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The Wire - Season 4, Episode 7
#44 Unto Others
- 邦題:「黄金律」
- 監督:Anthony Hemingway
- 脚本:William Zorzi
- 原案:Ed Burns, William Zorzi
- 初回放映:2006-10-29
“Aw Yeah. That Golden Rule.” – The Bunk
概要
デニスはスパイダーをジムへ呼び戻そうとするが、成功しない。どうやらスパイダーの母親とデニスの仲が原因らしい。デニスはジムへ戻り、「君たちへの礼儀をおろそかにするつもりはなかった」と説明する。
プロップ・ジョーは、監視カメラを誰が設置したかを調べるため、そのカメラを盗むようマーロにアドバイス。誰も探しに来なければ、設置したのは連邦捜査官。予算が潤沢なので、カメラを取り戻す必要がない。誰かが探しに来れば、地元警察の仕業ということになる。
バブルスは家を出て行ったままのシェロードを探している。彼は最近、物売りをしている途中でいつも同じ常習者に殴られ、薬物と商品を強奪されるようになっていた。バブルスは通りかかった巡査に被害を訴えるが、逆に「著作権侵害」として商品のDVDなどを没収される。いつもの男の暴力は止まない。
ロンダ・パールマンは新しく州検事(検事正)に選出されたルパート・ボンドから、召喚状を申請した勇気を買われ、麻薬担当から凶悪犯罪担当のユニットチーフに昇進。
学校でのレイプ事件はティファニーが合意を認めたため取り下げられ、ランディも無罪放免となり、殺人の件だけが残った。プレッズは、昼休みにカードゲームをする生徒たちの様子を見て、ゲームを使って数学を学ばせようと思いつく。教室は大人しくなり始めたが、ネイたちは特別クラスで暴れている。
バンクはオマーの無実の訴えを聞き、担当刑事と話し合おうとするが、相手は聞く耳を持たない。そこで、オマーが証言した事件の担当検事アイリーン・ネイサンを訪ね、安全な留置場に移すという約束を何とか取り付ける。
ダニエルズは、低水準の犯罪取締りを増やして統計数値を稼ぐよりも、重大な犯罪に対処できるよう警官を訓練すべきであるというプレゼンテーションを行う。バレルは反対の意向を示すが、オブザーバーとして来ていたカルケッティは興味を引かれた様子。その後、カルケッティは警察車両に同乗して現場を視察している途中、事件発生後に自ら現場で指揮を取るダニエルズの姿を見る。
ハークはカメラを探すが見つからず、カーヴァーに相談しに来る。「カメラを取ったのがマーロなのは確かだ」というハークの言葉でカーヴァーはランディの件を思い出す。カーヴァーは、まずハークにランディと話をさせようと申し出る。殺人事件を解決して点数を稼ぐことができれば、カメラの紛失を許してもらえるかもしれない。カーヴァーはレックス事件を担当するバンクに連絡しようとするが、あいにく不在。伝言を受けたクラッチフィールドは、オマーの件でバンクを恨んでいたため、連絡メモをそのまま握りつぶしてしまう。
ハークはランディに「殺人事件を目撃したんだろ!?」と迫るが、ランディはただメッセージを受け渡しただけと繰り返す。
グレッグスはブラドック事件の容疑者をポリグラフにかけるが、結果はパス。そこでもう一度現場に戻ってみると、周囲の弾丸の跡や壊れたビン、弾のめり込んだ家具などの様子から、そこは射撃の練習場らしいとわかる。ブラドックは流れ弾に当たって死んだのだった。グレッグスは弾丸を回収し、近くに住む男を逮捕する。
感想
バブルスとプレッズが学校で鉢合わせ。バブルスは潜入捜査だと誤解しているらしい――その人はシェロードの先生よ! ……と思ったら、それは冗談だという解説がWikipediaに。
証人事件はキーマ姐さんの(殺人課での)初手柄。たまたま証人だったために選挙前は大騒ぎになったが、いざ真相が明らかになると事故でしたというすごいオチだった。これが選挙前にわかっていたらどうだったかな~。あの銃撃ってたおっさん、知らないうちにボルティモア市政を動かしていたと知ったらどう思っただろう。
だがカルケッティの当選を機に警察の上部がどんどん風通しが良くなっていきそうなのだから、おっさんの功績は大きいかもしれない。次期市長はバレル総監を更迭したがっているが、強行すると人種問題になりかねないので、あらかじめアフリカ系の味方を育てておこうと、ダニエルズに目をつける。CSIではベガスの保安官が選挙で選ばれていたが、ボルティモアの警視総監は選挙じゃなく市長が任命するようだ。
警察だけでなく、地方検事も新しく選出されてパールマン検事を昇進させる。トップの交代があちこちに波及していくところが面白くなってきた。何よりダニエルズやパールマンのような、MCUを活躍させてくれる人たちにどんどん光が当たってきそうなのが小気味良い。彼らのような「前線の指揮官」たちがきちんと活動できないと、ストーリーが進まないように思う。
……とはいえ、この人たちは少々真面目すぎるというか、ストーリーをぐんぐん引っ張って行く型破りなエネルギーはあまり強くない気がして、その点が少々物足りない。これはやはりマクノルティ不足だ! 今回も出演してなかったし!
— Yoko (yoko221b) 2008-08-13