルーシーは「ホゼとは連絡が取れず、会っていない」と主張する。
ルーシーは再び犯人から接触を受け、10万ドルを持って出かけて行く。途中でマローンは「ジェイムズに捨てられるのが怖くなり、誘拐をお膳立てしたのではないか?」と言い出す。メアリ殺害はプロを雇ってうまくいったが、今回はコントロールできないならず者を雇ってしまい、計画が狂ったのではないか?
ルーシーはマローンの話を否定し、身代金を持って接触場所へ向かう。やがてフランコと仲間が現れる。金を受け取って銃を向けた犯人を、メキシコ警察が射殺、ダニーがバンの後を追う。
マローンは犯人とルーシーの会話を録音しており、誘拐劇を仕組んだのがやはりルーシーであることが明らかになる。彼女は最初に金を渡したとき「もっと金を出さなければ男を解放するぞ」と脅されたのだ。FBIが来ているので、ルーシーは「本物らしく見せる」ためにジェイムズの指を切り落とすよう言った。救出されたジェイムズは、メアリ殺害のことも含めてすべてを知り、ルーシーをメキシコ警察に拘束させる。
感想
今回の舞台は「死者の日」の祭りでにぎわうメキシコ。この祭りは11月1日~2日に行われるメキシコの伝統行事で、起源はコロンブスよりずっと以前に遡るとのこと。1日は子どもの時に亡くなった死者、2日は成人してから亡くなった死者の魂が戻って来る日、ということで日本でいうお盆みたいなものだろうか。向こうの方がずっと賑やかで明るい感じだけど。
ラテンといえばやはりダニー。というわけで、ダニーとジャックがメキシコに出張。ロケ地はカリフォルニア州かもしれないが、シーズン2のイラクに比べるとやはり「現地感」があっていいな~。ダニーはスペイン語しゃべるし(「クバノ(キューバ人?)」って言った時のアクセントが何だか素敵!)バイクでかっとばすし! ラテンな画面にぴったりマッチした感じで良かった。エレナの訛りはダメでダニーはいいのかと言われそうだけど、いいの。
ストーリーも、WATに求めるものとは少々違うのだけど、謎が適度に込み入っていてテンポも良くて面白かった。ホゼとローザの役割がちょっとよくわからなかったのだけど、結局はルーシーがホゼを利用して誘拐劇を仕組もうとしたところ、仲間が途中で本気を出してしまい、計画変更して邪魔なホゼを殺害。ローザはホゼから電話で事情を聞いたのか、あるいはメキシコ出身と言えば疑われると思って出身地を偽った、ということなのかな。
タイトルの “Viuda Negra” はスペイン語で、英語で言うと “black widow” ――これって黒後家蜘蛛だよね。交尾後にメスがオスを食べてしまうのでこう呼ばれているらしい。今回のルーシーは未遂だったけど。
— Yoko (yoko221b) 2009-01-08