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witb:s03:008_redemption

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Wire in the Blood - Series 3, Episode 1

#8 Redemption

  • 邦題:「シークレット・ガーデン」
  • 脚本:Guy Burt
  • 監督:Terry McDonough
  • 初回放映:2005-02-21 (UK)

事件概要

コラン・ライルという10歳の少年の遺体が工場で発見される。地面に座り足を投げ出すというポーズを取らされていた。トニーは、その現場が舞台のように設置され、自分たちが観客の役を割り振られているのではないかと思う。鎮静剤を大量に服用していたため、自殺の可能性もあったが、死後に遺体が動かされていることから殺人と判断される。

だがキャロルは強盗に襲われたうえに車に轢かれて重傷を負ってしまい、捜査の指揮はケヴィンに任される。

コランは死ぬ5日前に、身の回りの物を持って家を出ていた。両親を尋問した様子から、父親が妻子を虐待していたことがわかる。父親の犯行ということで一件落着と思われたが、トニーは遺体の置き方に儀式的な特徴があることから、その判断に疑問を持っていた。トニーはコランの部屋にあった “Denny's Garden” と書かれた絵に注目する。そこには、柵の中で手をつなぐ人々が描かれており、その1枚だけが他の絵と題材を異にしていた。

その後、もうひとりの少年リアム・フレッチャーの遺体が学校の校庭で発見される。遊具の上で、同じようにポーズを取らされていた。トニーはこれらが同じ犯人による連続殺人であること、またコランの事件も初犯でないことを確信する。リアムも家出少年で、母親の恋人から性的虐待を受けていたことがわかる。リアムの姉ジュリーが描いた絵の中にも、やはり柵の中で手をつなぐ人の絵があった。「安全な場所を描いたの」とジュリーは言う。

コランもリアムも家庭内で虐待を受けていたが、トニーは、殺人犯は別にいると判断。連続殺人なので、他にも犠牲者がいるかもしれない。ケヴィンとポーラは家出人の記録を調べ始める。

トニーは、犯人は中年の男性で知的な専門職につき、自分自身もかつて虐待の被害者であり、子どもたちを信頼させて誘い出した――とプロファイリングする。

その後、3人目の被害者ダニエルが発見される。今回の遺棄現場は普通の民家である。その家ではマシューという息子が7年前に家出しおり、ダニエルはマシューの部屋の中に遺棄されたのだ。家に押し入った形跡はない。トニーはそれぞれの現場を再び訪れ、被害者の「視線の先」に人形や腕時計やステッカーが置かれていることに気づく。

他の現場となった工場と現場もそれぞれ、数年前に家を出たまま行方のわからない少年たちに関連のある場所だった。その少年たちも全員虐待の被害者。人形や腕時計はその少年たちの遺品で、マシューの家にも彼が持っていた鍵を使って入ったものと思われた。犯人は昔の事件と新しい事件を関連付けているのだ。

ジュリーとリアムは教会のサークルに通っていた。コランの絵に書かれていた “Denny's Garden” は、そのサークルのWebサイトに設置されたチャットルームの名前だった。コランはジュリーの絵を真似て描いたのだ。トニーは、犯人はここで子どもたちの目星をつけ、信頼させて家出をそそのかしたのではないかと思いつく。ケヴィンは令状を取ってチャットルームをモニターし、犯人が別の少年を家出に誘う会話を目撃する。

古い事件はサイト開設以前なので、被害者は別の方法で探したことになる。キャロルは病室で、古い被害者の自宅が近接していたことに気づく。調べてみると、古い被害者の3人は全員ホームドクターが同じだった。医師はトニーのプロファイリングにも当てはまる。だが、その医師ウィービングは3年前に心臓発作を起し、1年半前に死亡していた。そうこうするうちに、4人目の被害者アレックスが行方不明になる。

トニーは、古い事件の犯人はやはりウィービングで、新しい事件の犯人はウィービングの身近にいて彼を崇拝していた人物――妻であろうと推測。犯行が途切れたのは夫の心臓発作で、夫の死後に「虐待された子どもたちを助けるという義務を引き継ぐ」ために殺人を始めたのであろうと判断する。トニーは被虐待児のふりをしてチャットで犯人を誘い出そうとする。トニーは会話内容から、犯人は教会サークルの関係者であると気づく。人物像に該当する人物として、掃除係のアン・シャンクリーの名前が浮かぶ。だが少年を監禁しているのは、自宅ではなく夫が持っていた秘密の部屋のはず。

トニーは、アンをおびき出すため、ジュリーに協力を頼む。ジュリーはチャットに入り、アレックスのふりをした警官と会話をして「監禁されたアレックスが助けを求めている」という設定で一芝居うつ。ジュリーの様子を見たアンはあわてて監禁場所へ向かい、警察がそれを追跡して隠れ家を発見、アレックスを無事に救出する。同じ室内には、白骨化した少年たちの遺体がベッドに寝かされていた。

事件は無事に解決し、キャロルを襲った犯人も逮捕される。


感想

第3シリーズは、キャロルが強盗に襲われたうえに車に轢かれるという、大変な事態で始まってしまった(結局その事件は、連続殺人とは無関係だったのね)。トニーの方は自宅の天井が落ちてくるという災難に見舞われ、部屋中をシートで覆って配管工事をする傍らで本を読んだり資料を見たり。何だかいろいろ大変な回だった。ケヴィンはキャロルがいない間の臨時ボス。前シリーズで入院したブランドン次長に代わって新しい上司が登場。そしてドンの姿が見当たらない。どこへ行ってしまったのだろう。

家出少年が次々に殺害されるという連続殺人事件。3件の殺人事件に、過去の行方不明者が関係しているという図式が、最初に見た時はわかり難かったように思う。古い方の遺体は、なぜ夫の死後も遺棄されず白骨化するままになっていたのか。虐待されていたから親元に帰さなかったのだろうか。であるなら、古い事件に関連する場所に古い遺品と新しい遺体を置いたのはなぜなのか。そのへんがよくわからなかったかな~。コランとジュリーの関係もはっきりしなかったけれど、結局コランも同じサークルに来ていて、ジュリーの絵を真似して描いたということなのだろうか(マイケルは本当にコランを知らなかった?)。被害者も加害者も通常の2倍いるせいか、何だかややこしいわ。

でも不満だったのはそんなことより、キャロル不足だな! やはりトニーとキャロルのコンビで捜査してもらわなければ。

Yoko (yoko221b) 2008-02-01

witb/s03/008_redemption.txt · Last modified: 2020-04-30 by Yoko