Wire in the Blood S6-4 The Dead Land

Wire in the Blood series 6 Wire in the Blood

通算24話
地下駐車場やエレベーターシャフトの中で若いホームレスの男性の遺体が続けて発見される。どちらの被害者も細長い刃物で突き刺され、死後に服を着せられたことがわかる。トニーはマイケルの件に関して審問で証言を行う。

Wire In The Blood – Series 6(英国版 リージョン2 PAL信号)

  • 脚本:Alan Whiting
  • 監督:Phillip John
  • 初回放映:2008-10-24

地下駐車場の片隅で、ホームレスらしい若者の遺体が発見される。死亡した後に運ばれて遺棄され、段ボールで覆われていた。近くには火が燃やされた痕跡。監視カメラにはホンダ車が映っていたが運転手の姿はよく見えない。

検死医は、以前にも同じような遺体があったことを思い出す。同じく身元不明の若い男性で、使われていないエレベーターシャフトで発見されていた。

どちらの被害者も長い刃物を使い同じ角度で(下から上)刺されていたが、服には穴がない。死後に洗浄され、服を着せられたものと思われた。最初の被害者はホームレスの縄張り争いで殺されたと思われていたが、その場合はもっと乱雑な状況になり、傷痕も複数あるだろう。遺体の状態は、争いではなく秩序だった犯行を思わせた。

駐車場の遺体はロビー・オドネルと判明。死亡する約1時間前に食事と入浴をしていた。ホームレス支援センターに姿を見せたことはないので、食事も入浴も別の場所でしていたことになる。

アレックスは母親が死去したため職場を離れ、警部補のアンディ・ホールが後を引き継ぐ。

被害者の衣服には、全体に食塩が付着していた。これは路上に撒くようなものではなく、食用にする類のもの。また、ロビーの全身の皮膚からは、紙が検出される。

トニーは火が燃やされていた方角などから、犯行は性的なものではなく儀式であったと結論付ける。

3年前に失踪した息子を探しているジャネット・ウィリアムズは、受け取った封書の中に人間の毛髪を見つけて動揺する。身元不明の遺体は息子ジェイムズではないかと思い、警察に相談。

トニーはマイケルの逃亡について審問で証言した後、不審な小包を連続して受け取る。最初は病院関係者のいたずらかと思われたが、送り主は実はマイケルだった。マイケルは施設管理者のフィオナ・グランサムを殺害。トニーにはケヴィンが護衛に付くことになる。

3番目の被害者は、ストリート新聞「ビッグ・イシュー」を売っていたジャック・アームフィールド。今回は、被害者の髪から白いメーキャップ剤が検出される。舞台化粧に使用されるものだ。

トニー、ケヴィン、ポーラの3人は、遺体の遺棄現場で発見されたものを見比べ、カクテルスティック、割れた鏡、氷を包んでいたポリ袋など同じものを発見。

儀式の要素は、日本の神道につながるものだった。遺体から検出された塩は清めの塩、カクテルスティックは玉串に使う紙垂の代用品。トニーは、ケヴィンとともに自宅でインターネットを使い、神道儀式について調べて裏付けをとっていく。調査の途中、窓のすぐ外で爆発事件が起きる。マイケルの犯行がエスカレートしていた。

犯行を整理すると――犯人はホームレスを「社会を混乱させるもの」として街から除去したいと思っている。犯人は死者を浄化し、黄泉の国へ旅立たせる。遺体を地下に置いたのは地獄を模したもの。その周囲に清めの塩などを置いた。※注:地獄は神道ではなく仏教の概念。

4人目の遺体が発見されるが、今回はホームレスではなくアンジェラ・クラークという女性で、高層アパートの自室で死亡していた。統合失調症の病歴があり、自傷行為で入院したこともあった。凶器は同じように細長い刃物だが刺し傷が複数ある。トニーは、彼女は犯行を目撃したために殺されたと判断する。

