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The Wire - Season 2, Episode 6
#19 All Prologue
- 邦題:「プロローグ」
- 監督:Steve Shill
- 脚本:David Simon
- 原案:David Simon, Ed Burns
- 初回放映:2003-07-06
“It don't matter that some fool say he different…” - D'Angelo
概要
殺人課+ラッセルと対ソボトカ捜査班は会議を開く。現在のところ、ソボトカに目立った財産はなく、組合にも不審な金の流れは見当たらない。ただ、ソボトカがロビイストを雇い政治家に合計7万ドルの献金をしていることが判明していた(この献金は組合の帳簿には載っていない)。麻薬の囮捜査では特に目立った収穫はなく、資金源は他にあると思われた。ラッセルは、ソボトカの取引材料は情報ではないかと思いつく。彼らは港を出入りする積荷とその中身をすべて把握している――例えば、死体が詰まったコンテナも。
グレッグスはシャーディーンを訪ね、クラブで働くロシア人女性たちの話を聞く。シャーディーンは元「オーランド」のストリッパーで、現在はフリーマンの勧めで看護学校に通っていた。その後、シャーディーンの紹介でクラブへ行き、6ヶ月前にロシア人と思しき女性たちの一団が来たという情報を得る。外国訛りのあるマダム然とした女性が仕切っており、女性たちはモーテルでもクラブでも監視された生活を送っていたという。客が近づきすぎると、その一団は別の街へ送られてしまうという徹底ぶりだった。
バンク、ラッセル、フリーマンは、コンピュータを使い、問題のコンテナが降ろされた日の Atlantic Light 号の記録を調べる。そのコンテナは、港に降ろされてから発見されるまでの数時間、実物は存在するがコンピュータ上の記録がないという状態になっていた。他の記録も調べれば、紛失荷物のパターンがつかめるかもしれない、と判断した3人は船荷記録を調べあげ、不審なケースにはすべてホースフェイスが関わっていたことを突き止める。
ダニエルズは相変わらず、14名の(解決しないかもしれない)殺人事件を引き受けるつもりはなかったが、港湾のコンピュータをクローニングして、何が起きているかをリアルタイムで把握しようというフリーマンの提案は承認する。
オマーはガント事件の裁判で証言台に立つ。被告弁護人のリヴィは、ドラッグディーラーから盗むことで生活するオマーを「犯罪者のパラサイト」と呼ぶが、オマーは動じず「あんたと同じだ」と言い返す。バードには有罪の評決が下される。
マクノルティはバードの裁判を見届け、ジェイン・ドゥたちの身元特定をあきらめた所で殺人課への未練を断ち切り、別居中の妻エレーナの元へ戻り新しい生活を始めようと決意する。マクノルティはエレーナを食事に誘い、そのまま夜を共にするが、エレーナは「子どもたちがシッターの所から帰る前に出て行ってほしい」と言い渡す。希望を持たせたくないというのがその理由だった。
ニックはセルゲイの仲介でプロポジション・ジョー(チーズのボス)と交渉し、ジギーとチーズの間の問題を解決する。その後ニックはヴォンダスに薬品を引き渡し、そこで「現金の代わりにヘロインで払ってもいい」と持ちかけられる。ヘロインは3~4倍の値段で売ることができるのだ。ジギーは乗り気になるが、ニックは「半分を現金、半分を薬」で受け取ると返答。
ディアンジェロは、面会に来た母ブリアナから「ファミリー」に戻るよう説得されるが、相変わらずバークスデール・ファミリーと距離を置こうとする。その後、1人で図書室の書庫に入ったディアンジェロは、後をつけて来た囚人に首を絞められ殺害される。囚人は凶器のベルトをドアノブにまきつけ、自殺に見せかけると、何事もなかったようにその場を去った。
感想
冒頭でオマーの「法廷ファッション」にまず笑わせてもらった。前回、検事が小切手を切って「何でもいいから、ネクタイのある服を」買ってくるように言ったのだが、マクノルティはその小切手をオマーに渡してジェイン・ドゥの身元調査に行ってしまっていたのだ。それで何を買ったのかと思ったら、ネクタイだけかよ!
ともあれバードの裁判は有罪で一件落着。フェラン判事お久しぶり! そういえば、殺害されたガントさんが証言したのもフェラン判事の法廷だったんだな~と思い出した。そしてその事件の被告人だったディアンジェロは……(後述)。
対ソボトカの捜査では、フリーマンとプレッズが資金面の調査、グレッグスが聞き込みに回って(シャーディーンも久しぶり~)、今回だけでかなり情報が集まってきたなという印象。ロシア人女性たちの生活ぶりは、想像以上に厳しいものだったようだ。この組織の元締めの人、ラスベガスでメールオーダーブライドとかやってたりしない?
で、チームダニエルズが着々と成果を上げてソボトカの犯罪に迫らんとしているのに、マクノルティは何だか1人だけ精彩を欠いているように見えてしょうがない。もう殺人課の真似事はやめて、マリン・ユニットでのんびりとカモメを見て暮らす――って、そんなのマクノルティじゃないだろ! って、エレーナにまでそう言われてるし。
ニックは本格的に犯罪組織に関わることにしたのかな。単に情報や物資を横流しするだけじゃなく、ヘロインを受け取る(そして供給元になる)ということは、犯罪者としてのステップを上ってしまうということよね……今回渡した薬品がコカインの加工に使うものだとわかった時点か、プロップ・ジョーとのことがきっかけで覚悟を決めたのかな。あるいは、ジギーがまた変なことをしないよう、自分の監督下に置くため?
そしてラストではディアンジェロが……! ええええええこんなのってあり~~~~!? と、思わず叫びそうになった。今シーズンは、ディアンジェロとファミリーの関わりや彼の苦悩が塀の中で描かれていくと思っていたのに……この段階でこういう形での降板は、何だかとても物足りなくて残念に思う。
ところで、またIMDbをうろうろしていて知ったのだが、ニック役のPablo Schreiberって、Liev Schreiberの弟だったんだ……知らなかった~。
— Yoko (yoko221b) 2007-12-16