Law & Order:UK S3-4 Tick Tock

Law & Order UK シーズン3 Law & Order: UK

通算30話「浅はかな企み」
男女2人組の強盗が銃を持ってクラブを襲い、複数の死傷者を出したうえ店長を誘拐して逃走する。2人組はその後、酒店でも事件を起こす。2人とも仮面を着けており人相はわからなかった。

Law & Order:UK シーズン3(字幕版)
Law & Order:UK シーズン3(吹替版)

  • 脚本:Richard Stokes
  • 原案:Ed Zuckerman, Morgan Gendel
  • 監督:Mark Everest
  • 初回放映:2011-07-31

Crown v. Joanne Vickery

男女2人組の強盗が銃を持ってクラブを襲い、複数の死傷者を出したうえ、店長のヘレン・シェーンを誘拐し彼女の車で逃走。2人組はその後、酒店でも強盗事件を起こしていた。

目撃証言と防犯カメラ映像によると、男はブレア、女はサッチャーの仮面を着けており人相は不明。クラブのオーナーに話を聞くと、2人組はレジを締めるタイミングを狙って襲撃したようだった。

ヘレンの車が発見される。刑事たちは乗っていた犯人が戻って来るか様子を見ようとするが、マスコミがが集まってきたため車を調べることにする。トランクにはヘレンの遺体が乗せられていた。

警察に「マギー」と名乗る女性から電話がかかりブルックスが応対するが彼女は「彼が来た」と言って電話を切ってしまう。

その後、男性の身元は元軍人でDVなどの前歴を持つアンディ・ビショップと判明。弟からの情報で現住所をつかんで現地に急行すると、アンディは仲間の女性とともに店で買い物中だった。そこへTV局のクルーが現れ「緊急生中継」を始めたため、アンディは武装警官に気づいて銃を出す。ブルックスは何とか投降させようとするが、女性の方がアンディを背後から射殺してしまう。

撃った女性ジョアン・ヴィッカリーは、自分はアンディに誘拐され、無理矢理同行させられた被害者であると主張するが、ソーンは強盗事件での被害者4名とアンディ・ビショップの合計5名の謀殺で起訴する。

ジョアンは「警告のため『マギー』と名乗って警察に電話を架けたと主張する。だが「マギー」から警察への電話はニュースを見た者からの悪戯も含めて何件も架けられており、ブルックスが受けた電話がジョアン本人のものであると厳密に証明することはできず、証拠は不採用となる。

公判で、弁護人はアンディの弟を尋問し、アンディがいかに暴力的であるかを印象付けていく。

フィリップスは最初の現場になったクラブで話を聞き、数年前にジョアンが年齢を偽って働いていたことがあると知る。ソーンが尋問で「ナパーム」の名前を出すと、ジョアンは普通に受け答えをする。ナパームの本名は「ネイサン・パーマー」で、法廷でもこれまで「パーマー氏」としか呼んでいなかった。ジョアンは「ナパーム」が誰であるかをなぜ知っているのか。

ジョアンはクラブで働いていた当時、ナパームと交際していた。しかしその後は冷たく捨てられてしまい、年齢詐称を店長にバラすと脅された。アンディは自分がジョアンの「最初の男」だと思っていたが実はそうではない。彼女はナパームのことをアンディに告げ、アンディが怒ってクラブを襲撃すれば、両方の男に意趣返しをすることができると思ったのだ。自分の話にアンディがどう反応するか、彼女にはよくわかっていた。

弁護人は故殺での取引を申し出るが検察は拒絶。ジョアンには有罪の評決が下される。


本家の元エピソードはシーズン6の「洗脳」ということで、これで3話連続シーズン6からの採用となっている。全体の流れは同じだが、細かいところが少しずつ違っていて面白い。マーガレット・サッチャーの仮面を着けていた女性が「マギー」と名乗るところが「なるほど」という感じ。こういう細かい部分での整合性がドラマの面白さを増していると思う。

2011年の放映時、英国の首相はデイヴィッド・キャメロンで、目撃証言は「男の方はブレアかキャメロン」と言われていたが、あのマスクはブレアだと思う。今確認すると、ブレアとキャメロンの間に労働党のゴードン・ブラウン内閣があった。キャメロンの時にBrexitがあって首相がテリーザ・メイに変わり、その後ボリス・ジョンソンになり、リズ・トラスになり(短期間だったが国王がチャールズ3世になるという歴史的な出来事があった)、リシ・スナクになり、そして2025年現在は久しぶりに労働党のキア・スターマー内閣になっている。英国もいろいろあったね……。

バーテンダーのあだ名を知っていたことでジョアンの正体がばれてしまう経緯も少し違っていて、これは本家の方がマッコイの注意力をアピールしていて良かった気がする。

ジョアンは、酒場ではちゃんと銃を構えることもできていなかったのに、アンディを背後から撃った時は反動で怪我をすることもなく発砲していたので、最初のあれは演技だったのだろうか。

ソーンは今回負ければ地位が危ないとシャープから忠告を受けていたが、そうなの?とちょっと驚く。今シーズンから登場のソーン、今まで順調に勝ち続けてきたと思うのだけど。まぁ前回はあやうく冤罪を作るところだったが、刑を言い渡す前に真相を解明できたし……。ともあれ今回も有罪評決だったので、ひとまず安泰?

弁護人はシーズン1「娼婦の素顔」「アリーシャ」に続いて3度目の出演。後者はアリーシャ・フィリップス自身が被害者になるというエピソードだったので、もろに敵対関係だったわけだが、今回そのような因縁は感じさせなかった(脚本の時点では配役が決まっていなかっただけかもしれないけど)。

ソーンの台詞で言及された人名は「ムーアズ殺人事件」のマイラ・ヒンドリーと「ソーハム殺人事件」のマキシン・アン・カーと思われる。マイラ・ヒンドリーの名前はWire in the Bloodのシーズン6「From the Defeated」でも言及されており、エドワード・ゴーリーの絵本『おぞましい二人』のモデルになっている。

2025-08-06

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