駐車場には、2番目の現場付近で目撃されたものと思われるホンダ車があった。登録はノリムリ銀行の役員である秋田太郎。ノリムリ銀行があるのは、最初の被害者が発見された建物。秋田は関与を否定するが、秋田が買春の常連であることは知られていた。

ジャネット・ウィリアムズは、秋田が事情聴取を受けたことをニュースで知り「ジェイムズはノリムリ銀行の職に応募したが、父親に反対されて言い争ったことがあった」と話す。父親が反対したのは、自分の父(ジェイムズの祖父)が戦時中に日本軍の捕虜となり命を落としたことが理由だった。

ジャネットに送られた毛髪はジェイムズではなく、被害者ロビー・オドネルのもの。だが封筒はジェイムズから送られたものだ。ジェイムズ・ウィリアムズは父親との関係に問題を抱えていたため「ウィリアム・ジェイムズ」と名乗り、経歴を詐称してノリムリ銀行に就職し、別人として暮らしていたが、8か月前に嘘がばれて解雇されたという。

トニーらはジェイムズの自宅へ急行。ジェイムズはその時、ホームレスの若者を家に招き、食事をさせていた。ジャネットが説得しようとするが、ジェイムズは刀で切腹してしまう。

事件は解決し、トニーはアレックスの母親の葬儀に参列する。だがその帰り、ケヴィンが給油している間にトニーはマイケルに拉致されてしまう。マイケルはトニーを殺そうとするが、トニーは格闘の末にマイケルを倒す。

※日本人の氏名は適当に漢字を当てたが「ノリムリ」は無理。


シリーズ6の最終話。「ワイヤー・イン・ザ・ブラッド」がこの後打ち切られてしまったため、このエピソードがグランドフィナーレということになった。

……。

これがフィナーレで良いのか?本当に良いのかと、もうプロデューサーの襟首掴んでド詰めしたい。フィナーレでなければ良いとは言ってない。

いやいやいやいや、「変なニッポン」ネタといえば、CSI:NYの初期に「企業戦士」という伝説のエピソードがあったが、これはそれを上回る破壊力ではないか。なんちゃって神道儀式、ノリムリという意味不明な銀行名(こんな名前の所にお金預けたい?)、オフィスに和箪笥という謎のインテリア!歌舞伎風の白塗りメイクで最後は切腹!!

最初の方でトニーとアレックスが回転寿司屋にいた時は、こんな展開になるとは想像もできんかったwww (トニーさんは枝豆がお気に入りのご様子)

さて今回はアレックスのお身内に不幸があり、また「臨時雇い」さんが登場。名門大学で心理学を学んだというインテリだが、1話を思い出して「今回はどうなるんだろう」と少々不安になった。というか、最後の方まで彼がマイケルに殺されると思っていた(ごめん)。打ち切りがなければ次のシリーズでまた登場していただろうか。

アレックスがいないので、トニーがケヴィンやポーラとともに調査や資料証拠分析を行う場面があり、この部分は良かったと思う。音楽を流しながら証拠を調べている場面は何となくCSI風味。検死医の先生もだんだんキャラが立って来ているし、この点でも打ち切りは本当に残念だ。

4話見終わって、今シリーズは「宗教」がテーマだったのかなと思った。特に後半では、大天使ミカエルの名を名乗るマイケルが神がかり脱獄するし、事件は旧約聖書の創世記となんちゃって神道(神道が宗教かどうかは議論のあるところだが)。

グランドフィナーレがこれだったのは、泣いてよいのか笑ってよいのかという感じだが、とにもかくにも6シリーズ24話、これにて完結!トニーもアレックスも、そしてケヴィンとポーラもお疲れ様。最後に文句は言ったけど、シリーズ全体としては面白かったと思う。皆ありがとう。

ところで、犯人の部屋にいくつか浮世絵が飾られていたので「文化遺産オンライン」で探してみた。

他にも《暫》と相撲絵があったと思うがその2点は詳細不明。

2025-06-14

タイトルとURLをコピーしました