CSI:Cyber S2-6 Gone in 6 Seconds

CSI:Cyber シーズン2 CSI: Cyber

通算19話「ゴースト・レース」
LAで違法なカーレースが行われ、参加していた車が暴走して事故を起こす。暴走したのは盗難車で運転手は乗っていない。ハッキングにより遠隔操作されたものと思われた。

CSI:サイバー シーズン2 DVD-BOX

  • 脚本:Matt Whitney
  • 監督:Allan Arkush
  • 初回放映:2015-11-08

car hacking tool(カーハッキングツール):車載システムに接続し遠隔操作する装置

ロサンゼルスで行われていた違法なカーレースで車が暴走し、付近を走行していた乗用車と正面衝突。乗っていた21歳の若者が死亡する。暴走した車は盗難車で、自動運転の無人カーだった。車に搭載されていたイベントデータレコーダー(EDR)によると人間が乗車した形跡はなく、不正に遠隔操作されたものと思われた。

EDRのデータを分析した結果、無人車はブレーキをかけずに被害者の車に向かって突っ込んで行ったことがわかる。つまり事故ではなく車を使った殺人だ。侵入経路はネットワークではなく、SIMを搭載した装置が車に直接取り付けられていた。操作に使われた携帯電話はプリペイド式で追跡は不可。接続した基地局は1局のみで範囲が広すぎる。

エイヴリーとイライジャは対戦相手だった「ブレイズ」ことカルメン・ロペスを探し出して事情を聞く。無人車のドライバーは「スモークスクリーン」と名乗り、いつも違う車で気まぐれに現れるという。次の試合がいつになるかもわからない。

その後、LA市内で車が暴走し、走行する映像がネットで中継される。犯人はLA市警を相手にカーレースを挑んでいるようだ。車は他の車に激突して停止し、負傷した運転手が救出される。運転手は「制御を乗っ取られて何もできなかった。警察が現れた時にいったん減速し、その後加速して衝突した」と言う。

今回の車にも、カーレースの車と同じ装置が取り付けられていた。接続していた携帯電話の信号が特定され、発信元を辿るとカルメンらのいるギャングの車庫に行き着いた。エイヴリーはその場にいたギャングのマルティネスとカルメンを逮捕。カルメンは組織に潜入して麻薬取引を調べている警官だった。

クラミッツは車載コンピュータを分析して異常を検知した時間を割り出し、カーナビの履歴と突き合わせて、デバイスを仕込まれた場所が「スタジオシティ洗車場」であると特定する。

洗車場へ向かうと、掃除機係のケヴィンという従業員が、彼らの到着と同時に急いで現場を離れたことがわかる。ケヴィンが車椅子を使っていることから、エイヴリーは「障がいを負った原因はおそらくレースだが、レースの興奮を忘れられず、代わりにサイバー空間を見出したのだろう」と分析し、「スモークスクリーンをレースにおびき出してデバイスに侵入する」という計画を思いつく。警戒させないため、前回対戦したカルメンに協力を要請。カルメンは、マルティネスのPCから得た暗号化データの解読を条件に協力を引き受ける。

レースの開催が決まり、スモークスクリーンの無人車が現れるが、対戦相手のブレイズの姿がない。ネルソンは代わりに自分の車をカーハッキング・ツールで動かすことにする。クラミッツが本部から遠隔操作を担当。

本部のラッセルはデータベースと照合してケヴィンの車を捜索。現場のエイヴリーのチームはスモークスクリーンの車を操縦する携帯の信号を探し出す。だが番号を割り出すことができず、レース開始が目前に迫っているため、ネルソンが直接車に乗り込んでSIMを捜索することになる。だがSIMを見つける前にネルソンを乗せたままレースが始まってしまった。

ネルソンを乗せたまま車は暴走するが、遠隔操作がSIMではなくカーナビへの侵入とわかったため、ネルソンは機器をショートさせて通信を切り、車を停止させる。

ケヴィン・ケインの身元が特定され、携帯番号から現在の居場所が判明し、ケヴィンは逮捕される。彼が怪我をしたのがマルティネスとの勝負だったため、その恨みから罪を着せようとしたのだ。

イライジャはカルメンと連絡がつかないためギャングの車庫へ向かい、トランクに押し込められていたカルメンを発見。そこに現れたマルティネスを2人で制圧し、イライジャは解読したデータを渡す。取引データや資金洗浄の口座情報などが入っていた。


自動運転を使ったカーレース。詳細がどの程度現実的かはともかく、派手なアクションとチームワークという要素がバランス良く、面白いエピソードに仕上がっていたと思う。本部にいるラッセルチームがケヴィンの車を捜索するのと並行して、現場にいるエイヴリーチームが携帯の信号を探す場面の雰囲気がすごく良かった。

FBI長官が登場し、エイヴリーを正式に副長官に決めたと告げる。エイヴリーは「まだ現場の仕事をしたいから」と断っていたが、「現場の仕事をしたければしても良い」という条件をのむという。上記のようなチームワークを目にしたら、エイヴリーを現場に残したくなるだろう――というのはわかるのだが、副長官ともなると現場仕事だけでは済まないはず。今後は組織管理みたいな仕事も増えてくるのだろうか。

事件とは関係なかったが、ラッセルが「ボールペンのバネが全部抜かれている」と言う場面が繰り返し出てきて、何だろうと思っていたらアーティが再登場。クラミッツが「ボールペンなんて誰も使わない(ラッセル以外)」からと、バネを抜き取って戦闘ロボットの部品に使っていた。ラストはロボット遊びに興じるメガネ親父3人。いやクラミッツはまだ二十代だっけ。楽しそうな場面で幕切れになった。

アーティはまた再登場があるのだろうか。セキュリティコンサルタントか何か始めて、アドバイザーで登場して欲しい。FBIに来る時のIDはあの写真で。


使用楽曲

  • Who Wanna Play (feat. Que) by Low Pros, Que(「スモークスクリーン」の車が到着)
  • Badman by Autoerotique, Max Styler(DTLA橋でのドラッグレース)
  • Out the Trunk (feat. Busta Rhymes) by Fashawn
  • Sinner Takes All by Greatdayforup(車の制御を奪われる)
  • Hi Jack by Dullah Beatz(ガレージでロボバトルに興じる)

2025-05-20

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