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Wire in the Blood - Series 2, Episode 1
#4 Still She Cries
- 邦題:「クライング・ドール」(DVD)/「殺人現場の記憶」(CS)
- 脚本:Alan Whiting
- 監督:Andrew Grieve
- 初回放映:2003-12-17 (Israel)
事件概要
心理分析官トニー・ヒルは、大学院生のローラを伴い、殺人犯のマギーを現場へ連れて行く。5年前に殺害した被害者の遺体を掘り出すためだ。だがマギーは場所を思い出せず、遺体捜索は打ち切られる。
一方、キャロル・ジョーダン警部補は、行方不明になったミカ・ヴァン・マーテンの事件を担当していた。その後、ローラの親友のハティ・デイヴィスが同じように行方不明になる。警察署には、切られた毛髪が送られて来ており、ハティの物と一致した。封筒には内側にだけ指紋があった。被害者の指を使い、指紋を並べて「I LOVE YOU」の文字を形作っていたのだ。トニーは、被害者がすでに殺害されていることを確信する。
新聞の個人広告欄に、キャロル宛の「公園の公衆電話へ来い」という広告が載る。キャロルは指定された公衆電話へ行き、電話を取るが無言ですぐに切れる。発信元が別の公衆電話であるとわかり、そこへ行ってみると、手を縛られて目隠しをされた人形と、キャロルが1人でなかったことを非難する手紙があった。その手紙に示された場所には、ハティとミカの遺体が置かれていた。トニーは、犯行の様子やミカの遺体を冷凍庫で保存したことなどから「被害者を支配し所有しようとしたが、殺害する時は背後から襲っている。これは、実は自尊心が低いことを示す」という犯人像を描き出す。犯人は殺害という行為に嫌悪感を持っていたため、警察を巻き込み「キャロルが指示に従わなかったせいでハティは死んだ」というシナリオを作り出したのだ。
その後、キャロルの自宅に犯人と同じ筆跡の封書が送られる。中には「君を見ている。君が魅力的に思えてきた」というメッセージがあった。
トニーはキャロルに協力する傍ら、マギーへの面接も続けていた。マギーは「子どもたちの顔が迫ってくる」と脅え、精神は不安定だった。
親友の死にショックを受けたローラはバーへ1人で行き、そこで出会った若い男に誘いをかけて部屋へ連れ込むが、男は射精しただけで帰ってしまう。ローラはその後トニーの部屋を訪れて強引に迫ろうとするが、トニーは力ずくで拒否。その後、ローラはレイプを訴え、トニーは逮捕されてしまう。
その頃マギーは遺体を埋めた場所をやっと思い出し、クリップで指を傷つけて壁に血で地図を描き、その後に自殺していた。
DNA鑑定の結果が出る。ローラの身体から採取された精液はトニーのものではなかったが、ミカとハティの遺体遺棄現場で採取した精液と一致した。ローラが誘った相手は殺人犯だったのだ。キャロルとトニーはローラの供述から犯人像を絞り込んでいく。犯人は別人格になって被害者を支配し、殺害する時だけ本来の自分になる。射精した後ローラのもとから逃げたのは、ローラが彼にキスしたせいで混乱したためだった。
トニーのプロファイリングから、暴行か詐欺の前科がある可能性が高いと判断され、容疑者リストを作成していると、キャロルのもとへ犯人から電話がかかる。3人目の被害者レイチェルを誘拐したばかりで、キャロルに「ひとりで来い」と言う。キャロル自身が行くことは危険と判断されたため、ドン・メリック刑事がキャロルの車に乗り、キャロルは警察署で犯人の電話に応対する。だが犯人は途中で騙されたことに気づき怒る。犯人の言動が分析と乖離していくことに戸惑うトニー。
DNA分析から、犯人は以前にキャロルが詐欺で逮捕したギャリー・ウェラーと判明。ただちに自宅が捜索され、レイチェルは無事に保護される。トニーは、犯人像が分析の型にはまらないことに悩んでいたが、やがて犯人の本当の狙いが実はキャロルだったことに気づく。急いで警告しようとするが、その時すでにキャロルはトイレでウェラーに襲われていた。トニーから連絡を受けたドンが駆けつけ、ウェラーは逮捕される。
その後、マギーの地図をもとにもう一度遺体の捜索が行われ、今回は無事に発見された。
感想
「ワイヤー・イン・ザ・ブラッド」第2シリーズの1作目。舞台は北イングランドにあるブラッドフィールドという街で、主人公は心理学者トニー・ヒルと警部補のキャロル・ジョーダン。キャロルが事件の捜査責任者で、その下にドン・メリック、ケヴィン・ジェフリーズ、ポーラ・マッキンタイヤという3名の刑事がいる。トニーは普段は大学で教えていて、難事件の時だけキャロルの要請で捜査に加わるようだ。
いきなり第2シリーズから見始めたので、よくわからない点が……マギーは過去の事件で登場した犯人だったのだろうか? 邦題の「クライング・ドール」はウェラーに誘拐された被害者、あるいは彼女たちに擬せられた人形のことだと思うが、原題の “Still She Cries” の she はマギーのことのようにも思える。
遺体の捜索現場に見られるような、雲が低くたれこめる空や荒涼とした大地といった、いかにも英国らしい雰囲気が良かった――気温が低く湿度が高く日照時間が少ない感じ。そして、当たり前だけど皆アクセントがイギリス英語なのだ。最近米ドラばかり見ていたので、このシリーズを見て英ドラの雰囲気も良いな~と思った。
ローラがバーで誘った相手が犯人だったのは、結局偶然そうだったということなのかな? 犯人もバーで次の獲物を物色中だったので、何となく引き合ってしまったのか。あるいは、ハティの親友であったことを知っていた犯人がそれとなく近づいていたのだろうか。
— Yoko (yoko221b) 2008-01-27