通算32話「未来への選択」
アパートの一室で眠っていた女性が射殺される。寝室は施錠されており、室内に銃は見つからず、夫は病気で銃を撃つことはできそうにない。弾道と傷の浅さから、向いの建物から撃った流れ弾が当たったのではないかと思われた。
Law & Order:UK シーズン3(字幕版)
Law & Order:UK シーズン3(吹替版)
- 脚本:Emilia di Girolamo
- 原案:René Balcer, Elaine Loeser
- 監督:Andy Goddard
- 初回放映:2011-08-14
Crown v. Mark Ellis
アパートの一室で、夫(内縁)の隣で眠っていた女性が射殺される。だが寝室は施錠されており、室内に銃も見つからない。夫は多発性硬化症を患い銃を撃てるような状態ではなかった。その後、事件当時は窓が開いていたことがわかり、向いの建物から撃った流れ弾が当たったものと考えられた。
使用された銃は陸上競技用のピストルを改造したもので、ギャングなどの間でよく使用されていた。銃を撃った現場で聞き込みをしてみると、ケイデンとチェイスという2人の少年がいたことがわかる。
ケイデンは関与を否定するが、チェイスに事情を聞いたところ、TKCというギャング団のマーク・エリスという男の下で働いていたことを認める。チェイスがギャングから抜けようとしたため、ケイデンはエリスから「銃で始末しろ」と命じられた。ケイデンは銃を撃つが、1発目はそれて向かい側のアパートへ飛んで行った。2発目は弾が詰まって撃つことができなかった。
チェイスの証言があればケイデンを起訴することはできるが、親玉のエリスが野放しでは意味がない。銃を渡して命じたのはエリスだが、12歳の少年の伝聞証拠で起訴するのは困難。
刑事たちは囮捜査官を使ってアジトを急襲し、エリスを逮捕し、監禁されていたケイデンを保護する。だがエリスはいっさいの関与を否定し、ケイデンも口を閉ざす。子どもが犯罪に利用されている状況にデヴリンは怒りを隠さない。首席検事は、エリスに対して証言することと引き換えに謀殺未遂を取り下げることを許可するが、ケイデンはエリスを恐れて証言しようとしない。
その後、チェイスの供述から、ケイデンがコカインを摂取したショックで病院に運ばれたことがあるとわかる。医師は社会福祉局に連絡していたが、職員が到着する前に「おじ」が来てケイデンを連れ帰ったことがわかる。人相がエリスと一致するため、誘拐罪を適用しようとするが、エリスは「母親から保護者に指定されている」と主張。ケイデンの母親シャノンは麻薬の常習者で、麻薬代の借金と引き換えにケイデンにエリスの下働きをさせていたのだ。
検察はシャノンを呼んで証言するよう要請するが、シャノンは「ケイデンがどこに収監されようが私には関係ない」と突っぱねる。その様子を見たケイデンは取引に応じ、チェイス殺害を命じられたことを法廷でモニターごしに証言。エリスには有罪の評決が下される。
ケイデンは家庭裁判所に送られることになり、デブリンとフィリップスがケイデンを送って行こうとするが、その時不審車が近づきケイデンらに向けて発砲。ケイデンをかばったデヴリンが被弾する――。
本家の元エピソードは、またしてもシーズン6の「かばう少年」で、ストーリーの流れはかなり似通っているが、最後に衝撃の展開が!デヴリンが撃たれ、生死不明のままで次回に続く。
米国の放映では、この話はシーズン3の中間地点で翌月には第7話が放送されるのだが、英国版はここでクリフハンガってシリーズ5が終了。次の話が放送されるのは半年近く先ということになった。だがデヴリン役のジェイミー・バンバーが降板することはもう発表されていたと思う。ということは……。
ま、それは仕方ないか!
さて今回の話。住人が部屋で寝ている間に殺され、実は別人が標的で巻き添えになっただけだった――という冒頭の展開が前回と似すぎていて、一瞬「あれ?」と思った。郊外の一戸建てと治安の悪い地域の団地という違いがあるので、両者を対比させたかったのかもしれないが、だとしてもそれが成功したとは言い難い。
2025-08-21