通算097話「緊急通報」
911(緊急通報)の女性オペレーターが失踪。彼女を指名する通報電話がかかり、彼女は電話を受けたものの、その途中で取り乱した様子を見せ、休憩に出たまま戻らなかったという。
WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え! 5thシーズン 前半
- 脚本:Amanda Segel Marks
- 監督:Jeannot Szwarc
- 初回放映:2006-10-08
失踪者:ジェシカ・ローソン
911(緊急通報)オペレーターのジェシカ・ローソンが失踪。彼女を指名する電話がかかり、その途中で取り乱した様子を見せ、休憩に出たまま戻らなかったという。通報の記録を聞くと「逃げられないぞ、殺してやる」と罵倒する男性の声が録音されていた。オペレーターは通常名前を名乗らないが、相手を落ち着かせるために名前で呼ばせることはあるという。
同僚によると、前日にも職場の外で男性から「緊急通報を放置しただろう」と罵倒され、もみ合いになったという。通報の件数が多く回線が混み合っている時はやむを得ず待たせることもあるが、それはジェシカの責任ではない。
ジェシカはオペレーター歴6年。以前は医学生だったが、中退して今の仕事に就いていた。防犯に気を使い大型犬を飼っていたが、最近強盗に犬を殺されたという。母親はジェシカから電話で知らされたが、結局通報せず被害届も出していない。
職場の外でジェシカを罵倒した男の氏名はネイサン・ケリー。救急車が間に合わずケリーの妻が死亡している。ケリーは腹を立ててジェシカを尾行したことを認めるが、それ以上の接触は否定する。
ケリーの供述から、ジェシカが数日前に発砲事件の通報があった場所に向かったことがわかる。ジェシカはその近くの店に行き「トイレを借りたい」という口実で事務所に侵入していた。店の主人は「何もなくなっていない」と言うが、よく見ると防犯ビデオの記録テープが1本なくなっていた。
なくなったテープはジェシカの自宅から発見される。発砲事件が起きた当時のもので、女性が撃たれてバッグを奪われ、通りかかった医師が応急手当をしながら通報する様子が録画されていた。
ジェシカの自宅からは元ギャングのアレハンドロ・メンドーザの指紋が発見される。だがメンドーザは犯行を否定。彼はギャングを辞めて店で働いており、そこでジェシカと知り合ったという。彼女の部屋にいたのは、犬の死骸を片付けるためだった。メンドーザは彼女を自分の家に泊めるが、翌朝、犬のことで誰かと電話で言い争っているのを聞いていた。
言い争っていた相手は友人のスーで、ジェシカは彼女を夫フランクのDVから救い出そうとしていた。フランクはそれを怒ってジェシカの犬を殺し、職場に脅しの電話をかけたのだ。ジェシカの自宅の鍵を渡したのはスーで、ジェシカはそれを怒ってスーを訪ねて来た。彼女はその時、学生時代に暴行を受けた話をしてスーを説得しようとした。だがジェシカはフランクの銃を盗み、そのせいでスーはひどく殴られる羽目になった。
フランクのアリバイは確認される。エレナらは、ジェシカが大学を止めるきっかけになった暴行事件について調べる。当時の彼氏によると、傷だらけになったジェシカが夜中に帰宅し、医師会の説明会の後数名で飲みに行き、暴行を受けたという。犯人は顔も名前も不明で「明るい色の髪と南部なまり」だけを記憶していた。
ヴィヴィアンは、発砲事件のビデオをもう一度確認し、ジェシカは自分をレイプした男を見つけたのだと判断する。通報したバートン医師に会いに行くと、ジェシカらしい女性とともに車で去った後だった。
車にはGPS装置があるので追跡可能。だがバートン医師は事件当日は国外にいたのでレイプ犯ではない。調べてみると、当日の説明会に出席していた別の医師が、婦女暴行で逮捕され収監中であることがわかる。
ヴィヴィアンとマーティンが場所を突き止めて行ってみると、ジェシカはバートン医師に銃を突き付けていた。ヴィヴィアンは事情を説明し、収監中の医師の写真を見せる。ジェシカは人違いであることを理解して銃を下す。
わずか数日の間でトラブルに見舞われすぎなオペレーター。
通報が遅れたからと通報者に詰められ、DVを受けている友達を助けようとして犬を殺され、別の通報を受けて過去の事件がフラッシュバック。
銃撃事件の通報を聞いて動揺した様子だったのは、通報者が「ドクター」と名乗り、南部なまりがあったからだろう。南部なまりはよくわからないが、バートンを演じているSean O’Bryanはケンタッキー州(南部米語地域)の出身なので。
それで「あの時の奴はこいつだ!」と思ったのだろうが、そこで防犯ビデオを回収する機転と行動力がすごい。
2025-06-25