通算098話「あなたのために」
危険運転で施設に収容されていた少女が失踪。その直前、彼女は教室で「死」を予告するようなメッセージを送られていた。その施設は、扉の警報器が作動しないなど複数の問題を抱えていた。
WITHOUT A TRACE/FBI 失踪者を追え! 5thシーズン 前半
- 脚本:Byron Balasco
- 監督:Kate Woods
- 初回放映:2006-10-15
失踪者:マリア・ノートン
少年保護センターに収容されていた少女マリア・ノートンが失踪。直前にマリアは教室で「死」を予告するようなメッセージを送られていた。脱走の形跡はないが、扉に設置した警報器は作動しないように細工されていたので、いつ誰が出て行ったかはわからない。
マリアは危険運転致死罪で18箇月の刑を言い渡され、現在13箇月が経過。それ以前にも薬物使用などの前歴があった。姉のクレアとともにノートン夫妻の養女になったのは最近のことで、それ以前は里親家庭にいた。
マリアが運転していた車には、クレアと恋人のチャーリー、友人のジェイクが乗っており、ジェイクは死亡、チャーリーは身体に障害を負い、姉妹は奇跡的に軽傷で済んでいた。
マリアの部屋にはギャングのタグが付いた薬物の包みが隠されていた。マリアは薬物検査で陽性になったことはない。養父の話では、最近マリアが外泊許可を求め、それを禁じると逆上したという。
収容されている少女の一人が、中絶を試みて医務室に運ばれたことがわかり事情を聞くと、彼女は看守の仲介で売春をしていたことを認める。そしてマリアも仲間に入ろうとしていたという。失踪したのは最初の「客」と会う予定の日だった。
看守は、マリアに売春させたのではなく外出の手引きをしただけだと主張。マリアは「15分で戻る」と言ったが戻らず、探しに行こうとすると銃声がしたのであわてて逃げたという。その場所には、姉妹と交流のあった麻薬の売人ダグが住んでいた。
ダグを連行して話を聞いたところ、「突然マリアが現れ、袋に入った麻薬を『姉の借金を返す』と渡してきた」という。クレアは薬物依存症になっており、マリアは姉を守ろうとしていたようだ。言い争いになり、ダグが落とした拳銃をマリアが拾って撃ったのだ。事故の当日に姉妹に麻薬を与えたのもダグだったが、ダグは「その日運転していたのはクレアだった」と言う。クレアは大学入学を控えており、マリアは「私は未成年だから軽い処分で済む」と主張して身代わりになったのだ。
マリアはその現場から、カート・ホリングワースの車で鉄道の駅に移動していた。ホリングワースは死んだジェイクの父親。彼は事故の直後はマリアを恨んでいたが、彼女を訪ねて息子の最期の様子を聞き「助けが必要な時は電話しなさい」と言っていた。そのため、理由どおり何も聞かずに彼女を駅まで送ったのだった。
マリアはクレアとチャーリーのもとへ向かっていた。クレアは薬物のために大学入学を延期し、ダグに2000ドルの借金を作っていた。里親から与えられた貯蓄債権で借金を返済しようとしていると知り、マリアはそれに怒ったという。
チャーリーの車椅子には血液と毛髪が付着していた。チャーリーは、クレアと引き離されると自分は一人で生きていけないからと、マリアと言い争ううちに突き飛ばしてしまい、麻薬を投与して地下室に置き去りにしたのだ。マリアは地下室で倒れているところを発見され、病院に収容される。
今回もまた救いのない話……。でもまぁ、マリアが生きて見つかったので、彼女は養親のもとへ戻れるだろう。代わりにクレアが本来の罰を受けることになる。クレアはすでに成人していたし、妹を身代わりにしたことで悪質と判断されて実刑を受け、「最初から正直に言っていれば良かった」と思う羽目になるだろう。これを機会に薬物を断って更生できるだろうか。
その間チャーリーの世話は?と思ったが、チャーリーはチャーリーでマリア殺害未遂の罪があるのだった。こちらも実刑を受けることになるのだろうか。
使用楽曲
- High and Low by Greg Laswell
2025-06-25