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The Wire - Season 1
#8 Lessons
- 邦題:「直感」
- 監督:Gloria Muzio
- 脚本:David Simon
- 原案:David Simon, Ed Burns
- 初回放映:2002-07-28
“Come at the king, you best not miss.” - Omar
概要
マクノルティは息子のマイケルとショーンを連れてショッピングセンターへ行き、そこでストリンガーの姿を見かける。マクノルティは息子に「スパイごっこをしよう」と言ってストリンガーを尾行させ、車のナンバーを手に入れる。
フリーマン、グレッグスとプレッズは、監視していた公衆電話が一度に2台接続が切れたことで、彼らの用心深さを知る。しかしピットの電話を使わない以上、他の電話を使わざるを得ないのだからと、どの電話を使い始めるか新たに監視を始める。
ウィーベイ、スティンカムらはオマーのアパートを急襲し、バンに火をつける。オマーは向かい側の家に隠れてその様子を見ていた。その後、ウィーベイらはディアンジェロと合流して、ファーストフード店でスティンカムの「昇進」を祝う。彼らはその後ドラッグパーティへとなだれ込み、連れ込んだ女性(オーランドの店のダンサー)が麻薬の過剰摂取で死亡する。
まだ接続が生きているタワーの電話で行われたストリンガーの通話から、タワーにいる用心棒「リトル・マン」から「デイ」に何かが渡されることがわかる。ハークとカーヴァーが屋上から見張り、グレッグスとシドナーが車で張り込んで尾行開始。「デイ」の車の助手席の下からは、ゴミ袋に入れた大金の札束が発見され、グレッグスはデイを逮捕。「デイ」とは、以前にパーティでダニエルズと知り合った上院議員の運転手、デイデイことダミアン・プライスだった。ダニエルズはデイの持っていた金を没収するが、バレル副総監の命令で金を返却し、デイは釈放される。バレルは今週中に捜査を終えるようダニエルズに命じるが、まだ盗聴許可の期日が残っていることを理由に、フェラン判事が鶴の一声で却下。
オーランドは、ディアンジェロに別口の麻薬売買(エイヴォンの組織を通さないルート)の話を持ちかけていたが、その話はディアンジェロからエイヴォンに伝わり、彼はエイヴォンにボコボコにされてしまう。エイヴォンがオーランドを雇っているのは、彼の酒類販売許可証がクリーンなためで、それが麻薬のために危うくなると怒ったのだ。
マクノルティは車のナンバーから割り出した住所をもとに、ストリンガーを尾行する。ストリンガーはボルティモア・コミュニティ・カレッジへ行き「マクロ経済学入門」の講義に出席する。カーヴァーとハークは巡査部長の昇進試験を受ける。
ウィーベイとスティンカムは「スカー」というディーラーの縄張りを襲撃しようとするが、そこへオマーが現れ、スティンカムを殺害し、ウィーベイの脚を撃つ。エイヴォンは怒り、オマーの首にかけた賞金を1万ドルに増額。
グレッグスはフリーマンに、自分はオマーに乗せられたのではないかという疑問を打ち明ける。オマーは最初「バードが銃を持っている」と言い、目撃証人が必要だと言うと自分がなると申し出た。オマーはただバードを勾留したかっただけなのではないか。フリーマンは「尋問は科学より技巧(アート)だ。直感を信じろ」と言い、オーランドの店で働くダンサーの中で、内通者として利用できそうな候補者の選定についてグレッグスの意見を聞く。
感想
冒頭、マクノルティが息子2人にストリンガーを尾行させているが……いいのか? 相手は仮にも犯罪組織のNo.2だよ。まぁそれほどの幹部が白昼のショッピングモールで白人少年に何かするはずがない、ということなのだろうが、それにしたって相手は犯罪者ですよ。
息子の試合にバブズを連れて行ったり、息子たちの乗っている車にオマーを乗せたり、このへんのマクノルティの感覚はどうもよくわからない。善人・悪人と単純に二分できないドラマの中の人間模様がそれとなく織り込まれているのかなという気もするし、単にマクノルティが徹底して空気の読めない人物であることを描いているようにも思える(確かに、この一連のドラマの発端になったのはマクノルティの感覚の鈍さだ)。あるいは、もうそれくらいに「彼ら」はマクノルティの生活の一部であるということなのか。
前回のパーティで思わせぶりに登場した「デイデイ」が再登場。上院議員の運転手が関わっているとなると――警視が何となく乗り気でなかったのは、組織の「上の方」をつつけば政治家の関与が明らかになるということがわかっていたからなのだろうか。囮捜査でディアンジェロクラスの下っ端を適当に挙げておけば、それなりに成績を示せるから――ということだろうか。
殺人課でバンクが読んでいたローラ・リップマンの小説は、ボルティモアを舞台にしたミステリのシリーズらしい。部分的に見えたタイトルから、おそらく “In a Strange City” であろう。翻訳版も出版されている。
— Yoko (yoko221b) 2007-08-07