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The Wire - Season 4, Episode 1
#38 Boys of Summer
- 邦題:「夏休み」
- 監督:Joe Chappelle
- 脚本:David Simon
- 原案:David Simon, Ed Burns
- 初回放映:2006-09-10
“Lambs to the slaughter here.” - Marcia Donnelly
概要
バークスデールの組織亡き後、ボディは独立系売人になり、ウィーベイの息子のネイモンド(ネイ)をコーナーボーイとして使っていた。コーナーでは、マイケル、ネイ、ランディ、ドゥクアン(ドゥーキー)の4人の少年たちが走り回る。
重要犯罪捜査班(MCU)は、責任者がダニエルズからアッシャー警部補に代わり、フリーマンを中心に盗聴でマーロ・スタンフィールドの組織を調べ上げていた。マーロの連絡方法はバークスデールほど用心深くはなく、また彼らの組織に関係がありそうな殺人などの凶悪犯罪も発生していなかった。フリーマンは盗聴捜査と並行して、ストリンガーやB&Bの資産の行方を追及しようと大量の召喚状を申請する。バークスデールの金は、投資や政治献金などあらゆる方面に流れていた。
ハークはロイス市長の警備係。ダニエルズはコルヴィン警視の後に西地区の責任者となり、マクノルティはその下でパトロール警官をしていた。ダニエルズはマクノルティの捜査能力を他の部署に活かしたいと考えていたが、マクノルティは現在の部署を離れるつもりはなかった。
警察を辞職したローランド・プレズビルスキ(プレッズ)は、数学教師としてエドワード・ティルマン中学校に赴任する。市議会議員トミー・カルケッティは市長選挙に出馬し、選挙資金集めに苦心する。マーロの部下クリスとスヌープは廃屋の中で何者かを射殺し、遺体に生石灰をふり掛ける。
クラブの駐車場では、マーロの部下「フルーツ」が男女関係のもつれでレックスという売人に射殺される。フリーマンは電話盗聴でその顛末を知るが、フルーツの件がここ数ヶ月で初めての事件で、しかも被害者がマーロの部下であることに疑問を抱く。マーロは新興勢力であり、現在の版図は殺し合いをせずに獲得できるものではないはず。
バンクは、レックスがフルーツを殺したという情報をフリーマンから得、カーヴァーの協力を得てレックスを探すが見つからない。レックスはマーロの部下によっておびき出され、殺害されていたのだ。ランディは、自分がレックスをおびき出す手伝いをさせられていたこととその結果を、リトル・ケヴィンから知らされる。
感想
シーズンプレミアは、「登場人物たちの近況と今季の捜査対象」を紹介するというのがシーズン2以降のパターンのようだが、今季は何がターゲット? というのが、今回のエピだけではまだよく見えてこない。MCU(シーズン3では、たしか Major Case Unit と言っていたはずなのだが、今回は Major Crime Unit になっていた)の捜査対象は、今のところバークスデールの金の流れをつかむこと、なんだな。マーロの組織も監視対象ではあるが、こちらはまだ大人しい(と思われているが実態は……後述)せいか。
というより、警察ストーリーの扱いが少し脇にやられ、代わりに学校と政治家が前面にど~んと押し出されてきた感じ。今季の重要なテーマは学校教育、イベントとしては市長選挙があるので、まぁこれは当然かな。ストリンガーがこの世を去りマクノルティがパトロールに引っ込んだ、という理由もあるかもしれない。
舞台となる中学校では、警察を辞職したプレッズが新米教師として採用される。この学校の教頭先生、元警官と知って即採用していたけれど、シーズン1で少年相手に暴力をふるって片目を失明させていたことを知ったらどうだっただろう。いや、もちろん今の彼はあの頃とは違うけど。
さてマーロの組織。しょっぱなからスヌープの台詞が全然!わからないよ! もちろん字幕は表示させているし、さほど多くの語彙が使われているわけでもないのだが、画面を止めて字幕をしばらく睨んでみても、何のことを言ってるんだかよくわからない。相手のおじさんの受け答えを聞いて「あ、これはバッテリーのことを言ってるのか?」とようやく察しがつく感じ。いやはや。でもこのネイルガンが後々大きな意味を持ってくるので要注意(某CSIの目の脇に撃ち込むわけじゃないよ)。
スヌープが使っていたquicklimeは生石灰のこと。強アルカリで、人体の水分と反応して発熱するため、遺体が腐敗臭を発することなくミイラ化してしまうらしい。つまり「最近殺人が少ないねぇ」と暢気につぶやきながら警官が通り過ぎて行くそばで、空き家の中にはスヌープとクリスが生石灰で処理した遺体が何体も……(ひー)。
— Yoko (yoko221b) 2008-07-31