通算42話「任務と人情の間で」
ホテルの一室で宿泊客が射殺される。ロンドンへ来た目的は車の取引のようだが、婚約者には「潜入捜査中の警官」と名乗っていた。だが調べてみると、その話は大嘘であったことがわかる。
Law & Order:UK シーズン4(字幕版)
Law & Order:UK シーズン4(吹替版)
- 脚本:Nick Hicks-Beach
- 原案:Ed Zuckerman, I.C. Rapoport
- 監督:Jill Robertson
- 初回放映:2013-07-28
Crown v. Philip Donovan
ホテルの一室で宿泊客のマイケル・トレントが射殺される。別の客は銃声を聞き、廊下では緑色の服を着た男が目撃されていた。
トレントの携帯電話に着信があり、会うはずだったコペッキー兄弟が事情を知らずにやって来る。2人は暴行や盗品売買などの前歴があり、トレントに車を売る予定だったらしい。現金取引だが、部屋には該当する現金はなかった。
トレントの口座を調べた結果、共同口座の名義人としてサウサンプトンに住むレベッカ・ブライソンの存在が判明。彼女はトレントに会うためにロンドンへ向かっており、婚約者としてトレントの身元を確認する。
トレントはレベッカに対して「潜入捜査中の警官」と名乗り、共同口座か大金を引き出して情報提供者に報酬を支払ったこともあるというが、すべて虚偽。
レベッカからトレントの本名「ギャリー・タリー」が判明し、調べてみると元妻のリンゼイ・ドノヴァンから養育費の未払いで訴えられていたことがわかる。タリーは離婚と同時に口座の金を持ち逃げし、養育費庁からも巧みに逃げ回っており、リンゼイは白血病の息子ジョーを抱えて苦労していた。
タリーが1万ポンドを渡したのは養育費庁の執行官で、実は買収だった。執行官はタリーと接触したことを認め、連絡先の情報はリンゼイの父親フィリップ・ドノヴァンから得たと言う。
フィリップはクリーニング店に勤務し、洗濯物を回収して運ぶ仕事をしていた。調べてみると、事件当日に現場のホテル付近を走行しており、また制服も目撃情報に一致する緑色だった。自宅からはタリーが持っていたと思しき現金が発見される。
フィリップは犯行を否定するが、車を調べると、中から拳銃が発見される。犯行に使われた銃と判明し、指紋も検出される。すると弁護人は主張を変え「タリーが最初に銃を出し、もみ合いになった」と正当防衛を主張する。銃の許可証は確かにタリーのものだった。
タリーが暴力的な夫だったこともわかり、シャープは故殺での取り引きを指示。また、タリーが移植適合の試験を受ける予定だったこともわかった。他の家族は誰も適合せず、タリーが最後の望みだったので、ドノヴァン父娘には殺害の動機がない。
検察側は故殺での取り引きにいったんは応じるが、フィリップが口にした「ピーシューター」という言葉とジョーとの会話から、フィリップ自身が拳銃を持っていたことがわかり、バーカーは法廷で「謀殺で起訴を進める」と宣言。
すると弁護側は再び主張を変え、拳銃は娘からフィリップの手に渡り、護身用として持っていたが、タリーが銃を奪って争いになったと言い出す。
そこでさらに背景事情を調べてみると、コペッキーとの取引を仲介してタリーをおびき出したのは養育費庁の執行官で、その話を持ちかけたのはフィリップ・ドノヴァンだという。
証拠を突きつけられ、フィリップは犯行を認める。リンゼイが持っていた医療記録から、タリーが不適合であることはわかっていたので、かわりに金を奪おうとしたのだ。
フィリップが謀殺を認めて一件落着かと思われたが、バーカーは「リンゼイが持っていた医療記録」を気にする。過去の医療記録から移植の適合を判断することはできない。記録で判明したのは、タリーがジョーの実父ではないことだった。タリーが移植適合のテストを受けると言った時、親子でないことがわかれば養育費の請求が無効になってしまうことを恐れたのだった。
本家の元エピソードはシーズン7「温情」で、ストーリーの流れはほぼ同じだった。だが、本家ではラストでアリーン(こちらのリンゼイ)を逮捕せず「いつかは」と言って未決事件に入れるのだが、こちらではリンゼイ宅に刑事たちがやって来るところで終わっていた。その後は描写されていないが、おそらく逮捕されたのだろう。その違いが邦題に表れているように思う。
CSA(養育費庁)はChild Support Agencyの略で、1991年に設立されたが、Wikipediaによると2008年には廃止されてChild Maintenance and Enforcement Commission (CMEC)に変わり、さらに2012年にはChild Maintenance Service (CMS)に変わっているとのこと。これは2013年放送なのでCMSのはずだが情報が古い?
2025-11-07
