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The Wire - Season 3, Episode 9
#34 Slapstick
- 邦題:「スラップスティック」
- 監督:Alex Zakrzewski
- 脚本:David Simon
- 原案:David Simon, George Pelecanos
- 初回放映:2004-11-21
“…while you're waiting for moments that never come.” - Freamon
概要
バークスデール組の戦闘員、ジェラードとサッパーは、オマーが祖母の家から出て来る所を目撃。ストリンガーの許可を得てオマーを銃撃するが、オマーはタクシーに祖母を乗せて危うく難を逃れる。日曜の朝に襲撃事件を起したことに、オマーは怒る。教会へ行く日曜には争わないというのが彼らの伝統なのだった。
ウェスタン地区は犯罪発生率が14%減少という記録を達成し、コルヴィンは、これだけの結果を出せば「実験」が公になっても継続できるのではないかと思い始める。コルヴィンはジョンズ・ホプキンズ大学の警備の仕事をする契約を進め、引退の準備を整えていた。だが教会の助祭は「自分で始めておきながら、最後まで面倒を見るつもりはないのか」と非難する。
フリーマンとプレッズは作業員の扮装でストリンガーの店の前に監視カメラを設置。ダニエルズは使い捨て携帯電話の盗聴準備を整える。対象が使い捨てなので、今回の盗聴は時間との戦いであった。電話会社のVPは実際の盗聴開始まで申請から数週間~1ヶ月はかかると言うが、パールマンに脅され、しぶしぶ4~5日に短縮。シドナー刑事は携帯電話の調達係を尾行し、どこで何を買ったか記録する。
マクノルティとプレッズは中華のテイクアウトを買いに出かけ、その帰りに緊急連絡を受けて銃撃戦の現場へ応援に向かう。いったん二手に分かれた後にマクノルティが合流した時、プレッズは容疑者を射殺していた――と思われたが、確認してみると、プレッズは私服の警官を誤射していたのだった。警官が黒人だったため、人種問題に発展するおそれがあった。
フリーマンは、シドナーが購入を突き止めた電話機の中から、ボディが使用する物を特定するための準備を整える。恋人や家族など、ボディだけが行う通話があれば、彼が使用する電話がわかるのだ。
ストリンガーは麻薬ディーラーカルテルの会合で「エイヴォンとマーロの抗争を何とかしろ」とせっつかれ、さらに開発業者の資格が得られないことにも苛立っていた。クレイ・デイヴィスはストリンガーの追求をのらりくらりとはぐらかす。
ハムステルダムで殺人事件が発生。カーヴァーは部下に命じて、遺体と銃の薬きょうをハムステルダムの外に動かす。殺人課が捜査に来れば、ハムステルダムの秘密が公になってしまうからだ。だがハークはそれを拒否し、ボルティモア・サンに電話をかける。
だが、遺体を動かした時の血痕と、カーヴァーが見落とした薬きょうが発見されてしまい、コルヴィンはハムステルダムのディーラーたちに「明日までに犯人が出頭しなければ、ハムステルダムは終わりだ」と宣言する。その後、若者が「男を撃ち殺した」と自首しに現れる。
感想
プレッズが!!!
初期シーズンではいろいろと問題を起してきたプレッズだけど、最近はもう、そんなことなどなかったように、むしろチームダニエルズの「優等生」のように行動していたのに……よりによって私服刑事を誤射してしまうなんて。
プレッズの事件とそれをめぐる会話の一部は、このエピソードでストーリーを担当したジョージ・ペレケーノスの小説『曇りなき正義』から取られているとのこと。ペレケーノスはワシントンD.C.出身の作家で、The Wireでは脚本家とプロデューサーを務めている。
プレッズとマクノルティが買いに行ったLo Meinってラーメンかと思ったら、どうやら焼きそばみたいな物らしい。確かに、ラーメンじゃテイクアウトは難しいものね……って、いろいろ検索して画像とか見ていたら焼きそば食べたくなってしまった。どうしてくれる。
それはともかく、ハムステルダムの実態が白日の下に晒されるのはもう時間の問題だな……ハークが新聞社に電話したのは、もちろん「ハムステルダム」のことをタレ込んだのだろう。このまま犯罪率が低下して安定すれば、コルヴィンもごまかしきれないだろうし、逆に犯罪が増えれば他の部署からの捜査で気づかれるだろう。殺人が起きるたびに遺体を動かすわけにもいかないし、毎回犯人が自首すればそれはそれで絶対怪しまれるし。
— Yoko (yoko221b) 2008-01-21