通算50話「慣習」
エジプト出身の女性が高架橋の下で死亡しているところが発見される。飛び降り自殺かと思われたが、死後に投げ落とされたものと判明。死亡する直前、エジプトから来た医師と面会していた。ブルックスは医師の所持品を見て驚く。
Law & Order:UK シーズン5(字幕版)
Law & Order:UK シーズン5(吹替版)
- 脚本:Jamie Crichton
- 原案:Kathy McCormick, Richard Sweren
- 監督:Joss Agnew
- 初回放映:2014-04-09
Crown v. Safia Mahmoud
エジプト出身の女性ランヤ・ハビブの遺体が高架橋の下で発見される。状況から自殺が考えられたが、遺体の状況や自宅を調べた結果、階段から転落して死亡した後に橋から落とされたことが判明。ランヤは夫と死別し、息子タリクはロンドン在住で妻サフィアと幼い娘ライラがいる。
ランヤは死亡する数日前に、エジプトからやって来た医師ヤフェ・エルサイドを出迎え、彼に6000ポンドを支払っていた。ブルックスはエルサイドの外出中にホテルの部屋を調べ、爆弾の製造に使用できる複数の薬品を発見する。渡航歴の多さなどと併せ、ブルックスはテロを警戒して対応チームを要請する。
エルサイドが訪れていたタワーブリッジは封鎖され観光客は全員避難。エルサイドもその場で逮捕されるが、テロではなく薬は自分で使っていた治療薬であると説明する。
その後、事件当日にサフィアが車を使っていたことがわかり、サフィアはランヤ殺害容疑で逮捕される。
サフィアは動機に関して口を閉ざしていたが、背景を調べてみると、エルサイドは何度も英国を訪れてFGM(女性器切除)手術を行っていたらしいとわかる。FGMはアフリカなどで古くから行われている慣習であるが、女児に苦痛を与え、感染症や後遺症の危険も指摘されており、現在では虐待として廃絶の動きが強まっている。英国ではもちろん違法。
ソーンは謀殺で起訴を進めるが、バーカーは動機を重視して故殺の方が適切ではないかと悩む。バーカーは密かに弁護人とサフィアに面会し、FGMを阻止することが動機だったと認めさせる。ソーンは怒るが、バーカーは事件の担当を外れてホーキンスとともにFGMの件を引き続き調査する。
公判が始まり、サフィアは証言台でFGMがいかに危険であるかを証言する。その内容が詳細で具体的であることから、ソーンはサフィア自身が手術を受けていたことを知る。だが傍聴していたタリクの妹が突然激昂してサフィアを非難。サフィアも怒鳴り返し法廷は混乱に陥る。ソーンはバーカーが正しかったことを認め、故殺が適当と思い直す。
最終的に、サフィアは故殺を認め、4年(実質2年)の実刑判決を受ける。エルサイドはすでに出国していたが、今までの渡航歴から被害者の身元を知ることができた。被害者らは手術について語りたがらなかったが、うち1名が児童虐待防止協会に訴え、エルサイドは再度入国した所を逮捕される。
本家の元エピソードはシーズン8の「儀式」で、これは視聴したけれどエピガイはまだ未作成。というわけで細部までは覚えていないけれど大筋は同じだったと思う。幼い娘にFGMを受けさせるのを何としても阻止したい母親。彼女自身もかつてFGMを受け、その後遺症に苦しんでいた。
題材が題材だけに、今回はバーカーに共感。ソーンの態度は少し頑なすぎるのではないかと思った。
サフィアが義妹と怒鳴り合った場面、「同じことがあればまた殺してやる」と言っていたので、「殺意があった=謀殺」の証拠としてサフィアに不利になるのではと思ったが、これは逆に作用したようだ――つまり、父親であるタリクは安全が確認されるまで親権を停止される。
タリクの妹はFGMが女性の貞節に有効だと信じている様子だが、彼女もランヤの娘なのだから切除は受けていると思うのだが、信じ切っている様子が何だか怖かった。幼少期に切除を受けた場合、成人する頃は記憶していないというケースもあるようだ。
FGMについて詳しくは、以下を参照↓

1日も早く根絶したい。
2025-12-23
