通算133話「デジャヴ」
交通事故で3年間昏睡状態だった男性が意識を取り戻すが、その6週間後に失踪。身体は順調に回復して退院できる状態だったが、記憶が一部欠落していた。入院中のマローンは以前に助けた少女から助けを求められる。
Without a Trace/FBI失踪者を追え! シーズン6
- 脚本：Byron Balasco, David Amann
- 監督：Chris Long
- 初回放映：2008-04-24
失踪者：ジェイ・マッキャン
交通事故で3年間昏睡状態だったジェイ・マッキャンが意識を取り戻すが、その6週間後に失踪。ジェイは順調に回復して退院できる状態だったが、記憶は一部戻っていなかった。
妻のキンバリーは、以前のジェイは強引で身勝手だったが目覚めてからは別人のように優しくなったという。事故前のジェイは部品製造会社を経営していたが、従業員を大量に解雇したり他社を潰したりという強引な手法に恨みを持つ者も多かった。事故を起こした夜、ジェイは使途不明の10万ドルの小切手を所持していたという。
防犯カメラ映像から、失踪直前のジェイが何者かに拳銃で脅されて車に乗っていたことがわかる。
銃で脅した男はダグ・ギルバートと判明。ジェイの件は大きく報道されて関心を集めたため、世界中からお祝いのカードが届いていたが、ギルバートはストーカーのように何度もカードを送り面会を求めていた。だが彼は同じように昏睡状態の息子を見舞ってほしかっただけで事件とは無関係だった。
ギルバートの話からジェイがソーホーの高級アパートを訪ねたことがわかる。3年前にそこに住んでいた女性ロビン・キャシディはジェイの愛人だった。ロビンは3年前、ジェイの事故と同時期に失踪していた。
ジェイは10万ドルの手切れ金を払って別れるはずだったが、持って行く途中で事故を起こしてしまった。ジェイの弟のケヴィンがロビンと一緒に待っていたが、ジェイが現れないため口論になり、はずみでケヴィンが突き飛ばしてしまい、ロビンは打ち所が悪く死亡。ケヴィンが遺体の後始末をしていた。
ケヴィンは昏睡状態のジェイを見舞って罪を告白したことがあった。その内容がジェイの記憶に残っていたのだ。ケヴィンはジェイが通報したものと思い込んで自ら罪を認める。だがジェイは通報していなかった。
結局ジェイは電車の中で意識を失って倒れているところを発見され、病院に搬送される。財布がなかったため強盗に襲われたと思われるが状況ははっきりしない。ジェイは再び昏睡状態に陥っていた――。
失踪者：ジェニファー・ロング
入院中のマローンに、ジェニファーから電話がかかり「誰かに尾行されている」と言う。マローンは病院を抜け出し、母親のテリーに会って話を聞く。ロマーが逮捕された後に証人として出廷を求められて脅えていたという。
ジェニファーは叔母ベスの家にいるというので、マローンは現地へ向かうが、ジェニファーはすでに連れ去られ、ベスは物置に閉じ込められていた。
ベスの話を聞いてマローンは公園へ向かい、たむろしていた若者からジョー・ジュスティがジェニファーを探していたことを知る。
マローンはジェニファーを連れ去ろうとするジュスティを発見して射殺。ジェニファーは無事に保護される。
マローンはまだ入院中だが、ジェニファーが気になって病院を抜け出して助けに向かう。この、マローンがジェニファーを気にかける様子が何だか尋常ではなく、もはや「執着」という感じになってきた。
ジェニファーの初登場は前シーズンのフィナーレ「恐怖の芽」で、監禁されていたジェニファーをマローンとダニーが救出した。その後、アンジェラが誘拐されたことで大がかりな人身売買組織が背後にあることがわかるが、この件はずっとヴィヴィアンが地元警察の刑事とともに担当していた。
それが「４階Ｇ号室の男」でテリーが会いに来たあたりから変わってきが気がする。テリーには、ジェニファーのことで相談するならトラウマ事例に詳しい専門家がいるだろ！と思ってしまった。よりによって暴力捜査官の所へ来るか！？
まぁ、マローンがジェニファーに執着するのは性的なものではなく、娘に対して良い父でなかった自分からの、ある種の償いなのだろうと思っている。アンの流産とサムの妊娠への複雑な思いもあるのかもしれない。
ともあれ、ジュスティを射殺したことで、この話は落着――ということかな。
マローンが無茶をしすぎるせいで、メインの事件が何だか印象薄い。3年間の昏睡状態から奇跡的に目覚めたジェイ（CSIでサラと一時期交際していた消防士の人だ）が、以前とは別人のようになり、失った記憶を求める――いや、こういう話ならもっと面白くできるでしょうと思った。ロビンの事件が解決したのは良かったのだが「これでお役目終了」みたいな感じで再び昏睡状態に。もう少しジェイの人生観を深く掘り下げても良かったのではないか。
2025-11-06
