通算51話「責任の所在」
ホテルの一室でベッドが血まみれになっているのが発見され、警察に通報される。その部屋は若いカップルが使用し、女性が出産したらしいとわかるが、新生児の行方がわからない。
Law & Order:UK シーズン5(字幕版)
Law & Order:UK シーズン5(吹替版)
- 脚本:Louise Ironside
- 原案:David Shore, René Balcer
- 監督:Joss Agnew
- 初回放映:2014-04-16
Crown v. Georgia Hutton and Rufus Barton
ホテルの一室でベッドが血まみれになっているのを清掃員が発見し、警察に通報される。部屋を借りたカードの主で造園業を営むチャールズ・ハットンは「心当たりがない。カードを盗まれたのだろう」と言うが、その後の調べでハットンの娘で高校生のジョージア・ハットンがボーイフレンドのルーファス・バートンとともに部屋にいたことがわかる。部屋のマットレスからは羊水が検出され、ジョージアはその部屋で出産したものと考えられた。
ジョージアはルーファスとともに友人のパーティへ行き、その後ホテルで性交渉をした後に出血して流産したことを認める。おそらく妊娠2~3ヶ月だったが、その時まで妊娠には気づかず、排出された組織はトイレに流した――レイトンはそこまで聞いた段階で「事件性なし」と判断し、ジョージアを帰宅させる。しかし衣服に付着していた胎便などの証拠から、胎児は少なくとも7ヶ月で生きて出産されたことがわかり、ジョージアは新生児殺害、ルーファスはそのほう助で起訴される。
公判でルーファスは、ホテルでジョージアが出産したことを認め「赤ん坊をバスローブにくるんで、そのままホテルの部屋に置いて帰った。誰かが見つけて引き取ってくれたのだ」と証言する。
ブルックスとホーキンスはホテル、自宅、親の職場などあらゆる場所を探すが、赤ん坊の遺体は見つからない。ようやくハットンが手がけた記念庭園で赤ん坊の遺体を発見。ホテルのバスローブにくるまれ、そのポケットには陣痛誘発剤と注射器のキャップが入っていた。ソーンは訴因を新生児殺害から謀殺罪に変更する。
弁護側は「陪審員に偏見を抱かせる」証拠として、薬瓶とキャップの証拠排除を要求。指紋などは検出されおらず、他の客が持っていた可能性を否定できないというのだ。てするが、判事は弁護側の主張を認めて証拠を排除する。
ジョージアはホテルを出た後、自宅に戻って父親に助けを求めたと言う。父親は取調べに応じ「赤ん坊はすでに死亡していたので庭園に埋葬した」と主張。だがブルックスらは時系列を不審に思い「2人は出産した後またパーティに戻り、赤ん坊が死んだと判断される時間を置いてから父親に連絡したのではないか」と疑う。結局ハットンは証言を拒否。自分の証言で娘が不利になることを恐れたのだろう。
ジョージアとルーファスには無罪の評決が下され、ハットンは2ヶ月の実刑を受ける。
本家の元エピソードはシーズン8「否認」で、視聴はしているもののエピガイはまだ作成していない。大筋では同じ展開になっていたが、本家が大学生だったのに対してこちらは高校生なので、カップルの「幼さ」が印象に残った。特にルーファスが「赤ん坊は誰かに引き取ってもらえた」と口にした時、そんなわけあるか!と思いつつも、彼は本当に信じたのかなと思わされた。ただし、その後の時系列検証を見ると、その可能性は低そうだが……。
本家では男の方が医学生だったが、こちらでは陣痛誘発剤をどこから手に入れたのだろう。
両家の子女として生まれ、両親の期待に背かない「良い子」でいなければならず、そのために妊娠のことを言えなかった――という事情は、本家よりこちらで強く感じた気がする。そこはやはり、階級格差が色濃く残る英国的な雰囲気があったと思う。冒頭の小芝居(間違えたふりをして濡れ場に突入)も、UK版の方がインパクト大。
レイトンは当初、ちょっと強引なまでにジョージアたちに同情的な気がしたが、これは相手が「上流階級」だったからなのか、それとも個人的な事情があったのか(レイトンがロンドンに異動してきたのは不妊治療のためという説明があった気がする)。
それにしても、昨日更新したWithout a Traceのエピソードでも十代で妊娠した失踪者が登場しており、偶然にも似たモチーフが続くことになった。
2025-12-25
