Table of Contents
The Wire - Season 2, Episode 2
#15 Collateral Damage
- 邦題:「巻き添え」
- 監督:Ed Bianchi
- 脚本:David Simon
- 原案:David Simon, Ed Burns
- 初回放映:2003-06-08
“They can chew you up, but they gotta spit you out.” - McNulty
概要
港で発見された13名の遺体は、エアダクトが破損したための事故死と判断された。生きていれば移民管理局に引き渡されるはずだが、死因自体には事件性がないため、ラッセル巡査が「山のような書類」を書いて終わりになるはずだった。
マクノルティは新聞記事でその事件に目を留め、ラッセルのもとを訪れる。そのコンテナには14人分の寝具があったが、遺体は13人。マクノルティが海上で発見した女性が14人目である可能性があった。マクノルティはコンテナを調べ、ダクトの破損はコンテナの衝突による事故ではなく、人為的に潰したもの、つまり殺人事件であることを見抜く。
ヴァルチェックは港湾で、普段は見逃すような違法駐車や飲酒運転を徹底的に取り締まり、それをソボトカへの「メッセージ」とする。ソボトカはヴァルチェックを罵倒し、ステンドグラスをめぐる2人の「交渉」は決裂。ヴァルチェックは副総監のバレルに掛け合い、ソボトカの周辺を捜査する特命チームを組織する。
殺人課のロールズは、いったんは事件を管轄外に押しやるが、マクノルティは検死官と協力して、事件が市警察の管轄であることを証明する。コンテナに含まれた酸素の量を基に死亡時刻を割り出し、13名は船が着岸してコンテナが上陸した後に死亡したことを示したのだ。事件を引き受けたロールズとランズマン巡査部長の様子を聞き、マクノルティはバンク、フリーマンとともに上機嫌で祝杯をあげる。しかし翌日、他の刑事が担当するはずのその事件が、バンクとフリーマンの担当に回ってきてしまった。
ヴァルチェックの特命チームには、廃屋のような部屋があてがわれ、プレッズが指揮をとることになるが、チームメンバーが気にしているのは、捜査のことより時間外手当のことらしい。
ソボトカの部下「ホースフェイス」らは、ヴァルチェックから嫌がらせを受け、意趣返しに警察車両を盗み、コンテナに乗せて送り出してしまう。
バンクとフリーマンは、ラッセル巡査とともに、コンテナを載せていた船 Atlantic Light 号を追ってフィラデルフィアへ行き、乗員に話を聞こうとする。しかし、セルゲイらが先回りして船のエンジニアを拉致。そのトルコ人エンジニアは拷問され、ついに真相を口にした。彼は船上で女性たちを「斡旋」して金銭を得ようと思いついた。だが、そのうちの1人がもうこんなことは嫌だと抵抗したために殺害。他の女性たちはそれを目撃したために、やむなく殺したのだった。ギリシャ人らは、そのエンジニアを殺害する。
一方、エイヴォン・バークスデールはストリンガーやブリアナと塀をはさんで麻薬供給の算段。同じく収監されたウィーベイは看守の嫌がらせに悩んでいた。以前にウィーベイが殺害した男が、その看守の親戚だったのだ。
感想
ロシアや東欧から人身売買同然に「輸送されてくる」若い女性たちの話は、CSIの本家やマイアミにも出て来たっけな。この女性たちも、同じように売られて来たのだろうか。マイアミならホレイショに助けてもらえたのに……。マクノルティは「これは(捜査ノウハウを持っている)殺人課が担当するべきだ」と殊勝なことを言って検死官の協力を得る。それはそれで嘘はないんだろうけれど、その後で大喜びしている場面を見ると、ロールズたちに難題を押し付ける方が本来の目的としか思えない。結局その事件はバンクとフリーマンに回ってきてしまうわけだが、この2人だって一緒になって大笑いしていたのだから、あまり同情はできないわね。
殺人課のロールズさん、前シーズンでの階級は警視(Major)だったが、今回はその上の Colonel になっていた。日本でいうと何だろう、警視正かな? Major は、警察の階級としては「警視」とするみたいだけど(辞書によると)、ここボルティモア警察の中では、Major=警部、Colonel=警視でもいいような気もする(Lieutenant の上が Major のようだが Captain はいないのかな)。まぁ、Major から Colonel になっても、やってる仕事は変わらないみたいだけど。
この大量殺人事件と並行して、ヴァルチェックが対ソボトカの特命チームを組織する。義理の息子プレッズも当然そこに加わるわけだが……前シーズンでアルコール依存の治療に行ってしまった刑事さんはじめ、何だか皆やる気なさげ。「オフィス」も廃墟みたいな部屋だし(前シーズンの地下室の方がまだましじゃない?)、プレッズひとりでまとめて行けるわけもないし、もう最初から前途多難。
バークスデールの組織も、話としては連続しているけれど、今回本筋には関わってこない様子。
最後のエンジニア殺害は、血液ボタボタが妙にグロテスクで「うぇー」な感じだった。グロはCSIで慣れたつもりだったのだけど、こちらのグロ描写はまた、一味違う生々しさがあるのよね……これは当分慣れないかもしれない。ギリシャ人とセルゲイ怖いよ~。
— Yoko (yoko221b) 2007-11-30