通算33話「残された者」
被告少年の護送中に銃撃があり、警官2名が死傷する。事件はサム・ケイシーが担当し、現場にいたブルックス刑事は休暇を取るよう命じられる。ブルックスは「自分は容疑者について背景知識がある」からと、強引に捜査に加わろうとするが……。
Law & Order:UK シーズン3(字幕版)
Law & Order:UK シーズン3(吹替版)
- 脚本:Emilia di Girolamo
- 原案:Aaron Zelman
- 監督:Andy Goddard
- 初回放映:2011-09-28
Crown v. Jamal Clarkson
マット・デヴリンは、ケイデン・ブレイクを家庭裁判所へ護送する途中で銃撃され命を落とす。ケイデンはマーク・エリスに対して不利な証言を行い、エリスに有罪の評決が下されたばかりだった。
警部補のチャンドラーはロニー・ブルックスに休暇を取るよう言い渡し、事件はサム・ケイシーが担当することになった。だがブルックスはマーク・エリスが背後にいることを確信し、ケイシーより先にエリスに面会して事情を聞くなどする。
犯行に使われた車が発見される。持ち主の女性は駐車禁止でレッカー移動されたと思っていたが、罰金が払えないので確認していなかったという。女性にジャマールという大学生の息子がいることがわかり、会いに行くと彼はいきなり逃げ出す。
ジャマールは連行されるが、取調べ中も敵対的な態度を崩さない。7年前にジャマールの兄が殺されたが警察は何もしない、被害者が白人の時だけ捜査をするのだと言い、銃撃したことを認める。
ジャマールの兄キーロンは頭を銃で撃たれて死亡しており、記録では「自殺」として処理されていた。目撃者は当時未成年だったため「目撃者A」と匿名で記載されていたが、確認するとその目撃者はマーク・エリスだった。だがエリスはその後「キーロンを撃った」と自慢げに言いふらしており、警察もそれを知っていたのに無視した。ジャマールは復讐のためにエリスを狙ったが、裁判所に着いた時にはエリスはすでに移送されており、その代わりに復讐の相手として警官を撃ったのだった。
キーロン事件の記録を確認したところ、検死報告書が概要のみで報告書本体が見つからず、自殺であるという確証がない。頭蓋骨を調べればわかるということで棺を掘り返すが、遺体は入っていなかった。葬儀場の所有者は、5年前に解剖用の遺体を密かに売りさばいて立件されていた。
キーロンの事件を担当した検死医が証言台に立ち、事件は自殺だったと証言する。だが彼女は重要な要素を意図的に省いており、検事はそのために証言の信頼性が揺らぎ事件全体に影響が及ぶことを危惧する。兄の事件が雑に処理されていたことで、陪審員はジャマールに同情するだろう。
ブルックスはジャマールの母親を通じて説得する。ジャマールは自ら証言台に立ち、犯行を認める。
前回エピソードの最後で銃撃されたデヴリンは、やはり助からず現場で死亡したことがわかる。今回本家の元エピソードはシーズン13の「灰色の真相」とのこと。つまり前回の「かばう少年」とはまったく無関係のエピソードを、ラストの銃撃でつないだ形になった。
「灰色の真相」の方は未見なので、どの程度忠実に作られているかはわからないが、マーク・エリスの再登場など、キャラクターを上手く使っているなと思った。
本家エピソードとしては、ブルックスが暴走していることもあって、シーズン2の「自白の行方」の方を重ねて見てしまった。しかし、まだ若かったローガンはともかく、ブルックスほどのベテラン刑事の行動としてはどうなのだろう。黙っていられないのはわかるが、せめてもう少し、見つからないようにしてほしい。自分の行動が公判にどう影響するか、知らないはずがないのだから。
だがブルックスが断酒会で辛い心境を語る場面やジャマールの母親を説得する場面は、抑制的な台詞回しがすごく良かった。そのぶん弁護側の印象がイマイチになってしまったが(せっかくコリン・サーモンだったのに)。
なので、最後にブルックスがグラスを目の前にしている時も「彼は絶対飲まない」という確信があった。案の定、サムが来てくれて良かった。デヴリンがあんな形で退場したのは悲しかったが、次回からはサムとの良いコンビを見せてくれそうだ。
2025-09-14