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The Wire - Season 4, Episode 5
#42 Alliances
- 邦題:「同盟」
- 監督:David Platt
- 脚本:Ed Burns
- 原案:David Simon, Ed Burns
- 初回放映:2006-10-08
“If you with us, you with us.” - Chris Partlow
概要
ブラドック事件(証人殺害)の担当がベテランのノリス刑事から新人のグレッグスに移ったという話は、ヴァルチェックからカルケッティに伝えられる。カルケッティはこの事件ですでに一度市長を糾弾しているので、もう一度それを繰り返すことは避け、情報を対立候補のグレイに渡そうと考える。自身は火の粉がかからないよう身を引き、市長の支持票をグレイに流して黒人票を割ろうという戦術であった。グレイはカルケッティの目的を知りつつ、市長を糾弾する役目を引き受ける。
ブラドック事件の担当交代はグレイからメディアに発表され、またも窮地に立たされた市長はバレルを責め立てる。何とかしろと後処理を任されたロールズは、ブラドック事件の担当にノリス刑事を復帰させ、「ノリスは担当を降りたわけではなく、グレッグスとパートナーを組んで捜査にあたっている」と公式に発表。
プレッズは、課題をこなした生徒を褒賞し、サボったり騒いだりした生徒には罰として居残りをさせることにする。だが結局クラスのほとんどが居残り組になってしまい、「今日だけ」と大目に見ざるを得なくなる。生徒たちと話すうちに、マイケルやドゥーキーの家庭事情が徐々に明らかになっていく。
クリスとスヌープは、マイケルをリクルートしようとする。ランディは、レックス殺しのことで自分が狙われているのではないかと脅える。
コルヴィンは、生徒たちを「ストゥープキッズ」と「コーナーキッズ」に分類し、別々に授業を受けさせることを提案する。前者は親の言うことを聞き、自宅周辺で遊ぶ子どもたち。後者は街角にたむろしストリートのカルチャーに染まっている子どもたち。ティルマン中学校に通う256名の生徒のうち、コーナーキッズに分類される生徒は約40名。まず10名くらいを選別しようと決まる。その中にはネイモンドの名前もあった。
MCU主任のマリモウ警部補は、ストリートレベルでの麻薬取引に標的を絞り、ウェスタン地区からの増員を得て麻薬取引の一斉摘発を行おうとする。だが情報は古いうえ末端の売人レベル。ハークやカーヴァー、さらにはパールマンも真面目に取り合っていない様子。
一斉摘発は、案の定失敗に終わる。ハークは、マーロたちがたむろする場所に隠しカメラを仕掛けるが、その動向はすべて目撃されていた。ハークはその後仕事を抜け出して、ロイス市長の選挙運動に協力。
州の代議員ワトキンスは、証人殺害事件の捜査遅延が市長の意向であったこと、市長がユネッタ・パーキンスを支持していることを厳しく糾弾する。ワトキンスは対立候補のマーラ・ダニエルズを応援しており、市長には選挙前(シーズン3)に「ユネッタを支持しない」ことを約束させていたのだ。ワトキンスと市長が袂を分かったことは、警備担当の警部補からロールズに伝えられる。ロールズはその情報をカルケッティにリーク。カルケッティは急いでワトキンスのもとへ向かう。
バンクとフリーマンは、マーロの関与した事件を探して「水死体か腐乱死体はないか」と検死官に問い合わせるが、それらしい事件はなかなか見つからない。さらに公園や下水道などを調べるが、死体はやはり見つからない。「仮説の殺人は捨てて現実の殺人に目を向けろ」とバンクは言う。
マーロはクリスに命じて強盗事件をでっち上げる。クリスはアンドレ(マーロの配下の商店主)を襲い、配達の女性を射殺する。アンドレは警察で、オマーの顔写真を指さす。マーロはプロップ・ジョーを訪ね、彼らの“New Day Co-op”に参加することを承諾。
ランディは、ポールとモネルという生徒がティファニーという女生徒をトイレに連れ込む際に、5ドルで見張りを引き受ける。
夜。ドゥーキー、マイケル、ランディの3人は空き家へ入り込み、クリスが殺害した遺体を見る。子どもたちの間では「クリスが人を殺してゾンビにしている」という噂が流れており、それを怖がるランディに遺体を見せ、ゾンビでないことを示したのだった。
感想
あらすじが何だか散漫になってしまったが、これもシーズン中盤にさしかかったところでの「5話目現象」ということで。細かいことを書きすぎている気もするのだが、たとえばランディが見張りを引き受ける場面などが意外に重要だったりするので、なかなか省略できなくて。
ブラドック事件をめぐる情報が警察署と市庁舎と選挙陣営の間を駆け巡る様子が面白い。ランズマン → ヴァルチェック → カルケッティのラインは、すでに以前のエピで示されていたけれど、市庁舎に詰めている警備担当の警部補はロールズにちくっていたのだ。で、このヴァルチェックとロールズがカルケッティにアプローチ。現市長のロイスも、証人事件の捜査の件でバレルを叱責する一方で、ロールズを取り立てるようなそぶりをしてみたり。お偉方のやることはいちいち政治的だわ。
4人の子どもたちの事情や性格もほぼ出揃った感じかな。マイケルはまだちょっとつかみどころがないかも……課題をやっていないのは、家に帰りたくなくて居残りするためにわざと? と思ったけれど、結局居残りをサボって弟を迎えに行ってしまった。ランディは商才があって面白い。プレッズは車の中にキーを入れたままロックしてしまい、困ったところを車泥棒の名人ドーナツ(この子は4人組じゃないけど)に助けられる。これは感謝してよいものか困った状況だよね。
それにしても、廃屋で遺体を見つけて「ゾンビじゃなかった」って安心しないで~。
フリーマンの仮説はすごくいい所を突いているのに、肝心の遺体が見つからない。港・公園・下水道を探していながら、なぜ空家に注目しないんだ~と、ちょっとイライラ。
— Yoko (yoko221b) 2008-08-10