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The Wire - Season 5, Episode 5
#55 React Quotes
- 邦題:「取材」
- 脚本:David Mills
- 原案:David Simon, David Mills
- 監督:Agnieszka Holland
- 初回放映:2008-02-03
“Just 'cause they're in the street doesn't mean that they lack opinion.” – Haynes
概要
プロップ・ジョーが死亡したため、ヴォンダスはマーロと新たに取引を始める。ヴォンダスはマーロに携帯電話を渡し、普段は警察に聞かれても問題のない「合法的な」会話だけに使うように言う。彼らの「ビジネス」には特殊な通信方法があるのだった。
大陪審はデイヴィス議員の起訴を決定し、ボンド検事は記者会見を行う。サン紙の司法記者ゾージは、前回デイヴィス議員が召還された時に情報を流してもらえなかったことでパールマンに不満を言うが、パールマンはちゃんと連絡を入れていた。州法廷の担当はかなり以前に辞めていたのに、ボイスメールがそのままになっていたらしい。
ドゥーキーはストリートでスパイダー等売人に馬鹿にされたため、デニスのジムへボクシングを習いに行ったりマイケルから銃の撃ち方を習ったりするが、うまくいかない。デニスは「ストリートのやり方が通用しない世界もある」と言うものの、どうすればストリートを抜けてそのような世界に入れるか、その答えは持っていないのだった。
リヴィはクリスとスヌープの武器所持の件を処理。マーロはリヴィに携帯電話の番号を告げる。ハークはマーロの番号をこっそり書き留め、カーヴァーにこっそり手渡す。
マクノルティはアルマに「ホームレス連続殺人には性的な要素がある」と情報を流す。テンプルトンがその殺人事件に興味を示し、アルマは彼をマクノルティに引き合わせて「性的な要素」について詳しく話を聞く。マクノルティは、赤いリボンのことや、最近の事件では被害者の身体に「噛み跡」があったことなどを話す。連続殺人の記事は、翌朝の一面を飾った。
激昂したデイヴィスは「他の政治家のスキャンダルをぶちまけてやってもいいんだぞ」と脅すが、キャンベルは「そんなことをすれば二度とボルティモアでは活動できない」と脅し返し。黙って身を引けば、バレルと同様に引退後の生活は安泰、ということでデイヴィスも最後は納得して矛を収める。
オマーはマーロの部下モンクを監視するが、その動きはマーロに逐一報告されていた。
テンプルトンはホームレスにインタビューするため、食事の配給所に向かうが、そこにいるのは殆どが「ワーキングプア層」であってホームレスではない。その後テンプルトンは「本物の」ホームレスにインタビューしようとするが、彼らのほとんどはまともに話ができる状態ではなかった。仕方なく、例によって「橋の下に住む4人家族」の話をでっち上げる。
新聞の一面に載った連続殺人事件は市長の注意を引き、ようやく人員増強が許可されるが、その内容は「刑事2名」の超過手当のみ。マクノルティには、増員としてキーマ・グレッグスが割り当てられるが、監視チームやカメラの使用は不許可。グレッグスは家屋侵入+3名殺害の事件がまだ解決していない。当てが外れたマクノルティは、グレッグスに「超過手当てを使って自分の事件を捜査しろ」と言う。
マーロの携帯番号はカーヴァーからフリーマンに手渡され、フリーマンはその番号を持ってワイヤータップと監視チームの捜査再開をダニエルズに頼み込むが、ない袖は振れないのだった。マクノルティとフリーマンは、マーロの盗聴を行う口実として、幻のシリアルキラーに電話をかけさせることを思いつく。
その後マクノルティは「シリアルキラーがボルティモア・サン紙の記者に電話してきた」と聞かされ、同紙へ向かう。テンプルトンは「シリアルキラーから聞いた話」を報告するが、これは公衆電話から自分で自分の携帯電話に電話してでっち上げた会話であった。ヘインズは「本当かどうかわからない。愉快犯だった場合、公表すれば我々が恥をかく」と慎重な態度を示すが、マクノルティは「同じ地区の公衆電話から殺人課にも電話があり、声の特徴も話の内容もよく似ている」と言い、テンプルトンへの電話が本物であると印象付ける。だが記者の携帯電話やサン紙の電話をモニターすることは拒否される。
フリーマンはMCUのオフィスへ行き、無許可のワイヤータップを不法に設置。マーロの通話を傍受するが、雑音のような機械音が聞こえるだけだった。
オマーは、ブッチーの仲間だったドニーとともにマーロの住居を襲撃。だが、待ち構えていたスヌープたちと銃撃戦になる。ドニーは射殺され、オマーは窓を破ってバルコニーから撤退する。
感想
わははは! テンプルトン、驚いただろうな~。マクノルティとテンプルトンは、お互いの行動をどう思っているのだろう。マクノルティは、テンプルトンがでっち上げ屋だと気づいただろう。テンプルトンの方は、マクノルティが自分の嘘に乗っかってきた目的を、おそらくわかっていないと思う。今さら嘘でしたとも言えないし、誰かに相談もできないよね。さあ、どうする。
テンプルトンは今回もホームレスの取材をでっち上げ。「橋の下に住む4人家族」の話をしていたけど、名前がその直前に出て来た単身者ホームレスと同じだった。もう既に、捏造しないと記事が書けなくなってしまっているんじゃなかろうか。
フリーマンがこっそりワイヤータップを設置したのは良いが、これで得た情報はどう言ってごまかすのだろう。前のシーズンでハークがやったみたいに、架空のインフォーマントをでっち上げるのか?
前市長のロイスさんが久々に登場してクレイ・デイヴィス擁護の演説をしていた。前シーズンではあまりパッとしなかったが、さすがに前市長だけあって演説は上手い。情感に訴えかけてくるような、カルケッティとは違う種類のカリスマ性があるように思った。
一方、ボンド検事の会見は情感よりも理路整然とした、力強いリーダーシップを感じさせる。市議会のキャンベル議長もそうだが、ボンド検事もやはり市長の座を狙っているらしい。結局、カルケッティが知事選出馬に色気を出してしまったせいで、「カルケッティ体制」を確立することよりも「カルケッティ後」の地位争いが皆の最優先事項になってしまい、それが市政を停滞させてしまっているようだ。
バブルスはクリニックで血液検査を行う。結果は陰性だがバブルスは素直に喜べない。大丈夫かな……
— Yoko (yoko221b) 2008-11-13