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The Wire - Season 3, Episode 10
#35 Reformation
- 邦題:「改善」
- 監督:Christine Moore
- 脚本:Ed Burns
- 原案:David Simon, Ed Burns
- 初回放映:2004-11-28
“Call it a crisis of leadership.” - Proposition Joe
概要
売人たちの電話利用サイクルに何とか追いつくため、パールマンは前もって宣誓供述書の体裁を整えておき、番号がわかり次第すぐに判事に連絡をするということで、フェラン判事の協力を得られることになった。
ボルティモア・サン紙の記者は「フリーゾーン」の情報を得て取材を始めていた。コルヴィンは何とか公表をおさえようと、「これは作戦である」と言い含めて、「1週間は記事せず静観します」と記者からの言質を得る。
ボディの祖母の通話からボディの電話番号が判明、さっそく盗聴許可が申請される。キャロラインは彼らの会話に登場する「ハムステルダム」という言葉に注目(ハムステルダムの実態について、マクノルティとグレッグスはまだ秘密を守っているらしい)。
エイヴォンとマーロの抗争は激しさを増し、プロップ・ジョーはストリンガーに「エイヴォンを押さえられないならカルテルから締め出す」と迫る。ストリンガーは何とかエイヴォンの動きを止めさせようとするが、エイヴォンがマーロをおびき出すために利用した女性ディヴォンが射殺されたことがわかり、エイヴォンはもはや引くに引けない状況だった。ストリンガーはウェスタン地区の警察に電話をかけ、その後エイヴォンに関する情報がコルヴィンからマクノルティへ伝えられる。
ブラザー・ムーゾーンがNYからボルティモアに戻り、まずオマーを探し始める。ブラザーの部下ラマーはゲイバーを回ってオマーを探す。
MCUによる盗聴は、思ったより短い期間で終わってしまった。彼らは数週間で電話機を換えるはずだったが、実際はせいぜい1週間。新しい番号を追跡しても、盗聴はまた短命に終わるだけだと予測された。そこでフリーマンは、前もって未使用の電話の盗聴を設定し、電話機の調達係であるバーナードにその電話機を売りつけるという方法を考え出す。フェラン判事は「何ら犯罪行為に使用されていない電話」に盗聴許可を出すことを了承、新しい作戦が動き出す。まず、バーナードの恋人と顔見知りのバブルスが格安の電話機販売の話を持ちかけ、フリーマンが売人のふりをして電話機を売りつける。
デニスは何とかボクシングジムを開き、子どもたちを集めようと苦労する。
コルヴィンはようやく、バレル、ロールズ他警察幹部の前で「ハムステルダム」計画の全貌を明らかにする。コルヴィンは「部下たちはこれを、売人を誘い込むトラップだと信じている」と主張し、責任をすべて自分で被ろうとする。コルヴィンのもとには、街角から麻薬の売人がいなくなったことを肯定的に評価する手紙が何通も届いていた。バレルはコルヴィンに休暇を取るよう言い渡す。
感想
通信方法をめぐる、警察と麻薬組織のイタチごっこ。捜査方法がひとつ功を奏すれば、それはもう使えなくなってしまう。追われる側は常に警戒しているので、ちゃんと学習して同じ失敗を繰り返さないようにしているからだ。また、犯罪組織の方はボスが命令すればそれがすぐ有効になるが、警察の方はちゃんと手続きを踏まなければならないし、立場上違法なことはできないので大変だ。
違法な捜査によって得た証拠は、裁判では排除される。そのような証拠から間接的に得られた証拠もまた、毒樹の果実ということで排除されなければならない。その点フェラン判事の今回の決定(犯罪に使われていない電話の盗聴を許可したこと)は、捜査に必要なものではあるが、憲法の第4修正条項に照らしてどうなのだろう。これが Law & Order だったらどうなるかな。
ところでロールズさんはゲイなんですか。今までそういう話って出てきていなかったと思うのだけど……私服でゲイバーにいたのは、つまりそういうことなのでしょ? 副総監が潜入捜査しているはずもないし。こういう幹部クラスの人のプライベートが垣間見えるというのはひじょうに珍しいと思うのだが、これはこの先何か意味を持ってくるのかこないのか。
— Yoko (yoko221b) 2008-01-21