通算21話
手足を切断され、スーツケースに入れられた若い女性の遺体が発見される。遺棄現場の状況から他にも被害者がいる可能性が考えられた。トニーは隣人からハラスメントの苦情を申し立てられる。
Wire In The Blood – Series 6(英国版 リージョン2 PAL信号)
- 脚本:Niall Leonard
- 監督:Peter Hoar
- 初回放映:2008-09-12
両脚と左腕を切り落とされ、スーツケースに入れられて焼かれた女性の遺体が郊外の荒地で発見される。特殊任務についたケヴィンの代わりに、アレックスの下にはクリス・コリンズが一時的に配属され捜査が始まる。身元は24歳のクルド人ゴヴィダ・ウメドと判明。4週間前に捜索願が出されていた。
父親は結婚に関してゴヴィダと争い、ファイサルという男を雇って殺させたと言うが詳細は話さない。隣人からハラスメントの苦情を受けているトニーが現れ、尋問の様子を見て「彼は犯人ではない」と確信する。ファイサルも架空の人物だろう。
ゴヴィダの父親は、娘が着飾って金のために毎晩違う男と寝ていたことを認める。ファイサルという作り話をしたのは、娘の名誉を守るためだった。だがゴヴィダは金に困っていたわけではない。
スーツケース等の状況から、他にも被害者がいると見て水底をさらったところ、手足を切断された複数の男女の遺体が発見される。ゴヴィダと同じように絞殺され、両足と左腕が切断されていた。犯人は四肢切断に慣れているが医療のプロではない。歯は残っていたので歯型で身元を確認できる可能性があったが、一人だけ歯をすべて除去され、両腕を切られていた男性の被害者がいた。
発見された被害者は、ブリジット・ライアン49歳店員、ジミー・ケース15歳、身元不明の30代白人男性。この身元不明男性が約1年前に沈められた最初の被害者で、次がブリジット、その次がジミーで、2か月おきに一人ずつ殺されていたことになる。
ブリジットはうつ状態で、認知行動療法や神経言語プログラミングなどの治療を受けていた。ジミーは薬物に手を出して停学。被害者たちには、社会的に孤立しており、姿を消しても気づかれにくいという共通点があった。
ゴヴィダは失踪してから3週間程度は生存しており、胃の内容物から死ぬ前に中東風の食事をさせられていたことがわかる。首と上腕と太ももにはロープが巻かれていたが、束縛というより止血を思わせる――つまり、生きたまま手足を切断されていた可能性があった。
残されていたグッズから「エレクトラ」と名乗る女性が経営する高級SMクラブの存在が浮上。ゴヴィダは「シェヘラザード」という名前で店に通っていた。店で働いていたわけではないが、客の誰かに金をもらってSMプレイをしていた可能性があった。アレックスは、客の中にジミーが通っていた学校の校長を見かけて驚くが、校長はプロファイルに当てはまらず、アリバイも確認される。
胃の内容物は、身元不明男性は分析不能。ジミーはカリブ料理、ブリジットは大量のウィスキーを飲まされていたが、ジミーの好物はピザで、ブリジットは酒を飲まない。犯人は被害者を苦しめ、辱めることを好むサディストではないか。
学校教師のコレット・ヴォーンが行方不明になる。コレットには暴力的な元夫がおり、現在は恋人がいるらしいが、同僚たちは何も知らなかった。「恋人」は実はコリンズだったが、コリンズはそのことを隠す。コレットは「社会的に孤立し性的にアクティブ」という点でゴヴィダと類似点があった。コレットの元夫が怪しい、となったところでコリンズのもとへ不審な封筒が届けられる。切断された左手の薬指が入っていた。アレックスはコリンズが恋人だったことを知り叱責し、捜査から外す。
コレットの元夫オリヴァー・ヴォーンはプラスチック成形でマネキンを作る仕事をしており、「彫刻家のミケランジェロ」と名乗りエレクトラの店に出入りしていた。四肢切断者を愛好していたという。材料の仕入れルートからヴォーンの作業場が判明し、行ってみると冷凍庫の中に切断された手足が大量に保管されていた。年齢・性別・人種は様々。
見つかった手の指紋が、危険運転の前歴があるサリー・マーティンと一致。記録されていた自宅を訪れると、そこにいたのは片方の腕を切断したサリー・マーティン本人だった。ヴォーンは看護師を通じて手足パーツをひそかに手に入れていたが、殺人犯ではなかった。
トニーは被害者の胃の中にあったスパイスやウィスキーが、被害者のための食事ではなく肉の味を良くするためのものであると気づく。被害者を何週間も生かしておいたのは、食事を与えて太らせ、手足を切断して食べるためだったのだ。
コレットの切断された指を調べた結果、切断された時点でコレットは死亡していたことがわかる。抵抗されて殺してしまったのだろう。計画を邪魔された犯人は怒り、その怒りをぶつける相手を探しているはず――アレックスはコリンズに連絡を取ろうとするがつかまらない。犯人に拉致されていた。
トニーは「被害者からプライバシーや性癖を聞き出せる人間は誰か」を考え、ブリジットが治療を受けていた精神科医のロジャー・ブライアントを訪ねる。被害者のうち唯一身元不明だった男性が実は本物のロジャー・ブライアントで、彼は殺した相手に成りすましていたのだろう――と言ったところで「ブライアント」がトニーを絞め殺そうとするが、アレックスらが踏み込んでトニーを助け、監禁されていたコリンズを救出する。だがコレットはやはり死亡していた。
カニバリズム(人肉食)エピソードはシリーズ初だと思う。米国ドラマの「ハンニバル」やCSIの「美味しいヒト」の5~6年前に、このエピソードがすでにTVドラマになっていた。
今回はケヴィンがお休みで、クリス・コリンズ刑事が一時的にチームに入っていた。こういう「臨時雇い」さんが来た時は犯人か被害者になることが多いんだよな……と、シリーズ4の「VOICE ボイス」を思い出した。
で、最初に登場した時はいきなり手錠プレイで行為に及んでいたので、これは犯人か……と思ったら被害者だった。トニーが襲われることと合わせて第1話を思い出させる。
ゲストキャラとしてはSMクラブオーナーのエレクトラさんも、英国版レディ・ヘザーみたいな感じで良いと思ったが、出演は今回限りのようで残念。
トニーは事件以外で変な隣人にも悩まされる。ハラスメントでトニーを訴えた変な隣人さん、IMDbを見ると前シーズンの「アンバーアラート」でも「偏執的な隣人」役で出演していたようだ。マジか全然記憶にないや。
2025-04-05